平野紫耀、告白は自分からしたい『かぐや様は告らせたい』インタビュー
King & Prince 平野紫耀の最新作は映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』。超名門校に通う天才的な男女が、高すぎるプライドから恋愛感情を内に秘め、相手に告白させようと恋の頭脳戦を展開する。平野が演じるのは、成績は常に学年トップの秀才で生徒会会長の白銀御行。橋本環奈ふんする財閥の令嬢にして文武両道の四宮かぐやへの恋愛感情を表面的には抑えつつ、心では振り回されまくる姿をコミカルに表現する。
■ピュアでかわいらしく、男らしい面もある白銀御行役
Q:今回の物語の設定を聞いた感想を教えてください。
新しいな~、斬新だな! と思いました。僕自身は自分から告白したいタイプなので。そして、恋愛を頭でする人がいるのか!? と驚きました。「恋愛頭脳戦」と聞き、どんなストーリーなのか気になったのを覚えています。
Q:平野さんが演じる白銀御行という役柄の印象は?
頭はいいけど恋愛に弱く、そっちの偏差値は低い。でも一途に四宮のことを考え、いざという場面では格好いいところを見せられる。とはいえ後悔するんですけど(笑)。ハッキリ言えるところは男として格好いいですよね。
Q:白銀はクールな天才であるだけでなく、いろいろな顔を持っていますよね。
ふつうに会話するぶんにはクールですが、抜けているところがあって、心はピュア。心の声をそのまま口に出せばいいのに! と思っていました。プライドが高すぎてできないんですけど。そこが傍から見たらかわいらしく、もどかしいなと。
Q:自身に近い部分、共感できるところはありますか?
近いところはあまりないんです。僕は人間観察が好きで、わりと人のことをよく見ていますが、白銀も人の視線や癖、行動をよく見て真意を読み取ろうとするところは似ているのかもしれません。
■みんなと仲良くなったころにクランクアップ…
Q:撮影はどのような流れで行われたのでしょうか?
最初に本読みをして、モノローグの録音をしたあとにリハーサルでした。だからリハーサルのときは、心の声をなんとなくつかめていました。原作の漫画やそれを基にしたアニメーション作品があったので、確実に近づけないと! と思っていて、参考にさせていただきました。リハーサルではいろいろなパターンを試して、固めるのではなくどんな演じ方かを見ていただき、監督さんに相談しながらざっくりと決めました。
Q:主演として撮影に参加した感想は?
最後の方はみんなで和気あいあいとしていました。映画って撮影期間が短くて、仲良くなってきたころにクランクアップしてしまうんです。前からそこを反省していて。今回こそは! と思っていましたが、やっぱり仲良くなったころに終わりました(笑)。最初に仲良くなったのは(佐野)勇斗。共通点が多かったり、共通の知人がいたりしたので。橋本環奈さんからは、お芝居に対する姿勢や考え方に、ずっと刺激を受けていました。橋本さんはずっと笑っているのに、本番が始まると、一瞬で四宮になるんですよ。スゴイな……と思いました。
■“俺様”の引き出しは空っぽ!?
Q:映画『ういらぶ。』やドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」と表面的には俺様だけど心の中は……という役柄が続きました。
なぜでしょう? 自分でも不思議で。なんで僕は俺様な役が多いんだろう、ふだんは俺様じゃないんだけどな……って。やらせていただけるのはうれしいですが、自分自身とは遠い役どころなので難しかったりします。それで俺様な役が続くと、以前の俺様とは違う俺様にしよう! と思うけど、自分の中の俺様の引き出しがもう……空っぽなんですよ~。僕のファンの方は、何作品も僕の俺様を見ているので、例えば、これ『ういらぶ。』と同じじゃない? と思われないように。それが今回、僕の中でひとつのミッションでした。
Q:これまでの俺様とは違うぞ、と?
演じ分けられたかどうかはわかりませんが、細かいところを見ていただければ、ひとりひとり違うことがわかっていただけるはず。そこを意識しながら、でも最終的には……あまり考えてなかったです(笑)。自然になりきることができれば、過去の役柄に似ることはないだろうと。実際に俺様ということより、頭がよくて天才であることを意識しました。すると必然的にクールになるし、天才ってちょっと早口なのかな? と考えて早口にしてみたりしました。
Q:天才らしい仕草なども考えましたか?
……あまりやりすぎて原作から離れるのもイヤで。なるべくその場で、パッと思いついたことをしようとは思いました。簡単なところでは、背筋をピンと伸ばしているとか。あとはボケっとした顔をあんまりしないとか。目つきが鋭いのがひとつのポイントだと思うので、ポカーンとした顔はなるべくせず、目はずっと細めていたような気がします。言葉遣いや目つきは、ふだんから意識していました。疲れてくるとすぐにボケーッとした顔をしちゃうので、ふだんから気を付けていたら、メンバーといるときにもクールな空気になっちゃったり、ふだんの会話が「だが!」「しかし!」とか不自然になっちゃったりしました(笑)。
■笑いのツボがズレているんです
Q:モノローグが流れ、表情だけで見せるというお芝居が多かった気がします。
表面的にはクールでも心の声は……というギャップのある場合が多く、クールな表情からモノローグにいく瞬間、モノローグからクールな白銀に戻る瞬間が難しかったです。自分でも笑いそうになりました。それと撮影現場にはスピーカーでそのときのモノローグが流されるので、この発言に俺は気づいていいのかな……? ダメか。心の中でこんなことを言う四宮の方を見ていいのかな……? ダメかと。モノローグが流れる間、どう過ごせばいいのかと悩みました。
Q:その辺りも監督と話し合いながら?
それほど細かい指示はなくて、かぐやのモノローグについてなら、ここは気づいていいけどここはダメなど、それくらいです。一度「ここ白銀、幽体離脱~」というので、なにをおっしゃっているんだろう? と思いながら、白銀の幽体がいる位置を指示されて目線を決めたりして。目のやり場に困りました……ってイヤらしい意味じゃありませんよ(笑)。僕は想像と違う演技をしちゃってる! と思うことがたまにあるので、どう撮れているのか、楽しみでもあり不安でもありました。
Q:コメディー要素も多い作品ですが、笑いの表現についてはどのようにとらえていますか?
僕は笑いをよくわかってなくて、人とズレているところがあるんです。メンバーとお笑い番組を観ていても、僕は笑っているのに僕以外の誰も笑ってない! とか。それもあって、笑いを取りにいくぞ! というより、四宮のことが好きすぎるゆえに真剣になりすぎてしまうと考えていました。それが笑いにつながればいいなと。それで撮影しながら監督さんやカメラさんが笑ってくれるとうれしいんですよね。現場では監督さんがいちばん笑っていました(笑)。
Q:なんども思い出し笑いするような印象的な場面はありますか?
生徒会でトランプするシーン、花火大会、熱を出したかぐやを見舞いに行くところと、1シーンに必ず1回は爆笑があった気がします。僕、セリフを間違えちゃうんですよ。「石上(佐野)こっちにもホコリあるぞ?」というセリフを、そのとき目に入った音声さんの名前で言っちゃったんです! そういうボケっと……じゃないや、ボソっという一言を間違えちゃうんですよね。
【取材後記】
しばしば“天然ボケ”と評される平野紫耀。けれどどんな質問にも丁寧に答え、ときに本気ボケ? と思える笑いの要素を盛り込んで語る姿はサービス精神を感じさせ、“真面目で、ときどきオトボケな好青年”といった印象だ。会話が進むにつれ、自身の発言によってだんだんとノリのよさは加速。やはりとても面白く、魅力的な人なのであった。(取材・文:浅見祥子)
映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』は9月6日より全国公開
映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』オフィシャルサイト
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