世界的監督が認めた正統派
この美少女に注目
蒔田彩珠『朝が来る』(10月23日公開)
今後ますますの活躍が期待される若手女優の素顔に迫る本企画。今回は映画『朝が来る』で、14歳で出産した息子を特別養子縁組で手放す、片倉ひかりを演じた蒔田彩珠さんを徹底解剖! 事前に募集したファンからの質問にもお答えいただきました。
PROFILE プロフィール
生年月日:2002年8月7日
出身地:神奈川県
身長:156cm
血液型:O型
趣味・特技:ギター
芸歴:2012年に是枝裕和監督のドラマ「ゴーイング マイ ホーム」で注目され、同監督の『海よりもまだ深く』『三度目の殺人』『万引き家族』に出演。その後『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で映画初主演を果たす。そのほか「みをつくし料理帖」「anone」『友罪』『#ハンド全力』など、テレビや映画に出演。現在、『星の子』が公開中。
PRIVATE 素顔に迫る一問一答
Q:兄弟はいますか?
兄が二人います。私が末っ子で、めちゃめちゃかわいがられています。
Q:自分の長所は?
明るいところ。今まで演じた役のイメージで暗い印象を持たれることが多いですが、実際に会うと「よく笑うね!」と言われます。
Q:短所は?
自分の短所を見つけられないところです。人に言われないとわからないので、そこが短所だと感じています。
Q:短所がないというのは、ポジティブということ?
落ち込むことがあっても30分で立ち直ります。一通り考えたら、まいっか! と開き直って引きずらないことが多いです。
Q:役柄も引きずらないタイプですか?
少し反抗的な役だと家でもそれが出てしまう事があるので、母から「あのときは酷かったよ……」って言われることがあります(笑)。
Q:好きな男の子のタイプは?
自分に自信がある人。オレが一番! という意味ではなく、ちゃんと自分を持っていて、流されない人が好きです。
Q:理想のデートは?
プランなく、思いつきでここに行きたい! というのがいいです。犬の散歩とか一緒に行くのもいいですね。
Q:【読者質問】朝起きて一番に何をしますか?
犬と遊びます。おはよう~(ほほでスリスリする仕草)ってやります。
Q:いまハマっていることは?
ギターです。『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で始めました。楽譜があればだいたいは弾けるようになってきましたが、独学なので……全然たいしたことはありません。
Q:『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』ではギターを弾いて曲は作るけど、音痴という役でした。ご自身は歌うことは好きですか?
好きです。カラオケも行きます。邦楽洋楽、なんでも聴きますね。十八番は家入レオさんの「君がくれた夏」です。
Q:芸能界に入るきっかけは?
年が1つ上の兄がCMに出ているのを見て、私もやりたいと思ったことです。
Q:最初にお芝居を楽しいと思ったのは?
是枝監督と最初にご一緒した「ゴーイング マイ ホーム」の時です。それ以前からお仕事をさせていただいていましたが、俳優さんとちゃんとご一緒したのが初めてでした。みなさんすごく優しいのに、お芝居になると真剣に自分の役と向き合っている姿を半年ほど目の当たりにして、こんな大人になれたら格好いいなと。8年前、10歳のときです。
Q:以来、女優を続けるのが揺らいだことは?
ありません。お芝居しかしてこなかったので、役者以外の仕事をしたいと考えたことは一度もないです。
Q:是枝監督から学んだことは?
それ以前は、セリフを覚えて言うだけでした。でも是枝監督の撮影現場では台本を渡されないので、相手の言葉を聞き、何か感じてから言う。自分の気持ちがちゃんと動いてからセリフを言うということを学びました。
Q:好きな映画を1本挙げるなら?
『いまを生きる』です。知り合いの方が、「十代のうちに観てほしい」と教えてくださって。未来のことしか考えてないから上手くいかないことが多い……というお話で、それを観て、私も将来のことを考えなきゃいけないけれど、一番大切なのは今なんだなと思いました。
Q:憧れの俳優は?
満島ひかりさん。作品や演じる役によってまったく雰囲気が違い、見る度に毎回同じ人なの? と思います。
Q:女優としての野望は?
是枝監督や河瀬監督から教えてもらった、役の過去をちゃんと考えることを忘れちゃいけないと思います。また、お仕事として演じることをこなすのではなく、一つひとつの役を大切にしていきたいです。
INTERVIEW インタビュー
Q:『朝が来る』のオーディションでは緊張しましたか? 手応えはありましたか?
オーディションの前に原作を読み、この役は絶対にやりたいと思っていたので、あまり緊張しなかったです。私が演じたひかりという役について、河瀬直美監督と意見が一致することが多く、これは受かるかもしれない! と思いました(笑)。
Q:なぜそれほどひかり役に惹かれたのでしょう?
彼女の根本は、優しくて自分をしっかりと持つ強い女の子なので、そこは自分に似ていると思い、ぜひやりたいと思いました。
Q:河瀬組ならではの“役を積む”ため、ひかりとして中学に通い、卓球部で活動したとか?
なかなか経験できない時間を過ごしました。片倉ひかりという名前で教室に入り、みんなにも、「ひかり!」と呼んでもらって。ひかりの家族ともずっと一緒に住んでいました。最初はそうしたことが、大変だろうと思っていましたが、いざ撮影が始まっていくと、あの期間が本当に大切だったと感じました。
Q:ひかりが恋をする田中偉登さん演じる巧との関係は、どんな感じだったのですか?
巧役のオーディションで一度お会いしてから、告白のシーンまで、一切話しませんでした。彼も私と同じ期間、同じ学校に通っていたので、いるというのはお互いに認識していたと思います。自然とひかりと巧としての関係性になれた感じです。
Q:妊娠、出産、産んだ子を養子に出す、経験にないことをひかりとして経験したわけですよね?
“役積み”の期間があったので、すべて自分の身に起こったことのように感じていました。妊娠したことも、育てられないことも。赤ちゃんが産まれて、自分の子を特別養子縁組を取り持つNPO法人の方に渡すことも全部やったので、ひかりのつらい経験がすべて自分のことのようで、つらく感じることもありました。
Q:【読者質問】特別養子縁組で、ひかりが産んだ子と親子になる夫婦を演じられた永作博美さんと井浦新さんの第一印象は?
ひかりが夫妻に初めて会うシーンで初めて実際にお二人とお会いしました。顔合わせもリハーサルもなかったので、本番のカメラが回っている状態が「初めまして」でした。この二人が私の子どもの親なんだ……という感じで、本当にショックを受けたことを覚えています。私に出来ないことをこの二人はしているという、ひかりの気持ちがリアルに自分と重なっていました。
Q:【読者質問】役を通して、家族というものに対する思いに変化はありましたか?
養子縁組のことや、産んでも育てることが出来ない人がいるということを、今まではどこか他人事のように感じてしまっていましたが、全然そんなことはない。自分がそうなる可能性もあるんだってことを強く実感しました。
Q:作品を通じて成長できたことは?
人としては、養子縁組のことを考え向き合う機会が持てたこと。役者としては、河瀬監督の演出を受けたことで、役に対しての思いが変わりました。役に成り切るのがどれだけ大事か、また、演じる楽しさをより知りました。役の掘りさげ方も、とても勉強になりました。
(取材・文:浅見祥子 写真:杉映貴子)
MOVIE INFO インフォメーション
『朝が来る』
ドラマ化もされた直木賞作家・辻村深月の小説を映画化。特別養子縁組で男児を迎えた夫婦と、子供を手放す幼い母親の葛藤と人生を描く。キャストは『八日目の蝉』などの永作博美をはじめ、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子ら。『殯(もがり)の森』などの河瀬直美監督がメガホンを取り、『凶悪』などの高橋泉が河瀬監督と共同で脚本を手掛けた。
(C) 2020「朝が来る」Film Partners
映画『朝が来る』は10月23日(金)より全国公開
Twitter:@asagakuru_movie