ウーマン村本、『天気の子』で都会への憧れを思い出す!
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は映画『君の名は。』の新海誠監督の最新作『天気の子』を鑑賞してもらいました! 福井のど田舎!? 出身という村本と、大阪出身のパラダイスが感じるシンパシーの違いとは!(取材・ 文:森田真帆)
『天気の子』
『秒速5センチメートル』などの新海監督が、『君の名は。』以来およそ3年ぶりに発表したアニメーション。天候のバランスが次第に崩れていく現代を舞台に、自らの生き方を選択する少年と少女を映し出す。
超リアルな映像に日本のアニメを誇らしく思えた!
中川:なんか歌がめっちゃ多かったな。
村本:お前なんやねん! いきなり悪口言うな!
中川:悪口ちゃうよ。純粋に面白いなって思ってん。『君の名は。』のときもそうやったけど、新海監督の映画ってめっちゃ歌多いやん。いろんなアニメ観ているけど、こんなに歌が入ってくるアニメってあんまりなくない?
村本:その日本語の歌詞が響いてくるのがええんやんか。だって映像とかめっちゃキレイでさ。そこに日本の歌が流れてくるのがすごい合うのよ。だってほんまにすごい丁寧でさ。この映画は京都アニメーションさんとは関係ないと思うけど、日本のアニメってほんっとにすごいって思うわけ。だから、こういう素晴らしいものを作っていた人たちの命が奪われてしまった事件の直後に観ただけあって、感傷的になったな。
中川:ほんまにアニメと思えないくらいリアルやった。新宿とかすごい再現されていてリアルやったわ~。もう、まんま! 街を走っているバスも歌舞伎町そのまんま出てきてびっくりしたわ。
村本:僕は、新宿歌舞伎町のTOHOシネマズ新宿で観たから、映画見終わって出てきたらすぐ歌舞伎町やろ。もうリアルとアニメの境界線がなくなっていたよな。
中川:僕は新宿ピカデリーで観た(笑)。出たらすぐに歌舞伎町の有名なネオン看板があって。ちょっと感動した。
村本、離島を飛び出した主人公にシンパシー!
村本:主人公の帆高が離島を飛び出したくなった気持ちも、「もう絶対に帰りたくない」って言う気持ちもめっちゃわかるわ。おれもどんだけ飛び出したかったことか。今もさ、近所を歩いているときに夢の中を歩いているような気持ちになるねん。たまに近所のチェーン店を見ると、思い出すねん。例えば吉野家とかさ!
中川:え、吉野家なかったん? すごいとこやな!
村本:なかったで! おれの町には! ファミリーマートもねぇ、ローソンもねぇ、吉野家なんてあるわけねぇ! すき家もねぇ! マクドナルドも何にもねぇ! 村に菓子パンとか詰んだワゴンがやってくんねん。それにわーって群がってくの。だから、もう初めてココイチ(カレーハウスCoCo壱番屋)を見たときの感動はすごかった。
村本、都会の女への憧れを思い出す
中川:帆高と陽菜のあの初恋の感じもめっちゃかわいかったよな。初めての恋というかさ。
村本:中川にもそんな時期あったん?
中川:この映画みたいな感じじゃなくてさ。例えば15歳くらいの頃なんてさ、電車の中で隣になった女の子のこと好きになって、めっちゃ気になってるけど結局一言も声かけられないままで終わっちゃったり。もっと苦い思い出の方が多かったから、ああ、こんな初恋したかったなぁって思った。
村本:また新宿のマックで出会うとか、めっちゃええやんな! 都会のアパートに暮らしているっていうだけでドキドキするわ。
中川:村本も都会の女に憧れあるもんな。
村本:俺は、自分の家の近所の人が東京の女の人と結婚してさ。東京から嫁が来たって村が大騒ぎになって、俺も見に行ったわ。もうあんな福井のど田舎に、東京の女の人! もうずっと憧れていたんだけど、そこの夫婦にマコちゃんって子が生まれてさ。小学校の頃、結構遊んであげてたのよ。で、ある日自転車でレースしていたらさ、お母さんが見に来てん! 白いカーディガンをひらひらさせて! で、俺が一番年上だったから片足をペダルに引っ掛けて、シャーッてめっちゃカッコつけてゴールしたの覚えてるわ(笑)。
中川:それで人妻が好きなんやな(笑)!
都会のリアルも描いた、ハッピーだけじゃない現代のアニメ!
村本:主人公が島から歌舞伎町に出てくる感覚、出てきた時のきらめいて見える感覚、めっちゃ共感した! と、同時に東京で過ごすうちにそのキラキラがなくなっていく感覚もわかるわ。
中川:村本も都会に憧れて上京したんやもんな。でも僕も、初めて歌舞伎町来た時に「ここが歌舞伎町か!」ってめっちゃキラキラして見えたの覚えてる。
村本:この作品でもさ、最初はめっちゃキラキラしていてもだんだん現実を知るわけじゃない。漫画喫茶で一生懸命バイト探しても断られたり、怖い人に捕まったりさ。ただのサクセスストーリーじゃなくてちゃんと現実を描いてたやろ。いまってさ、着ぐるみの中に人が入っていることをわかっていながら、そこに目を向けようとしない時代。でもそれをちゃんと描いているところがやっぱり現代のアニメなんかなあって思ったよね。
中川:確かに、めっちゃハッピー映画じゃないもんな。僕らの子供の頃のアニメってもっと現実離れしていたけど。この映画は、めっちゃ現実やった。
村本:『君の名は。』も都会の高校生と田舎の高校生を対比させてたやろ。今回は田舎から出てきた高校生でさ。この都会と田舎、それから10代を描くこだわりってどんなとこにあるんやろ。気になるなぁ。いつか新海監督に会ったら聞いてみたい!
映画『天気の子』は全国公開中
映画『天気の子』公式サイト
(C) 2019「天気の子」製作委員会
※記事内容には個人の意見が含まれています
ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔 1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
中川パラダイス 1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。