『X-MEN』日本公開から20年!初期キャストの現在
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サム・ライミ版『スパイダーマン』と共に、アメコミブームの火付け役となったマーベル映画『X-メン』(2000)が、10月7日で日本公開から20年を迎えました。現在も新作やスピンオフの企画・製作が絶えない『X-MEN』シリーズですが、1作目に出演したキャストは今どうしているのか……? シリーズ初期キャストたちの現在をご紹介します。(編集部・倉本拓弥)
ローガン(ウルヴァリン)役/ヒュー・ジャックマン
超金属アダマンチウムの爪と驚異的な治癒能力が武器のウルヴァリン/ローガンを演じたヒュー・ジャックマンは、現在51歳。シリーズには1作目から6作目『X-MEN:アポカリプス』(2016)まで出演(ノンクレジットのカメオ出演含む)したほか、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)、『LOGAN/ローガン』(2017)といったスピンオフでも主演を務めました。昨年2月には、マーベルの実写映画のヒーローを16年と228日演じたとしてギネス世界記録にも認定されたヒューですが、同役は『LOGAN/ローガン』をもって卒業。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)で誕生するであろう『X-MEN』新シリーズについては、「ウルヴァリンなら帰ってくるさ。僕じゃない他の誰かが演じると思うよ」とPEOPLE.comのインタビューで世代交代を示唆しています。
ウルヴァリンだけでなく、歌って踊れるミュージカル俳優としても知られるヒューは、日本でも大ヒットした『レ・ミゼラブル』(2012)、『グレイテスト・ショーマン』(2017)でその実力を発揮。2019年には自身初となるワールドツアーを開催するなど、現在もマルチな活躍を続けています。日本では、声優を務めたアニメーション映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』(11月13日公開)が待機中。
プロフェッサーX(チャールズ・エグゼビア)役/パトリック・スチュワート
X-MENの創設者プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアを演じていたのは、御年80歳の名優パトリック・スチュワート。劇中の車イス姿が今でも印象的なパトリックは、シリーズ3作目まで出演した後、新旧キャストが集結した『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)で、若かりし頃のチャールズ・エグゼビアを演じるジェームズ・マカヴォイと夢の共演を果たし、話題となりました。
2017年の『LOGAN/ローガン』にも出演したパトリックは、チャールズ役を16年228日務めたとしてギネスに認定されましたが、同役はすでに卒業しており、MCUでの再演も否定。現在は、もう一つ代表作「新スター・トレック」のスピンオフドラマ「スター・トレック:ピカード」(2020)で、ジャン=リュック・ピカード艦長を再演しています。
マグニートー役/イアン・マッケラン
ナイトの称号を持つイギリスの名優イアン・マッケランは、X-MENの宿敵にして、磁力を支配する最強のミュータント・マグニートーを熱演。悪役として屈指の存在感を発揮し、第3弾『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006)でゴールデンゲート・ブリッジを橋ごと移動させてしまうなど、印象的なシーンを数多く残しました。また、『X-MEN』と同時期に製作された『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでは、魔法使いガンダルフを熱演。マグニートーに続く当たり役となり、前日譚を描く『ホビット』三部作にも出演しています。
『X-MEN:フューチャー&パスト』でマグニートー再演後も、精力的に俳優活動を続けるイアン。今年は、ミュージカルの金字塔を映画化した『キャッツ』(2019)、女優ヘレン・ミレンと大人の騙し合いを繰り広げたミステリー『グッドライアー 偽りのゲーム』(2019)などが日本公開されました。
ストーム役/ハル・ベリー
X-MENの一員で、天候を操るミュータント・ストームを演じたのは、『チョコレート』(2001)でアカデミー賞主演女優賞を獲得したハル・ベリー。第3弾『X-MEN:ファイナル ディシジョン』まで主要キャストとして名を連ねた後、第5弾『X-MEN:フューチャー&パスト』でヒュー、パトリックら旧キャストと一緒にシリーズに戻ってきました。
1作目公開後には、『007/ダイ・アナザー・デイ』(2002)のボンドガールに抜てきされたほか、『キャットウーマン』(2004)でDCコミックスの人気キャラクター・キャットウーマンを演じるなど大躍進。現在54歳のハルは、キアヌ・リーヴス主演の人気アクションシリーズ第3弾『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)でド派手なアクションを披露するなど、まだまだ現役! 女優だけでなく、女性格闘家を描く新作『ブルーズド(原題) / Bruised』で監督デビューも果たす予定で、今後は制作側でも活躍が期待されます。
スコット(サイクロップス)役/ジェームズ・マースデン
目から強力なレーザー光線を放つサイクロップスことスコットを演じていたのは、『ソニック・ザ・ムービー』(2020)の保安官役も記憶に新しいジェームズ・マースデン。『X-MEN』シリーズで一気にスターダムに駆け上がったジェームズは、ディズニー映画『魔法にかけられて』(2007)を筆頭に、『ヘアスプレー』(2007)、『2ガンズ』(2013)、『大統領の執事の涙』(2013)といった話題作に立て続けに出演。さらに、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のJ・J・エイブラムスが製作総指揮を務めるドラマ「ウエストワールド」(2016~)でガンマンのテディを演じるなど、実力派俳優として現在も活躍しています。最新作『ソニック・ザ・ムービー』はすでに続編が決定しており、彼の新たな代表作になりそうな予感。
ジーン・グレイ役/ファムケ・ヤンセン
X-MENの主要メンバーでテレパシー使いのミュータント、ジーン・グレイを演じたのは、『007/ゴールデンアイ』(1995)の殺し屋役で知られるファムケ・ヤンセン。“ダーク・フェニックス”の異名を持つ強力なミュータント役のファムケは、続編2作のほか、『ウルヴァリン:SAMURAI』『X-MEN:フューチャー&パスト』でもジーンを熱演。その後は『96時間』シリーズやドラマ「ブラックリスト」といった話題作への出演が続きました。初期キャストの多くがシリーズ卒業を宣言している中、彼女はジーン再演について「話がくれば大歓迎」と前向きな姿勢を見せています。
ミスティーク役/レベッカ・ローミン
青いうろこのような肌で、どんな人物にも変身できる魔性の女性ミュータント・ミスティークを演じたレベッカ・ローミンは現在47歳。体に特殊メイクを施し、華麗なアクションにも挑戦したレベッカは、シリーズ第3弾『X-MEN:ファイナル ディシジョン』までメインキャストとして参加し、その後前日譚シリーズ第1弾『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』にノンクレジットでカメオ出演。ジェニファー・ローレンス演じる若きミスティークが、エリック/マグニートーをベッドに誘うシーンで一瞬だけレベッカの姿に変身していました。
シリーズ出演後はテレビドラマでの活躍が主で、「アグリー・ベティ」「ライブラリアンズ」シリーズといった人気作品に出演。また、DCコミックスのヒーロー・スーパーマンを題材としたアニメ「デス・オブ・スーパーマン」(2018)、「レイン・オブ・ザ・スーパーメン」(2019)などでロイス・レインの声優を務めています。