一世を風靡した人気子役&美少女~女の子編~
あの人は今
早くから大人たちの世界で大人と一緒に働いてきた子役スターたち。その後の人生は山あり谷あり。波乱万丈の人生経験を経た彼女たちのキャリアと今をチェック!(文・岩永めぐみ)
アンナ・クラムスキー
『マイ・ガール』(1991)で、多感な主人公ベーダを演じたアンナ・クラムスキー。人気子役マコーレー・カルキン演じる幼なじみとの初々しいキスシーンに、多くの人が胸キュンさせられました。続編『マイ・ガール2』(1994)にも出演しましたが、1999年に学業に専念するため引退。大学卒業後は出版社でレストランガイド誌「ザガット」のファクトチェックを担当し、いったんはエンターテイメント業界と距離をおきましたが、2005年に女優業を再開。エミー賞でコメディー部門助演女優賞にノミネートされたドラマ「Veep/ヴィープ」を始め、39歳の今はテレビドラマを中心に活躍する2児の母。
アビゲイル・ブレスリン
『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)で美少女コンテストに出場する女の子オリーヴを演じ、10歳にしてアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたアビゲイル・ブレスリン。『私の中のあなた』(2009)や『8月の家族たち』(2013)など話題作に次々と出演、2010年にはブロードウェイの舞台に立ちました。ところが、2014年に出したデビュー曲の歌詞で元カレを辛らつに批判し、これにはファンも混乱。2017年、過去に交際相手にレイプされ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)で苦しんでいたことを告白しました。そんな壮絶な過去がありながらも、24歳の現在も『ゾンビランド:ダブルタップ』(2019)やマット・デイモンと共演する『スティルウォーター(原題) / Stillwater』など出演作が途切れないのは、女優として地に足のついた活動を続けてきたからこそといえるでしょう。
アンナ・パキン
『ピアノ・レッスン』(1993)では声の出ない母親を支えるいじらしい娘を抜群の演技力で演じ、11歳でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアンナ・パキンも38歳。ローグ役を演じた『X-MEN』シリーズ(2000~2014)や、主演を務めたドラマシリーズ「トゥルーブラッド」(2008~2014)などに出演。この数年は目立つ活躍はありませんでしたが、2020年の賞レースを賑わせた『アイリッシュマン』(2019)で主人公の娘にふんしていました。プライベートでは2009年に「トゥルーブラッド」で共演したスティーヴン・モイヤーと結婚、2010年にはバイセクシャルであることを告白し、LGBTのための人権擁護活動にも取り組んでいます。
オルセン姉妹
ドラマシリーズ「フルハウス」(1987~1994)に、生後8か月のときからミシェル役として出演していたアシュレイ・オルセンとメアリー=ケイト・オルセンの双子姉妹。その後もドラマ「ふたりはふたご」(1998~1999)などに出演、2006年に二人で立ち上げたファッションブランドが成功しました。その関係は「夫婦のようなもの」と表現するほどで、34歳の現在も2人のきずなは強いようです。一方で恋多き女としても有名な二人。アシュレーは俳優のジャレッド・レト、メアリー=ケイトはギリシャ富豪の御曹司などとの交際が噂されました。ちなみにメアリー=ケイトは現在、17歳年上のフランス人銀行家のオリヴィエ・サルコジとの離婚を申請中です。
クリスティナ・リッチ
『アダムス・ファミリー』(1991)での無表情なウェンズデー役で人気を博したクリスティナ・リッチも40歳。『キャスパー』(1995)『アイス・ストーム』(1997)などティーンの頃から順調なキャリアを重ね、クリスティナ自身も「働くことも、才能ある子どもだということも好きだった」と語っています。大人の女性に成長してからは、『スリーピー・ホロウ』(1999)や『モンスター』(2003)など、大作からインディーズ作品までさまざまなジャンルの作品に出演しました。最近は日本での公開作は少ないものの、相変わらず多くの映画やテレビドラマに出演しています。プライベートでは2013年に撮影現場で出会ったスタッフと結婚し、1児をもうけますが、2020年7月に夫のDVを理由に離婚を申請しました。
ジョディ・フォスター
幼いころからテレビやCMで活躍し、12歳の娼婦を演じた『タクシードライバー』(1976)で、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたジョディ・フォスター。『ダウンタウン物語』(1976)などに出演する一方で、名門イェール大学に進学し、天才子役にして才女というイメージが定着しました。その後、『告発の行方』(1988)と『羊たちの沈黙』(1991)でアカデミー賞主演女優賞を獲得し、名実ともにハリウッドを代表する女優となったジョディ。57歳の現在は、出演よりも監督としての活動に力を入れ、『マネーモンスター』(2016)やドラマ「ザ・ループ TALES FROM THE LOOP」(2020)の1エピソードなどを手掛けています。またプライベートでは2児の母であり、2013年にゴールデン・グローブ賞授賞式で同性愛者であることをカミングアウトし、その勇気とユーモアあふれるスピーチが世界中の感動を呼んだことも。その翌年には晴れて同性のパートナーと結婚しています。
タミー・ストロナッハ
『ネバーエンディング・ストーリー』(1984)でファンタジアの女王である幼ごころの君にふんしたのがタミー・ストロナッハ。世界観にぴったりの神秘的な美少女でしたが、両親が芸能活動に反対し、1作でハリウッドを去ってしまいました。その後、子どものころから演劇とダンスに夢中だったタミーは、コンテンポラリーダンスのダンサーや振付師として活躍。2010年に結婚後に1児の母となり、現在は家族向けのエンターテインメント作品を制作するペーパー・カノア・カンパニーを夫とともに運営しています。48歳になったタミーは、2020年に子ども向けのファンタジー映画『マン&ウィッチ(原題) / Man & Witch』の製作総指揮を務めることを発表。同作に魔女役で出演することも明かしており、女優としての本格復帰に期待したい。
ドリュー・バリモア
名優ライオネル・バリモアを大叔父にもつなど、俳優一家に生まれたドリュー・バリモアは、幼いころからCMや映画に出演していました。7歳のとき、世界的大ヒット作『E.T.』(1982)でE.T.と友情を結ぶ主人公兄妹の末っ子ガーティ役でブレイク。しかし、9歳から酒やたばこに、10歳からドラッグにはまり、14歳のときには自殺未遂をはかるなど、現在のキュートな笑顔からは想像もつかないような壮絶な子ども時代を送っています。20歳前後から再び活躍を始め、『チャーリーズ・エンジェル』(2000、2003)シリーズや『50回目のファースト・キス』(2004)などがヒットし、『ローラーガールズ・ダイアリー』(2009)では監督に挑戦。一方、プライベートでは恋愛を謳歌し、3度の結婚と離婚を経験した2児の母。45歳になった現在は、2020年9月からトーク番組「ドリュー・バリモア・ショー」をスタートさせるなど、新たな活動に注目が集まっています。
ミーガン・フォローズ
根強い人気をもつ元祖『赤毛のアン』(1986、1988、2000)シリーズで主演を務めたミーガン・フォローズは、3,000人を超えるオーディションを勝ち抜き、16歳のときにアンの役を射止めました。その後、ミーガンは出身地のカナダのみならずアメリカにも活動の場を広げ、テレビドラマを中心に出演。しかし、残念ながらゲスト出演や端役がほとんどでした。しかし、スコットランド女王メアリー・スチュアートを主人公にしたドラマシリーズ「REIGN/クイーン・メアリー」(2013~2017)で、悪役のフランス王妃カトリーヌ・ド・メディシス役を怪演するとともに、3エピソードで監督を担当。さらに、52歳にしてスリラー映画『マターナル(原題) / Maternal』で長編監督デビューすることに。この映画にはドラマシリーズ「アンという名の少女」(2017 ~2019)のエイミーベス・マクナルティが出演しており、新旧アンの共演が実現する、『赤毛のアン』ファンにはたまらない作品となりそうです。
メリッサ・ギルバート
日本でも世代を問わず愛されているドラマシリーズ「大草原の小さな家」(1974~1983)で、9歳のときから10年に渡って主演を務めたメリッサ・ギルバート。理想的な家族インガルス一家の、おてんばな次女ローラを演じました。放送終了後は、主にテレビドラマで活躍。また、2001年から2005年まで、ハリウッドの映画俳優組合代表を務めました。プライベートではロブ・ロウとの交際やトム・クルーズとのデートなど華やかな恋愛遍歴を誇り、自伝ではドラッグやアルコールに溺れていた過去を綴っています。56歳の現在は、ニューヨーク州のキャッツキル山地近くにある小屋で、3人目の夫である監督・俳優のティモシー・バスフィールドとともに大草原の小さな家のように(?)暮らしているようです。