アッと驚く伏線回収!アルファは愛する娘を奪還できるのか?
今週のウォーキング・デッド
「ウォーキング・デッド」シーズン10後半の4話目は、前回に続いて怒涛のエピソード! ずーっと引っ張ってきたあのストーリーが急展開する!(平沢薫)
※ご注意 なおこのコンテンツは「ウォーキング・デッド」シーズン10について、後半の「もう観ちゃった方向け」はネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。
今週のウォーキング・デッド~シーズン10第12話
<これから観る方向け:ネタバレなし>グレッグ・ニコテロ監督のエピソードはド迫力のVFX映像にハズレなし!
なんと米映画データベースサイトIMDbのユーザー評価はこのシーズンの最高値、10点満点の9.3点! それも納得の迫力映像あり、感動的なドラマあり、そしてあっと驚く伏線回収ありの充実のエピソードになっている。
監督は、おなじみのグレッグ・ニコテロ。彼は特殊メイクの名手として本シリーズには最初から参加し、シーズン2から監督に進出、今や重要エピソードといえばこの監督が手掛けるようになっている。ちなみに企画進行中の本作の映画版の監督もニコテロに決定済み。このシーズン10では第1話、第2話に続く3度目、後半では初の登板になる。
ニコテロ監督によるエピソードといえば、特殊効果で唸らせるシーンがあるのがお約束だが、今回の映像は期待以上。前回のラストから続く、ウォーカーの巨大集団とのバトルシーンの映像は、シリーズ屈指の迫力。夜、炎、火に身体を燃え上がらせながら迫ってくる無数のウォーカーたちの灼熱地獄のようなシーンは必見!
<もう観ちゃった方向け:ネタバレあり>忘れた頃にやってきた伏線の回収がスゴすぎる!
夜の闇の中、燃え上がるウォーカーたちとの戦闘の光景がすさまじい。メアリー/ガンマ(ゾーラ・バーチ)とアール(ジョン・フィン)の自己犠牲的な行動に、感動せずにはいられない。幼いジュディス(ケイリー・フレミング)が初めて人の死を痛感する出来事にも胸を打たれる。そして、長いこと待っていたアルファ(サマンサ・モートン)に起こる展開もショッキングだ。これらのすべてが1話に盛り込まれているというだけで、「ウォーキング・デッド」のクオリティーの高さを痛感させてくれる。
だが、しかし! それらにも増して「ヤラレた!」と唸らせられるのは、ずっと前から張られていた伏線の見事な回収ではないだろうか。そう、ニーガン(ジェフリー・ディーン・モーガン)の脱獄と、ベータ(ライアン・ハースト)の素顔についてだ。
まず、ニーガン。今回やっと、ニーガンが“囁く者”たちに加わってアルファに接近した理由がわかる。それはアルファを倒すためだった。そして、ニーガンの行動に対して「遅かったわね」と言うのがキャロル(メリッサ・マクブライド)ではないか!
ここで思い出すのは、本シーズンの第2話でニーガンの脱獄が判明した時、その犯人が不明だったこと。あの犯人はキャロルで、アルファを倒すためだったのだ。この忘れた頃にやってくる伏線回収ぶりがスゴイ。
そしてこの事実は、いい意味でファンの予測を裏切ってくれた。誰もが「アルファVS.キャロル」の対決が描かれるのではと思われたが、その対決がこういう形だとは誰が予測できただろう。水面下でアルファに罠を仕掛けていたとは、キャロル、恐るべし。しかしこうした必殺の戦法こそ、キャロルらしい。キャロルとニーガンがどんな約束を交わしたのかは、これから明らかになるだろう。
そして、ベータ。ベータはメアリーと対峙したときにマスクが破れ、彼の顔を見た囁く者の一人が「あんただったのか、声に聞き覚えが……」と言うと、ベータに殺される。殺したのはベータが正体を隠したいからだろう。ということは、ベータの正体は、誰もが知っているような人物で、しかも正体を隠さなければならない人物なのか?
ここで思い出すのはこのシーズン第2話のアルファがベータと出会ったときのエピソード。ベータは最初から穴を開けたスキー帽のようなもので顔全体を隠し、顔を見せるのを拒んでいた。アルファに心を開き初めて彼女がマスクをめくるのを許すが、顔は画面に映らず、アルファにしか見えない。そして、その顔を見たアルファは、ニヤリと意味ありそうに微笑んだのだ。この時は意味不明だったが、今回のことを考え合わせると、やはり、彼はその顔を見れば誰もがわかるような人物なのではないか。この忘れた頃にやってきた伏線回収も、驚愕の結果が待っているような予感がしてならない。