94歳のおばあちゃんの学びたい欲求に感動!
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は、94歳にして孫たちと一緒に生まれて初めて小学校に通うこととなったおばあちゃん・ゴゴを追ったドキュメンタリー映画『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』について語ります! 村本もパラ兄も、アラフォーにして改めて学びの楽しさを教えてもらったみたいです!(取材・文:森田真帆)
今回の映画は、12月25日公開の『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』です。
ケニアで94歳にして初めて小学校に通うことになった女性を追ったドキュメンタリー。6人のひ孫たちと共に小学校に入学した「ゴゴ(おばあちゃん)」が勉強に励む。『世界の果ての通学路』などのパスカル・プリッソン監督が、助産師として長年暮らしてきたプリシラ・ステナイさんを説得して出演が決定。
遠く離れたケニアってこんなところやったんや!
![GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生](https://img.cinematoday.jp/a/agLymCPP9Dbi/_size_640x/_v_1607578996/1.jpg)
村本大輔(以下、村本):最高の映画でした!
中川パラダイス(以下、中川):村本から「パラダイス、これ絶対つまらんって言いそうやな」って言われたけど、面白かったで。そもそもケニアなんて行ったこともないし、僕らはなんの不自由もなく普通に学校行けるし娯楽もある。でも、この人たち小学校通うってだけでも大変なんやなとか、おばあちゃんは小学校行かれへんかったんやなとか、すごいなって思ったわ。
村本:オレは毎回候補になった3~4本の映画の中から、二人で観る映画を選ぶんやけどさ、実はここんとこパラダイスが苦手そうなやつをわざと選んでいたんですよ。野菜嫌いの子どもに野菜を与えるみたいなね。でもそんな彼が今回の映画を面白いって言い始めたってことは、このおばあちゃんと同じく成長がみれるなと。映画から学んだんやな……って思って感動しましたね。
![GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生](https://img.cinematoday.jp/a/agLymCPP9Dbi/_size_640x/_v_1607578996/2.jpg)
中川:めっちゃびっくりしたんがさ、僕らがライオンを見ようと思ったら、サファリパーク行けば動物見れるでしょ。それなのに、動物王国のケニアに生きてる人間が動物にめちゃくちゃ感動してた。え! そんなに感動するんやって、こっちの普通とはまたちょっと違う普通もあちらにあって面白かった。
村本:しかし感想を聞かせてもらったら、やっぱりずれてるよね。そもそもパラダイスがずれてんねんな。昔さ、オレが広島の尾道の海が好きやって言ったのよ。初恋の人と一緒に行った思い出とかもあってさ。そしたらパラダイスがオレに「海なんか、村本の実家の福井にもあるし、どこでも一緒やん」って言ったのよ。でもオレからしたら、全部違うわけ! ケニアの自然の中で生きているライオンと動物園のライオンとは全く違う。これがさっき言ってた、海がどこでも一緒っていうのと同じ。動物園のライオンとアフリカのライオンは違うねんて! ていうか、なんやねんこの話!
ゴゴの勇気に村本が大感動!
![GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生](https://img.cinematoday.jp/a/agLymCPP9Dbi/_size_640x/_v_1607578996/3.jpg)
村本:さっきからパラダイスは、アフリカでライオン見たら泣くんやな! って話を長々と話しているけど、一個も本質的なところを話していない! やっぱり、なんもわかってなかったということでしょう、これは。
中川:だって、映画の本質の94歳の人が勉強するってところは僕あんまり響いてないねん。なぜかというと、日本でも94歳のおばあちゃんが勉強しようと思ったら勉強できちゃうから。けど、僕がびっくりしたのはアフリカでみんな小学校行けるわけじゃないとか、ライオンに感動するんやっていうリアルを知ることができたのが良かった。そこ知らんかったとこだしな。えーやんかそれで!
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村本:あの村の女子は勉強なんてしないのが当たり前だったわけやん。でもさ、時代は変わって女子だって学べるチャンスがあるんだから学ぼう! とゴゴがあの年齢でそこに飛び込むわけやん。その後、ほかの女の子達がその背中をみて、だったら私たちもやろうと奮い立つ。まずその勇気がほんまにすごいって思うし、途中で目が白内障か緑内障になって、それでゴゴは心折れるけど、周りの人が「私がいい医者捕まえるからやろう!」みたいな感じでみんなが協力してさ。やっぱり勇敢な人には仲間がついてくるし、いろんな人が励まされるんだなって。40歳でアメリカに行くオレとしては、だいぶ励まされましたね。ゴゴの背中を見て、オレも頑張ろうと思ったわ。ただ一個だけ言わせてもらうなら、ゴゴ、制服めちゃくちゃ似合ってへんなとは思った(笑)。かわいかったけど!
中川:あとさ、みんな歌ってたんもすごかったよな。何もないなりに、歌っているだけで楽しそうで、歌は世界を平和に導くなと思いましたわ。うちの息子、ゲームばっかりやっているけど……。
ゴゴが教えてくれた学ぶことの面白さ
![GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生](https://img.cinematoday.jp/a/agLymCPP9Dbi/_size_640x/_v_1607578996/4.jpg)
村本:最近の日本って、勉強するっていうのはいい企業に勤めるとか、いい大学出るためとか、誰かを安心させるための勉強が多いじゃない。でもゴゴに関しては、この後どっか就職するとかじゃないわけじゃない。そこには大学行くとか就職とかそういうのは一切なくて、知らないことが多いからただ知りたいということ。純粋な学びっていうのはこういうことなのかなって思ったね。知的欲求と勇気とね……オレは日本のゴゴになりたいと思った。
中川:村本も原発のこととか、いろいろ勉強してるもんな。
村本:そうそう。こないだね、ある評論家がジャーナリストの堀潤とご飯行った時に「村本くんはひどい。不勉強にも程がある」って言ってたらしい。その時に堀潤が「そう言わず、もう少し長い目で見てほしい。彼の学びたい姿勢は凄いし、彼の視点はすごく鋭い」って言ったらしいの。それで数年経って評論家にあった時に「政治的漫才といえば村本だと。堀潤が言っていたことは正しい」って言われたわけよ。オレはそれを聞いてね、学ぶということを恥ずかしがらせる大人が多い中でね、学ぶということを素晴らしいもんだと、幾つになってもと学ぶということはすべての人間に与えられた権利なんだって教えてくれたわ。オレは常に学びたいと思ってる。パラダイスはなんか学びたいことあるんか?
![GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生](https://img.cinematoday.jp/a/agLymCPP9Dbi/_size_640x/_v_1607578996/7.jpg)
中川:村本が3月から海外行くから、お金の稼ぎ方とか学びたい。あ、でもずっと声優の学校行っててさ。2~3年前からやってて、今レギュラーもあるし。声優の人と知り合って、その人たちと仕事もしてる。石川五右衛門の声を担当してる浪川大輔さんっていう人の学校行ってんねん。学び舎な。
村本:僕はコミュニケーションを学びたいわ。切実に。例え英語を覚えても、それを使ってコミュニケーションしないとダメでしょ? オレはコミュニケーション能力さえあれば英語も伸びていくと思う。もう自信なくなるわ。嫌いな芸人ランキングとか毎回選ばれる。結構ガチで嫌われてる。オレは人が怒り出す地雷がわからんから、そういうの学びたい。
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中川:そういえばゴゴ、小学生たちともめっちゃ仲良しやったな。
村本:せやねん。オレからしたら子ども達はカメラ回ってる時だけゴゴと話してるんじゃないとか思うよね。写ってないところでは、子ども達にライオンの前に蹴り出されたり、杖隠されたりしてるんじゃない?
中川:だから、そういうこと言うから……。
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『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』12月25日公開
映画『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』公式サイト
(C) Ladybirds Cinema
ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔 1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
中川パラダイス 1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。