まだまだ終わらない!拡大する『キングスマン』ユニバースまとめ
今週のクローズアップ
労働者階級の不良少年エグジー(タロン・エジャトン)がイギリスにあるスパイ組織「キングスマン」の一員であるハリー(コリン・ファース)に見いだされ、一流のスパイ/紳士になっていくさまを描いたアクション映画『キングスマン』シリーズ(2014~)。シリーズを手掛けてきたマシュー・ヴォーン監督は『キングスマン』のユニバース化も視野に入れているようです。ヴォーン監督の壮大な計画とはどういうものなのか、まとめてみました。(編集部・市川遥)
そもそも「キングスマン」って何?
キングスマンは、名門テーラーが軒を連ねるロンドンのサヴィル・ロウに位置し、1849年の設立以来、強大な権力者たちを顧客としてきた高級紳士服店。権力者たちの跡継ぎの多くが第1次世界大戦で死に、1919年までに多額の遺産が宙に浮いたため、彼らはその資産を世界平和のために役立てることに。そうして、政府の諜報機関のように政策やしがらみに影響されない、国際的な独立諜報機関というキングスマンのもう一つの顔が生まれました。コリン・ファース演じるハリーいわく、「スーツは現代の紳士にとっての鎧であり、キングスマンのエージェントは新時代の騎士」なのです。
コードネームは「アーサー王伝説」から取られており、キングスマンのリーダーにはアーサー、技術担当者にはアーサー王を導いた魔術師であるマーリン、エージェントにはガラハッド、ランスロット、パーシヴァルなど円卓の騎士たちの名前が付けられています。サヴィル・ロウにあるキングスマンは歴史を感じさせる高級紳士服店ですが、内部は超ハイテクで、試着室から高速のチューブ型交通システムで郊外にある大邸宅の本部へと行けたり、記憶消去針が飛び出す腕時計や、戦闘力が高い万能の傘、相手を感電させる指輪、つま先から猛毒の刃が出てくる革靴など、スパイガジェットもそろっていたり! キングスマンがまとう高級感漂うスーツはもちろんオーダーメイド&防弾です。
シリーズ第2弾『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)では、キングスマンの“アメリカのいとこ”というべきスパイ組織「ステイツマン」も登場。表向きは酒造業を営むステイツマンでは、リーダーはシャンパン、エージェントはウイスキー、テキーラなどお酒の名前をコードネームにしています。
ユニバースの幕開け!前日譚『キングスマン:ファースト・エージェント』
2021年12月24日に日本公開を控える『キングスマン:ファースト・エージェント』はシリーズの前日譚として、スパイ組織キングスマンの誕生秘話を描きます。第1次世界大戦前夜の1914年、世界を意のままに操ろうと目論む「闇の狂団」に、キングスマンの礎を築くオックスフォード公(レイフ・ファインズ)と息子コンラッド(ハリス・ディキンソン)が立ち向かうことに。ロシアの怪僧ラスプーチンや、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世、ロシア皇帝ニコライ2世、イングランド王ジョージ5世など歴史上の人物も登場することになっており、キングスマンがいかに歴史を動かしてきたのか気になるところです。
ヴォーン監督は同作の劇場公開版では多くのシーンをカットせざるを得なかったようで、「40分長いバージョンが作れるだろうよ」と早くもディレクターズカット版の展望についてEmpire誌にコメント。「“ヴォーン・カット”にはいくつかのめちゃくちゃ汚いジョークが含まれることになる」と明かしていました。
『キングスマン:ファースト・エージェント』キャラクター紹介【まとめ】
エグジー&ハリーの物語の完結編!『キングスマン』シリーズ第3弾
ヴォーン監督は、『キングスマン:ファースト・エージェント』の編集作業と時を同じくして、エグジー&ハリーの物語の完結編にあたるシリーズ第3弾(『キングスマン:ゴールデン・サークル』の続編)の脚本執筆も進めてきました。『キングスマン:ファースト・エージェント』は前日譚でありながら第3弾へとつながっているそうで、「時間をずっとさかのぼって、この映画には『キングスマン3』で起きることの種を植えた」とEmpire誌に語っています。
「ステイツマン」スピンオフ映画に『キングスマン』テレビシリーズ構想も
シリーズ第2弾『キングスマン:ゴールデン・サークル』の日本公開前にヴォーン監督は「僕たちはユニバース全体を創造しようとしているんだ」とシネマトゥデイの電話インタビューで意気込みを語っていました。「ステイツマン」のスピンオフ映画に、8話の『キングスマン』テレビシリーズ化の構想も伝えられており、拡大する『キングスマン』ユニバースから目が離せません。