『アベンジャーズ』キャストも参加!ルッソ兄弟の監督・プロデュース作ラッシュがスゴい
今週のクローズアップ
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』が全世界興行収入の歴代トップに立ち、稀代のヒットメーカーとなった兄弟監督のアンソニー・ルッソとジョー・ルッソ。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)からは離脱するようだが、兄弟で立ち上げた製作プロダクションAGBOで製作予定の監督・プロデュース作品が目白押し。MCUキャストも参加する期待作を一挙紹介(編集部・入倉功一)。
スパイダーマン俳優と組む監督作!
兄弟の『アベンジャーズ/エンドゲーム』に続く監督作になる予定なのが、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』も大ヒット中のトム・ホランドが主演する『チェリー(原題) / Cherry』。衛生兵としてイラク戦争に従軍した、ニコ・ウォーカーの半自伝的小説が原作で、帰国後もPTSDに苦しみ、恋人とドラッグに溺れ銀行強盗を重ねる主人公を描く。
ルッソ兄弟の出身地でもあるオハイオ州クリーブランド近郊が舞台となり、10月のクランクインを予定。兄弟は、『アベンジャーズ』シリーズでトムとは何度も組んでいるが、主演俳優としての起用は初めて。ドラッグ描写もある本作は、R指定作品になり、ハードなトムの演技にも注目。賞レースを騒がせる一本になるかも。
「ガッチャマン」がハリウッドで映画化!
タツノコプロ制作の傑作アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」のアメリカ放映版「Battle of the Planets」の映画化。兄弟にとっては思い出のアニメで、学校から帰ると夢中で観ていたのだとか。まだ権利を得た段階で、2人でプロデュースをするのか監督をするのかも不明。しかし、もし監督をするなら「アニメではなく実写映画になる」とのこと。
アメリカでは、科学忍者隊の名称はG-Forceとなり、外敵から地球を守るためほかの惑星で戦うヒーローとして描かれるなど日本版から設定が変更されている。『アベンジャーズ』シリーズでヒーローたちの群像劇を見事に描き出した2人だけにこちらも期待大!
クリヘムが挑む人質救出作戦
ジョー・ルッソが脚本を手掛け、兄弟でプロデュースするNetflix映画『ダッカ(原題) / Dhaka』。麻薬戦争に巻き込まれ誘拐された、インド人ビジネスマンの息子を救うために雇われた傭兵タイラー・レイクの戦いを描くアクションドラマで、タイラー役を『マイティ・ソー』でおなじみのクリス・ヘムズワースが演じる。マーベル作品でクリス・エヴァンスのスタントダブルを務め、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』や『デッドプール2』などの第2班監督として、アクション面を支えてきたサム・ハーグレイヴの長編監督デビュー作。
ブラックパンサー俳優がNY封鎖に挑む!
11月22日に全米公開予定のルッソ兄弟プロデュース作品が、『ブラックパンサー』のチャドウィック・ボーズマン主演のアクションスリラー『21 ブリッジス(原題) / 21 Bridges』。チャドウィック演じるニューヨーク市警の刑事が、警官ばかりを狙った強盗犯を捕らえるため、マンハッタン島に架かる21もの橋を封鎖する、前代未聞の捜査網を敷くことに。やがて彼は、警官殺しの裏にある陰謀に迫ることになり、正体不明の脅威に狙われる。『エンドゲーム』後に初めて公開される兄弟のプロデュース作としても注目の一本。監督はドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」などに携わったブライアン・カーク。
名作犯罪映画を『ブラックパンサー』悪役とリメイク!
スティーヴ・マックィーンの代表作として知られる犯罪映画『華麗なる賭け』(1968)を、『ブラックパンサー』の悪役キルモンガー役で知られるマイケル・B・ジョーダン主演でリメイク。ルッソ兄弟は製作総指揮を務める。ピアース・ブロスナン主演で『トーマス・クラウン・アフェアー』(1999)としてリメイクされたこともある本作は、大富豪の実業家にして、一流の泥棒でもある主人公と、彼の犯罪を調査するヒロインとの関係も見どころ。マイケルの相手役にも期待。
少女とロボットの旅の記録
ルッソ兄弟と共に『アベンジャーズ』シリーズに携わった、クリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーが脚本を手掛け、グラフィックノベル「ジ・エレクトリック・ステイト(原題) / The Electric State」を映像化。原作は、文明が崩壊した架空の1997年後半を舞台に、一人の少女が、ロボットの“スキップ”と共に、行方不明の兄弟を捜してアメリカ西部を横断するという心躍る設定。
世界的カードゲームがアニメ化!
世界初のトレーディングカードゲームとされ、現在も世界規模で圧倒的なプレイヤー数を誇る「マジック:ザ・ギャザリング」のアニメ化をルッソ兄弟がプロデュース。Netflixにて配信予定で、将来的には実写版のスピンオフを製作したいとのこと。
そのほかにも、やはり2人が愛読していたという1980年代のアメリカンコミック「グリムジャック」(Grimjack)の実写化をプロデュースするなど、MCUでの成功をきっかけに、子供時代から愛してきた作品の映像化や、MCUキャストとのタッグ作を次々に手掛ける予定のルッソ兄弟。今年のコミコンでは、マーベルともいつかまた一緒に作品を作りたいと語っており、これからもハリウッドきってのヒットメーカーとして活躍しそうだ。(編集部・入倉功一)