1か月ぶりの劇場再開の巻
まほの別府ブルーバード劇場日記
4月の緊急事態宣言を受けて、1か月間休業していた別府ブルーバード劇場がようやく再開しました。全員がホッとしていますが、大変なのはまさにこれから。新型コロナ対策でてんやわんやの劇場の様子や、再開館後に初めて行ったイベントの様子をお伝えします!(文・森田真帆)
ついに劇場再開!!!コロナ対策はバッチリ
再開にあたり私たちが考えたのは、ブルーバードにやってくる観客の皆さんが安心して映画を観られるように万全の対策を整えること。まずは劇場に張るお知らせ作り。チケットを買う時は2メートルごとに並んでもらうこと。必ずマスクを着用して鑑賞していただくこと。劇場に入る前に手指の消毒をしていただくこと、そしてクラスターなどが発生した時のために、観客一人一人の方にお名前と電話番号を書いていただくことなどを書いた張り紙を作って、劇場中に貼り出しました。受付前の階段やロビーには、並ぶ時の間隔を作ってもらうように2メートルおきにカラーテープを貼り、劇場中を大掃除。岡村照館長、娘の実紀さん、そしてお手伝いの私と女性ばかりのブルーバードで彼氏のひろき君は大活躍! 夜通しかけて劇場中、そしてすべての座席に掃除機をかけて、すべての座席を消毒しました。さあ、これでお客様を迎える用意はバッチリです。
まさかの!消毒液を間違って飲んでしまう事案が発生
今劇場では、各映画の上映後に場内の換気と全座席の消毒を徹底しています。そのためには大量の消毒液が必要です。でもありがたいことに別府市さんは、先日市役所で消毒液を無料で配布してくれました。というわけで、いつも手伝ってくれているボランティアの園さんが、市役所で消毒液を入手してブルーバードに持ってきてくれました。
開館準備をしている最中、ふと喉が渇いて水でも飲もうかと思った私。冷蔵庫の上に置いてあるお水のタンクを見つけ、蛇口をひねって紙コップに注いでゴクリと飲んだところ、なんだかおかしな味がする。なんだろう? 飲みにくい。これは硬水なのか!? と勝手に高級なミネラルウォーターと勘違いしてしまいそのまま普通に2口程飲んでみたのですが、どうにも味がおかしすぎる!! ふと箱を見たら消毒液と書いてあるのを見て大パニックに。取扱説明書を見たところ「誤飲しても、人体に影響はありません」と書いてあって、ホッと一息つきました。
再開後、初めてのイベントは?
再開して初めてのイベントは映画『性の劇薬』に決まりました! 本作は、自殺を図った男が監禁、過激な性の調教を通して「生」を植え付けられていくというBLマンガ「性の劇薬」が、R18+指定作品として実写映画化された作品。水田ゆきによる原作を大胆な性描写をピンク映画界の鬼才と称される城定秀夫が超絶官能的に描いていて、多くの女性客の皆様がたくさん来てくださった作品です。この作品は、残り1週間の上映を残したまま映画館自体が休館になってしまったので、多くのファンの方から問い合わせをいただいていました。1か月ぶりの再上映だし、何かイベントをしようよ! ということになりました。
ゲストで招待するのは、映画祭のたびにブルーバード劇場を手伝ってくれている、別府で唯一のゲイバーZEROのママDUNEさん。コロナの影響で、お店も1か月近くお休みになっていたので、売り上げの協力も兼ねた合同イベントを開くことになったのです! ゲイから観た、ボーイズラブってどう見えるんだろうって、私も気になっていたところだったので、気になることは全部聞いちゃおう! と私も楽しみにしていました。
すんごい官能描写にゲイバーママも仰け反りっぱなし!
女の人がいたら、気まずくて観づらいという意見もあり、土曜日はメンズオンリーデー、日曜日はレディースオンリーデーということで、トークは2回に分かれて実施することに。初日のメンズオンリーデーには、「一回、BL映画ってものを観たかった!」というDUNEさん、そしてお店のお客様たちも観に来てくれました。監禁された主人公が、ベッドの上であられもない格好で縛られているシーンには客席もざわざわ。「やだ、なんかすごいわね」と一緒に鑑賞していたZEROのマスターも思わず声が出ちゃうほど。トークショーの内容は、あまりにも過激すぎてとてもここでは書けないのですが(笑)。DUNEママ曰く、「私も見たことがないようなすんごい道具がいっぱいでびっくりしたわ! ゲイがみんな、この映画で描かれている2人みたいなことをするわけじゃないから!」。
約1時間に渡るトークはとにかく盛り上がりました。今のような時代だからこそ、ZOOMでトークを観られるようなオンラインチケットで見てくださるお客様もいて、ブルーバード劇場にとってまた新しい挑戦が始まった! 不安な気持ちはもちろんありますが、同時にワクワクもしているのでした。