MCUで唯一無二の存在!バッキー役セバスチャン・スタンってどんな人?
ディズニープラスで配信中のマーベルドラマ「ワンダヴィジョン」が盛り上がっている中、3月19日より配信されるのが「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」だ。これまでのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でキャプテン・アメリカと深い関係性にあった、大空を縦横無尽に駆けるファルコンと驚異の身体能力を誇るウィンター・ソルジャーがタッグを組み、激しい戦いに巻き込まれていく。今回は、そんな同作でバッキー・バーンズ=ウィンター・ソルジャーを演じる俳優セバスチャン・スタンの輝かしい俳優人生を振り返る。(文・構成:zash)
ダウニーJr.ら輩出の俳優養成キャンプで演技を学ぶ
セバスチャン・スタンは、1982年8月13日ルーマニア・コンスタンツァに生まれた。幼少期はピアニストだった母親の仕事の関係でオーストリアのウィーンで過ごし、その後、母親の再婚に伴いアメリカ・ニューヨークへ移住。その頃から演技に興味を抱き始め、数々の戯曲やミュージカルに出演し、俳優としての力を養った。
同時にセバスチャンは、俳優養成キャンプにも積極的に参加するようになる。40年以上の歴史を誇り、ロバート・ダウニーJr.やナタリー・ポートマンといった実力派俳優を多数輩出してきたステージドア・マナー・サマーキャンプへの参加は、彼の人生を大きく変えることになる。キャンプに参加中、本格的な俳優訓練を受けたセバスチャンは、ますます演技に対して強い関心を寄せるようになり、ラトガーズ大学に進学後も舞台芸術を学ぶことになるのだった。
ドラマ「ゴシップガール」で注目の的に
その後、イギリス・ロンドンでも演技を学んだセバスチャンは、プロの俳優としてキャリアを模索する中で、『レニー・ハーリン コベナント 幻魔降臨』(2006)に出演したことが大きな転機となる。同作は『ダイ・ハード2』『クリフハンガー』などで知られるレニー・ハーリン監督がメガホンをとったホラーファンタジーで、特別な力を授かった若者たちを主人公にしている。セバスチャンは主要キャラクターの一人であるチェイス役に起用され、粗削りながらも安定した存在感を示した。
2007年には、米CW局の大ヒットドラマ「ゴシップガール」にカーター・ベイゼン役で出演。自身がリッチであることを鼻にかけて何かと主人公たちの障害になる、いわば悪役的存在だったのだが、その魅力を遺憾なく発揮し一躍注目の的に。以降は『レイチェルの結婚』(2008)、『ブラック・スワン』(2010)、『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』(2010)などの映画に出演し、引く手あまたの存在となった。
MCUで大躍進!バッキー役で唯一無二の存在に
そして2011年、セバスチャンに飛躍の時が訪れる。マーベル映画『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』で主人公スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)の親友バッキー・バーンズを演じることになったのだ。バッキーはスティーブがキャプテン・アメリカになった後も支え続けた唯一無二の存在で、第二次世界大戦の英雄となった人物である。観る者の感情移入を大いに誘うその好演は、映画ファンだけではなく、古参のマーベルファンをも納得させる演技だった。
それから3年の時を経て、MCUに戻ってきたセバスチャンは、印象をガラリと変える存在感を放つ。彼が演じるバッキーは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)で悪の秘密結社ヒドラの暗殺者ウィンター・ソルジャーと化していたのだ。過去の記憶を一切失っており、幾度となくキャプテン・アメリカの前に立ちはだかり牙をむく。しかし、心の奥底には親友だったバッキーの心が残っており、それを取り戻すためにスティーブ・ロジャースの長き戦いが始まったのだ。その後、徐々に正義の心を取り戻していくバッキーは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)と立て続けに登場。キャップや後にタッグを組むファルコン/サム・ウィルソンらアベンジャーズのメンバーと共に、最凶の敵・サノスへと立ち向かった。
MCU作品で活躍する傍ら、セバスチャンは『オデッセイ』(2015)、『ローガン・ラッキー』(2017)、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)といった話題作にも出演し、精力的に俳優活動を行っている。
マーベルドラマに待望の主演映画!2021年は“セバスタ”イヤー
3月19日よりディズニープラスで日米同時配信となる「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の世界が舞台となるドラマシリーズ。キャプテン・アメリカから自身のシンボルだった盾を受け継いだバッキーとサムが、新たなヴィランに立ち向かっていく。二人の息の合った絶妙な掛け合いも楽しめる一方で、これまでのMCU作品をも凌駕する壮絶なアクションシーンを観ることができそうだ。サノスとの戦いを終え、バッキーがどんな人生を歩んでいるのかにも注目である。
2021年に公開されるセバスチャン出演作品は、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」だけではない。3月5日には待望の主演映画『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』が劇場公開される。同作は、ベトナム戦争の英雄であるウィリアム・H・ピッツェンバーガーの実話を映像化し、戦友たちがなぜ30年以上もの間、彼に対して名誉勲章授与を求め続けたのか、その真実がつづられる。セバスチャンは、ペンタゴンのエリート職員スコット・ハフマンを演じており、実に感情表現豊かな演技を披露している。
日本ではセバスタの愛称で知られ、根強いファンが大勢いるセバスチャン・スタン。2021年は彼のファンにとって、まさに最高の一年となりそう。2018年、2019年とスケジュールの都合で叶わなかった東京コミコンへの来日も、パンデミックが収束した暁には、ぜひとも実現してくれることを切に願うばかりだ。