期待!ハリウッド大作で活躍する日本人俳優
今週のクローズアップ
9月11日から公開されるハリウッド大作『ミッドウェイ』では、山本五十六役の豊川悦司や名優・國村隼など、国際的に活躍する日本人俳優が実在の人物を熱演。本作の公開に合わせて、現在ハリウッド大作等で活躍する日本の俳優を振り返ります。
渡辺謙
ケン・ワタナベこと渡辺謙の名を世界に広めたのが、トム・クルーズ主演の『ラスト サムライ』(2003)です。時代に取り残された侍の生き様を見事に体現した渡辺は、この演技でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。日本でも活躍するかたわら、二宮和也らも出演したクリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』(2006)、『SAYURI』(2005)、『トランスフォーマー』シリーズ(声の出演)などに参加しました。『バットマン ビギンズ』(2005)で組んだクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』(2010)でも重要な役どころを務め、『GODZILLA ゴジラ』(2014)、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)、『名探偵ピカチュウ』(2019)など、日本と関係の深い作品にも出演。ブロードウェイミュージカル「王様と私」でトニー賞にノミネートされるなど、幅広く活躍しています。
真田広之
現在、ロサンゼルスに拠点を移している真田広之は、『サンシャイン 2057』(2007)、『ラッシュアワー3』(2007)、『スピード・レーサー』(2008)、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)、『ライフ』(2017)など数多くの大作に参加。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)にもヤクザのアキヒコ役で出演しました。文芸ドラマ『最終目的地』(2009)でアンソニー・ホプキンス、『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』(2015)でイアン・マッケランなど、世界的な名優たちとも共演。「LOST」「ウエストワールド」など、テレビシリーズでも活躍されています。ジャパンアクションクラブ(JAC)出身で、蜷川幸雄演出のロイヤル・シェークスピア・カンパニー公演「リア王」に出演したことなどから、名誉大英帝国勲章第5位を受けるなど、その実力をフルに発揮し、アクションから文芸作品まで幅広く活躍。『Mr.ホームズ』のインタビューでは、ハリウッドが押し付ける日本人像をできるだけ避けてきたと証言していて「古い日本人のイメージを払拭していきたいし、それに見合う役や作品を選んでいきたい」と力強く語っています。新作はザック・スナイダー監督のNetflix映画『アーミー・オブ・ザ・デッド(原題)』。
浅野忠信
『ミッドウェイ』にも山口多聞役で出演する浅野忠信。もともと、ウォン・カーウァイ監督とのコラボや、チンギス・ハーン役に挑んだ『モンゴル』(2007)など、日本の枠に収まらない活躍をしていましたが、2011年にマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初期の映画『マイティ・ソー』にて、“ウォリアー・スリー”の一人、ホーガン役でハリウッドデビュー。同シリーズには、3作目の『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)まで出演し、キアヌ・リーヴス主演の『47RONIN』(2013)、『沈黙 -サイレンス-』(2017)、Netflix映画『アウトサイダー』(2018)などに参加。数々の名セリフと超展開でテレビ放映のたびにSNSをさわがせる『バトルシップ』(2012)では、テイラー・キッチュ演じる主人公ホッパーとタッグを組んでエイリアンに立ち向かう自衛艦艦長を熱演。今後は、大ヒットゲームを再映画化する『モータルコンバット(原題) / Mortal Kombat』でライデンを演じます。
菊地凛子
後にオスカー監督となるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バベル』(2006)でろうあの女子高生を演じ、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊地凛子。後に『スター・ウォーズ』を撮るライアン・ジョンソン監督の『ブラザーズ・ブルーム』(2008)、『シャンハイ』(2010)などに出演します。ギレルモ・デル・トロ監督の『パシフィック・リム』(2013)では、人型巨大兵器イェーガーのパイロット・森マコ役を熱演。日本でも数多くの作品に参加するかたわら、続編の『パシフィック・リム: アップライジング』(2018)にも登場しています。
忽那汐里
オーストラリア生まれでバイリンガルの忽那汐里は、全日本国民的美少女コンテスト出場をきっかけに「3年B組金八先生」で女優デビュー。ポッキーのCMやドラマ・映画など日本でも幅広く活躍し、台湾の名匠ホウ・シャオシェン監督の『黒衣の刺客』(2015)、『スモーク』などのウェイン・ワン監督作『女が眠る時』(2016)に参加。ジャレッド・レトー主演のNetflix映画『アウトサイダー』(2018)でハリウッドデビューを飾りました。マーベル屈指の破天荒ヒーローを描く『デッドプール2』(2018)では、X-MENのメンバーでもあるユキオを好演。デッドプールことウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)との「ハイ、ウェイド~」「ハイ、ユキオ~」のやりとりで場面をさらいました。Netflix映画『マーダー・ミステリー』では、 ジェニファー・アニストン、アダム・サンドラー、ルーク・エヴァンスらと共演。Apple TV+で配信されるドラマシリーズ「インベイジョン(原題) / Invasion」への出演も決定していて、ますます活躍の場を広げることになりそうです。
MIYAVI
ギタリストとして国際的に活躍するMIYAVIは、アンジェリーナ・ジョリー監督の『不屈の男 アンブロークン』(2014)でハリウッドデビュー。日本軍の捕虜となったオリンピックアスリートを執拗に追い込む、収容所の伍長を熱演しました。『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)の冒頭に登場する、髑髏島に不時着する日本軍人グンペイ・イカリ役も印象的。『ミュータンツ 光と闇の能力者』(2019)では、『スーサイド・スクワッド』(2016)、「ザ・ボーイズ」の福原かれんと共演しています。アンジェリーナとは家族ぐるみの交流があるそうで、『マレフィセント2』(2019)にも出演。今後は日本から浅野忠信、國村隼も出演する、メアリー・エリザベス・ウィンステッド主演のNetflix映画『Kate』の配信が控えています。
TAO
14歳でモデルデビューし、名だたるブランドのランウェイを歩いてきたTAOは、ヒュー・ジャックマン主演の『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)で、同じくモデル出身の福島リラと共にハリウッドデビュー。マッツ・ミケルセン主演の「ハンニバル3」(2015)、Amazonドラマ「高い城の男」(2015)などに参加し、ザック・スナイダー監督の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)に出演。真田広之らと共に大ヒットドラマ「ウエストワールド」にも出演しています。
尾崎英二郎
『硫黄島からの手紙』(2006)などに出演した尾崎英二郎は、2007年から米ロサンゼルスを拠点に活躍。人気海外ドラマ「HEROES/ヒーローズ」や「エージェント・オブ・シールド」、「高い城の男」などに出演。「レジェンド・オブ・トゥモロー」では、映画『ゴジラ』を生んだ名匠・本多猪四郎を演じました。英語に堪能で武術にも長けており、SFミステリー「The OA」では、ネイティブスピーカーではないのにもかかわらず、劇中における謎のクリーチャーの声に抜擢されました。
平岳大
俳優の平幹二朗、女優の佐久間良子を両親に持つ平岳大は、NHK大河ドラマ「篤姫」や「真田丸」「下町ロケット」、映画『SP』シリーズ、『検察側の罪人』(2018)など、数々の舞台、ドラマ、映画で活躍し、昨年、窪塚洋介に本木雅弘も出演するNetflixの英国ドラマ「Giri / Haji」で主演に抜擢。英国アカデミー賞テレビ部門で主演男優賞にノミネートされました。アメリカで名門ブラウン大学を卒業し、コロンビア大学にも通った秀才。その英語力も生かした活躍が期待されます。今後は『G.I.ジョー』シリーズ最新作『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』でハリウッドの本格アクション映画に挑戦!
期待のハリウッドデビュー
これから国際的な活躍が期待されるのが、『GODZILLA ゴジラ』と『キングコング:髑髏島の巨神』のクロスオーバーを描く“モンスター・ヴァース”シリーズの最新作『ゴジラVSコング(原題) / GODZILLA VS. KONG』(邦題未定)でハリウッド進出する小栗旬。伊藤英明も、ルビー・ローズとジャン・レノが出演する、『VERSUS ヴァーサス』の北村龍平監督作『ザ・ドアマン(原題) / The Doorman』でハリウッドデビュー。女優の秋元才加も『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』(2020)に出演。日本ではもちろん、国際的な活躍に期待です。