子どもの悪意ない正直な一言ってキツイ!
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は、バラバラになった家族の絆を手作り料理でつなげようと奮闘する少年の姿を描いた映画『エイブのキッチンストーリー』について語ります! 実はコロナ禍のステイホーム期間中にすっかり料理男子となったパラ兄こと中川パラダイスが料理の魅力を語ります。(取材・文:森田真帆)
今回の映画は、11月20日公開の『エイブのキッチンストーリー』です。
世界各地の味を融合させたフュージョン料理を題材にしたドラマ。フュージョン料理に出合った少年が、すれ違いを繰り返す家族の絆をさまざまな料理でつなぎ直していく。監督はフェルナンド・グロスタイン・アンドラーヂ。ドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」などのノア・シュナップ、『シティ・オブ・ゴッド』などのセウ・ジョルジらが出演する。
開始5分で絶対オモロイと確信!
中川パラダイス(以下、中川):この映画、開始5分で絶対オモロイやつやん! やっとオモロイ映画きた~! と思ったわ。ニューヨークの雨ずっと降っているやつとか、わかりにくかったやん!
村本大輔(以下、村本):ウディ・アレンの映画な! ていうか、どんだけ今までの映画がしんどかってん!
中川:これまで白黒のやつとか、重いやつとかばっかりやったやんか~。この映画は、めっちゃかわいらしい男の子がでてきたし、ポップでカラフルやったし。SNS駆使した感じとか、ようやく入口から楽しい気持ちになれたわ。タイトルもわかりやすいしな! 主人公が料理すんのかなぁっていうのも、なんとなくわかるやん。
村本:90分っていうのも良かったよな! 今回の映画はタイトル見て、どういう内容か調べてワクワクする感じがしたから映画の中身もその通りやった。オレは『レミーの美味しいレストラン』が好きやから、この映画も面白そうやなって。料理を研究するっていうのが面白いよな。
中川:僕としては、余計な悲しい話はいいから、料理だけにしといてほしかった。家族の話はしんどかったけど、料理の部分は楽しく観られたわ。
村本:いや、家族の部分を取っ払っちゃったら一番あかんやろ! オレはええバランスやったと思うけどな。だってあそこで家族の話を入れすぎるとバランスがおかしくなって、パラダイスみたいに料理を満喫している客は減るし。かわいい子ども、音楽、ニューヨークのグルメと景色がすごくワクワクした。
中川:バランスな。でも、この家族ってめっちゃ嫌やなって思った分、心を動かされたわ。主人公と同じ分だけ、嫌な気分になれたのはよかったわ。
エイブと村本は共通点が多い!?
中川:エイブは家族のルールに従わず、ちゃんと疑問を持ったことが偉いよね。この宗教はこれ食べていいとか、食べちゃいけないっていう当たり前のことを当たり前として捉えなかったことが素晴らしい。
村本:パラダイスの場合はルール通りに動くからな!
中川:そやで。僕は言われた通りにしかやらんし、疑問に持つことがない。疑問を持てる人のこと、すごいなって思うわ。まぁ、しんどいやろけどな。村本は疑問を持つ人間なんちゃう?
村本:オレは子どもの頃からよく疑問を思ってた。長男やからって、なんで家継がなあかんねんみたいな。お盆になったら先祖が虫になって帰ってくるっておばあちゃんに言われてたのに、おばあちゃん蚊殺しまくっててな。そういうのがいつも子ども心に引っかかっていたのは覚えてる。エイブもさ、家族みんなの意見を聞いて、子どもの時からバランサーになって気を使うじゃない? それはオレも似てるところがある。家族がもめてピリピリしていた時、和ませようと笑わせていたわけよ。
中川:子どもってなんの罪もなく、余計なことを言っちゃうよな。「おじいちゃんところでワインを飲んだよ!」とかさ。
村本:オレも、オカンがおばあちゃんのことをババアって呼んでたのを言ってしまってさ。そしたらおばあちゃんが1人で部屋にこもってしまって、その後お母さんに大阪と東京の新幹線の往復よりも多い回数の往復ビンタくらったわ!
中川:あの家族に村本いなくてよかったわ。家族クラッシャーやし。お父さんとおじいちゃんが殺し合いのケンカになりそうやわ。僕もこの映画観て子どもの前でケンカしたらダメだなって思った。
村本:おまえ、子どもの前でケンカしてるやん! 奥さんが包丁持ってきたって話しあったやん。
パラ兄:いや、ケンカじゃなくて本気で殺そうとしてただけやから。こないだも、おっぱい触ろうと思ったら携帯でガンって叩かれた。包丁事件はな、ベッドに子どもを投げて遊んでいたら、ベッドじゃないところに落ちて、子どもは笑ってたんやけど、ギャルネイルの爪にめっちゃつねられてん。痛かったから頭にゲンコツ入れたら、思っきり腹蹴られた上に包丁持ってきて、本気で殺すって言われたわ(笑)。
料理はパラ兄家族の絆も深める?
村本:最近、中川は息子と料理のグルメYouTubeやってるやん。
中川:やってるやってる。うちの子、料理好きやもん。おれ自粛中から料理始めてさ。家族の料理を作ってたん。いろんなもんクックパッドまで調べて和洋中なんでも作ってた。煮魚の煮付けとか。嫁側の実家が福岡とかからお魚送ってくれるから調理してたわ。
村本:器用やからなパラは!
中川:ケーキ作りとかもしてますわ。ガトーショコラとか!
村本:女の子がオレの部屋来て「村本さんの作る料理ってこの部屋みたいな感じだよね」って言ったんよ、部屋見てやで? シンプルでいいやんな!
中川:村本の料理ってミスター味っ子みたいな料理やもんな。もともとあるやつをこう変えるみたいな。「うまかっちゃんを焼きそば風にしたら、明太子パスタになるねん」って言われて食わされたの覚えているわ。
村本: オーマイコンブみたいなやつやろ(笑)。懐かしいな。
中川:あと「キムチ鍋にはバター入れろ」みたいなことを言っとったわ。
村本:やめて~、公共では言わないで~(笑)! でも美味しかったでしょ? 健康面はほっといて、ジャンクでうまいんや。パチンコと風俗が好きなやつが好きそうな飯な。
中川:僕のフュージョン料理vs村本のやよい軒の料理対決やな! みんなどっちが食べたいー?
※記事内容には個人の意見が含まれています。
『エイブのキッチンストーリー』11月20日公開
映画『エイブのキッチンストーリー』公式サイト
(C) 2019 Spray Filmes S.A.
ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔 1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
中川パラダイス 1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。