ゾンビ撃退法～最新作を観る前に…

　“第三次韓流ブーム”と呼ばれるほど韓国エンタメが盛り上がった2020年。映画『パラサイト　半地下の家族』は非英語作品として初の米アカデミー賞作品賞を受賞する快挙を成し遂げ、Netflixで配信されたドラマ「愛の不時着」が爆発的な人気を得たのはご存知のとおり。このブームは、2021年も続く！　というわけで、真っ先に注目したいのが2021年1月1日より日本で劇場公開される『新感染半島　ファイナル・ステージ』。感情を揺さぶるドラマで、日本でも熱狂とともに迎えられたゾンビ・パニック映画『新感染　ファイナル・エクスプレス』の続編だ。これにあわせて、洋画専門チャンネルザ・シネマでは『新感染』と、その前日譚となるアニメーション『ソウル・ステーション／パンデミック』を放映。噛まれた人間をゾンビにしてしまう恐ろしいパンデミックを、どう生き延びるか？　この2作から学ぶべし！

ゾンビ撃退法その1～常に武器を携帯せよ！

　ゾンビウイルスに感染した者は思考や感情を喪失し、本能の赴くまま体力を出し惜しみせずに他者に襲いかかる。これを倒すには、武器となるものが欠かせない。とはいえ銃刀が簡単に手に入るわけではないので、とりあえず棒状のものは見つけておきたい。

　ソウルで起こった最初のパンデミックを描く『ソウル・ステーション』では鉄筋や竿、点滴用のポールが役に立った。『新感染』では野球用バットが武器と化す。振り回して距離を取るもよし、叩きつけてダメージをあたえるもよし。不意の襲撃による窮地は、つねにそこにある危機。手近にある棒状のモノはとにかく利用したい。

ゾンビ撃退法その2～ゾンビの習性を知れ！

　ウイルス感染者は、目にした者を襲う。また、音にも敏感だ。裏を返せば、彼らは暗闇では物が見えにくいので、こちらがそっと動く分には襲撃される確率は格段に下がる。『新感染』はソウルからプサンへと向かう高速鉄道内を舞台にしたサバイバル・アクションだが、列車内の生存者たちはトンネルに入って車内が暗くなった際に、敵の目を逃れて移動を図る。置きっぱなしにしたスマホをわざと鳴らして、そちらにゾンビ群を誘導して、そのすきに逃げるのも技アリだ。安全な車両に逃げ込んだら、ゾンビ車両から見えないようにするため、ドアの窓を紙類で塞ぐことを忘れずに！

ゾンビ撃退法その3～愛する者でモチベーションを高めよ！

　極限下では人間の本性が明らかになるもので、自分だけが生き延びればいいと思う者も当然、出てくる。しかし、利己主義者は生きるも勝手なら、死ぬも勝手。逆に愛する者を助けたいと思う者は気持ちが強く、簡単に心が折れることはない。『ソウル・ステーション』のヒモ青年は軟弱者なりに奮闘。『新感染』では、それぞれ愛娘のため、妻のため、女友達のために戦う男たちが結束する。とりわけ、マ・ドンソクふんする愛妻家のタフガイは素手でガンガン、ゾンビをぶっ飛ばす豪快な活躍ぶり。火事場の馬鹿力は愛に裏打ちされるものなのかもしれない。

　アクションやサスペンスはもちろん、エモーショナルな人間ドラマも魅力的な『新感染』シリーズ。今や韓国のヒットメーカーとなったヨン・サンホ監督が描き続ける、このシリーズは各登場人物に関連性がなく、いずれも独立した作品として楽しめるが、それでも通して観る、シリーズ作品ならではのアツさが十分に伝わってくる。本放送をチェックして、来るべき新作に備えよう！（相馬学）

『ソウル・ステーション』（字幕）は12月6日（日）14時15分～16時にザ・シネマで無料放送
公式サイト>>

【ザ・シネマ放送スケジュール】
『新感染　ファイナル・エクスプレス』
1月1日（金）23時～25時15分（字幕/予定）
1月16日（土）21時～23時15分（字幕/予定）
1月22日（金）12時30分～14時45分（吹替/予定）
1月22日（金）21時～23時15分（字幕/予定）

『ソウル・ステーション／パンデミック』
12月6日（日）14時15分～16時（字幕/予定）無料放送
1月1日（金）25時15分～27時（字幕/予定）
1月16日（土）19時15分～21時（字幕/予定）
1月22日（金）19時15分～21時（字幕/予定）

『新感染半島　ファイナル・ステージ』
2021年1月1日（金）TOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショー
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配給：ギャガ