「映画館は映画のゆりかご」の意味を知るの巻
まほの別府ブルーバード劇場日記
別府ブルーバード劇場では、2017年より「照ちゃんの映画人生を、映画でお祝いしよう!」をテーマにした映画祭を開催しています。今月は、2018年のBeppuブルーバード映画祭で上映された作品2本がブルーバード劇場に1年ぶりに凱旋! 1年越しの映画上映を常連さんみんなと楽しみました!(森田真帆)
『ココロ、オドル』に心が踊る!
映画『ココロ、オドル』は国際短編映画祭「ショートショート フィルム フェスティバル & アジア2015」(SSFF & ASIA 2015)のジャパン部門優秀賞、LA映画フェスタのゴールデン・ジパング賞を受賞した短編映画をもとに長編映画化した作品。新しく作られた長編版の『ココロ、オドル』は、2018年のBeppuブルーバード映画祭で世界初お披露目されました。本作は、沖縄県の慶良間諸島の美しい自然を舞台に、3組の家族の絆を描いたオムニバス作品。登壇ゲストには、加藤雅也さん、仁科貴さん、尚玄さんと豪華なメンバーが集結! 観客の皆さんが「すごくいい映画だった!」と口をそろえて楽しんだ上映でした。
それから約半年、映画『ココロ、オドル』は無事に全国上映を迎え、主演の尚玄さんが久しぶりにブルーバード劇場に帰ってきました。「映画祭で観たんだけど、すごくいい作品だったからもう一度観たいと思っていたんです」というリピーターのお客様もたくさん来場! 上映後は、尚玄さんの歓迎パーティーも開催して、観客の方々もそのまま参加。慶良間諸島での撮影現場の裏側を聞いたり、感想を話したりと、貴重な時間を満喫しました!
■ 総勢4人の豪華舞台あいさつ!『デリバリー』
『ココロ、オドル』の翌週は、こちらもBeppuブルーバード映画祭で世界プレミア上映を行った『デリバリー』の舞台あいさつが開催され、室賀厚監督に主演の鈴木つく詩さん、長濱慎さん、中原翔子さんら4人がブルーバード劇場にやってきました! 本作は、キャッツ&ドッグスというデリバリーピザ屋で起こるさまざまな出来事を、笑いや涙、スリリングな演出とハードなアクションで綴ったオムニバス作品。映画祭でのプレミア上映には監督がキャストの皆さんとともになんと東京から車で別府までやってくるというものすごいことに挑戦! 舞台あいさつの観客席に、劇中に出てくるストーカー役の役者さんを、劇中と同じ衣装を着た状態で仕込み、突然登場するという粋な演出もあり、大いに盛り上がりました。
そんなサービス精神満点の『デリバリー』チームは、今回二日連続で舞台あいさつを開催! ブルーバードの歴史でも珍しい4人での登壇に感謝を伝えるべく、当日お客様からは「おかえりなさーい」という声が飛び、私たちまで映画とお客様との絆を感じさせてもらいました。
映画が公開されてお客様に届くということ
今回、ブルーバード劇場に改めて帰ってきてくれた映画『ココロ、オドル』と『デリバリー』。2つの映画は、決して興行収入ランキング1位に輝くような映画ではありません。でも、昨年の映画祭で上映されて以来、私たち劇場側の人間も、「公開が決まって、興行として劇場で公開する日が早くきてほしい」と祈っていました。「興行」というのは、映画館で何月何日から1週間、2週間と上映がされること。これは私もブルーバード劇場という場所をお手伝いするまで見えていなかったことですが、低予算の映画であればあるほど、劇場で上映されるということはとてもとても大変なのです。
だからこそ、この別府ブルーバード劇場で記念すべき最初の上映が行われ、映画としてのスタートを切った作品がまた戻ってきてくれることを願っていましたし、一つでも多くの映画館で上映されることを心から楽しみにしています。観客の皆さんに、卒業式のように作品を明け渡す瞬間。約半年をかけて、再び劇場に戻ってきた2つの作品をもう一度観ながら、照ちゃんがいつも言っている「映画館は、映画のゆりかご」という言葉を思いだしたのです。みなさんも、いろんな方の思いがたくさん詰まった「映画」を、ぜひ映画館で観てくださいね!