『モンスターハンター』ハリウッド版、最新情報まとめ【随時更新】
カプコンの大人気ゲームをハリウッドで実写映画化した『モンスターハンター』が2021年3月26日に日本公開(全米公開は今年12月30日)。このページでは、本作の最新情報を随時更新しながら紹介していく。(編集部・倉本拓弥)【2021年1月14日更新】
「モンスターハンター」とは
「モンスターハンター」は、雄大な自然を舞台に、クエストを受注したハンターが巨大モンスターを狩るハンティングアクション。日本では、“モンハン”の愛称で知られている。2004年、PlayStation(R)2向けに第1作が発売されると、モンスターの素材で武器や防具を生産・強化していくシステムやオンラインを介した協力プレイが人気を博し、「一狩りいこうぜ」という言葉が流行するなど社会現象を巻き起こした。今年3月には、最新作「モンスターハンター:ワールド」の拡張コンテンツ「モンスターハンターワールド:アイスボーン」が全世界出荷500万本(2020年3月13日時点)を突破している。
ハリウッド実写版のあらすじ
砂漠で偵察中の主人公・アルテミスと彼女のエリート部隊は、突如起こった超巨大な砂嵐に遭遇し、必死に逃げるものの一瞬にして巻き込まれてしまう。強烈な突風と、激しい稲光の中で、気を失うアルテミス。そして目を覚ました場所は、我々の世界の裏側にある、全く異なる世界だった……。
『バイオハザード』シリーズ監督&主演女優によって実写化!
メガホンを取ったのは、同じくカプコンの人気ゲームを実写化した『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督。「モンハン」シリーズの大ファンでもあり、2012年頃から実写化を構想していた。
主人公アルテミスを演じるのは、『バイオハザード』シリーズで主演を務め、アンダーソン監督の妻でもあるミラ・ジョヴォヴィッチ。役づくりのため、軍事施設を訪れてレンジャーや火器の扱い方について学んでおり、「キャプテンを務めている本物の女性レンジャーも紹介してもらって、どうやって今の彼女に至ったのかを可能な限り聞いたの。彼女から、実際の経験談を聞けたことで、私のキャラクターに関するディテールをどんどん得られ、観客が映画で私のキャラクターと出会うまでに、どんな経験をしてきたのかを理解できて本当によかったわ」と振り返っている。
主なキャスト
ミラ・ジョヴォヴィッチ:アルテミス役
異世界へと迷い混んでしまう女性レンジャー。腕にはゲームに登場する武器「スリンガー」を、背中には双剣を装備している。ちなみに、アルテミスが双剣を使う理由について、アンダーソン監督は「ミラが実際にゲーム内で使っている武器だから」と英Empire誌で明かしている。
トニー・ジャー:ハンター役
アルテミスが異世界で出会うハンター。米ソニー・ピクチャーズが公開したビジュアルでは、片手に大剣、腰に弓矢を装備している。
山崎紘菜:ハンドラー(受付嬢)役
モンスターの解説や膨大な調査内容をまとめる、情報統括のエキスパート。山崎は、本作でハリウッドデビューを果たす。
ロン・パールマン
/Filmによると、ロンが演じるのは「モンスターハンター:ワールド」に登場した大団長。調査団を引っ張るリーダー的存在で、見た目の通り豪快さが特徴。
ディアブロス亜種のビジュアル初公開!
本作のティザー映像で、原作ゲームで人気のモンスター・ディアブロス亜種のビジュアルが初公開された。“死神”とも称されるディアブロス亜種は、漆黒の外殻が特徴で、二本の角を活かした突進を繰り出す。
アルテミスVS.リオレウス!海外版予告編が公開
現地時間10月14日、本作の海外版予告編が、米ソニー・ピクチャーズ公式YouTubeチャンネルで公開された。映像には、砂漠に君臨するディアブロスの姿、主人公アルテミスとリオレウスがにらみ合うシーンのほか、「モンスターハンター4」で初登場したゴア・マガラらしきモンスターの頭部が映っている。
名曲「英雄の証」が流れる!日本版予告編にはゲームの要素てんこ盛り
日本版予告編には、原作ゲームのテーマ曲「英雄の証」がBGMとして使用されているほか、ディアブロス亜種、リオレウス、影蜘蛛・ネルスキュラ、草食竜・アプケロスといったお馴染みのモンスターたちの姿が収められている。また、ゲームの人気要素である“肉焼き”も実写で再現されており、ゲームのBGMに乗せて、ハンターが生肉を調理。こんがり肉が出来上がった時の「上手に焼けました」というフレーズもそのままだ。
劇中シーンが人種差別的だと批判殺到…中国で公開中止
本作は12月4日より中国で一足早く公開されたが、劇中のあるシーンが人種差別的だとSNSで物議を醸し、すぐさま公開中止に。Deadlineなどによると、問題となったのは、アジア系アメリカ人のキャストが「俺の膝を見て。どんな種類の膝(ニーズ)だ? 中国人の(チャイニーズ)だ。(Look at my knees. What kind of knees are these? Chinese.)」とジョークを放つシーン。これがアメリカの学校などで使われた、アジア系の子供たちを侮辱するあそび歌「Chinese, Japanese, dirty knees, Look at these(中国人、日本人、汚い膝、これを見て)」を想起させるものとして炎上してしまった。制作会社のコンスタンティン・フィルムは、「中国の人々を差別したり、侮辱したり、気分を害させたりするつもりは一切ありませんでした」とすぐさま謝罪し、該当のシーンを削除する対応を取っている。
中国で批判殺到したセリフ、全世界でカット 監督&キャスト謝罪
中国で人種差別的だと批判が殺到したセリフについて、ポール・W・S・アンダーソン監督は以下のように謝罪し、問題となったセリフは全世界でカットすると明かした。
「わたしたちの映画『モンスターハンター』のセリフが中国の観客の皆さんの気分を害してしまったことに、わたしは完全に打ちひしがれています。このセリフとその解釈が懸念と怒りを引き起こしてしまったことを、お詫びします。『モンスターハンター』は楽しいエンターテインメントとして作られており、その中の何かが意図しない攻撃となってしまったことを悔しく思っています。わたしたちは敬意を持って、映画からそのセリフをカットしました。誰かに対して差別や軽蔑のメッセージを送ることは、決してわたしたちの意図ではありませんでした。それとは反対に、わたしたちの映画の軸になっているのは、団結というメッセージです」
また、問題のセリフのあるキャラクターを演じたオウヤン・ジンもInstagramで声明を発表。「このセリフは彼が中国人の兵士であることを誇りを持って宣言するシーンで、ばかげた『Chinese, Japanese, dirty knees』とは全く関係ありません。正反対の捉え方をされてしまったことに悲痛な思いをしています」と心境を吐露すると共に、「わたしはこの状況に対処する必要があると感じました。今、危機に瀕しているのはわたしのキャリアではなく、わたしにとってずっと大切な何か──わたしのルーツなのです」とつづった。
主演のミラ・ジョヴォヴィッチは、ジンの投稿に「あなたが謝罪する必要があると感じたことをとても悲しく思います」と反応。「あなたは素晴らしい人で、中国にルーツがあることを誇りに思い、そのことをいつも表明していました。あなたのアドリブのあのセリフは、人々にその誇りを思い出させるためのもので、侮辱するためのものではありませんでした。わたしたちは歴史的起源についてリサーチをするべきでした。それは100%わたしたちの責任です。しかし、あなたは何も間違ったことはしていません。あなたを含め、わたしたちの誰も『dirty knees』のことを聞いたことがありませんでした。それは不幸な間違いであり、中国語の字幕も助けにはなりませんでした。ジン、わたしたちはあなたのことが大好きで、この楽しくエキサイティングなプロジェクトで共に働けたことをとても誇りに思います。このことが、あなたを落ち込ませないといいのだけど。適切な注意を行わず、この騒動を引き起こした第2次世界大戦時の韻を見つけられなかったのはわたしたちの責任です」とコメントしている。
松坂桃李がモンハン語に挑戦!日本語吹き替え声優発表
本作の日本語吹き替え声優も発表に。松坂桃李(ハンター役)、本田貴子(アルテミス役)、大塚明夫(大団長役)、杉田智和(リンク役)、宮野真守(マーシャル役)、井上麻里奈(ダッシュ役)、中村悠一(スティーラー役)、花江夏樹(アックス役)といった、モンハン好きのキャストが勢揃いした。松坂が声を当てるハンターは、現実世界に存在しないオリジナル言語(通称:モンハン語)を話す設定のため、吹き替えも日本語ではなくモンハン語。松坂は「なんと表現したらよいかわからない不思議な言語のセリフで(笑)、どういうアプローチで、どういう引き出しを開ければ良いのか……。台本読ませていただいたら、一体これは何語を喋っとるんじゃ? トニー・ジャーは何て言っとるんじゃ?(笑)」とコメントしている。
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