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『ゴジラvsコング』大胆予想!二大怪獣、激闘の行方は?

 ワールドワイドな人気を誇る映画界最大級の怪獣、ゴジラとコングが激突するゴジラvsコングの日本公開が5月14日に決定! 2月に公開された予告編で激しく戦う両者の姿が、早くも注目を浴びている。映画の内容はいまだベールに包まれたままだが、現時点で明かされている情報からその展開を予想したい。(文:神武団四郎)

人類VS怪獣を描くモンスター・ヴァース最新作

『ゴジラvsコング』
怪獣王ゴジラ- 画像は『GODZILLA ゴジラ』より - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 『ゴジラvsコング』は、『GODZILLA ゴジラ』 (2014)から始まった「モンスター・ヴァース」の最新作。人類と怪獣のバトルを描く本シリーズ、いよいよ怪獣王ゴジラと守護神コングの頂上決戦に突入する。作品やシリーズごとに、設定や世界観を変えながら受け継がれてきたゴジラとコング。まずはモンスター・ヴァースにおける両者の立ち位置を振り返ってみよう。

 本シリーズのゴジラは、放射能による突然変異ではなく太古に棲息していた生物という設定だ。地表が濃い放射能に覆われていたペルム紀(約2億7000万年前)の大型種で、身長は119.8メートル。放射線をエネルギーにしていたが、放射能レベルの低下と共に海中深くに移動した。しかし人類が核を利用しはじめたことで、再び地上近くで活動を開始。シリーズ第1弾『GODZILLA ゴジラ』では、やはりペルム紀に棲息していた怪獣ムートー(MUTO)を追うように出現した。

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『ゴジラvsコング』
怪獣たちが地球で激突!『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』より - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 これまでゴジラは核のメタファーとして、人類に警告を発してきた。しかし本作でゴジラは、人類の存在には目もくれずムートーと戦い、再び海に姿を消した。そのキャラクターについて、ギャレス・エドワーズ監督は「ゴジラは自然の象徴、ムートーは自然を冒涜する存在」と雑誌「映画秘宝」(2014年9月号)の来日時のインタビューで語っていた。核の恐怖を内包しつつ、芹沢猪四郎博士(渡辺謙)のセリフにあるように、ゴジラは「調和を取り戻すため」現れる自然界の守護神なのだ。

 コングの登場作『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)を挟んでのシリーズ第3弾『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)では、そんなゴジラのキャラクターがより明確になっている。同作では、芹沢らが所属している秘密組織モナークのエマ・ラッセル博士が、テロリストと手を組み怪獣たちを世界に解き放そうと画策。氷壁の中で眠っていた宇宙怪獣モンスター・ゼロことキングギドラが目を覚まし大惨事を巻き起こす。見どころはゴジラとキングギドラのバトルをはじめ、モスラ、ラドンほか世界各地に怪獣たちが出現するスペクタクルだが、映画の核になっていたのは人類と怪獣の共存だった。

『ゴジラvsコング』
守護神コング - 画像は『キングコング:髑髏島の巨神』より - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 シリーズ第2弾『キングコング:髑髏島の巨神』は1970年代を舞台に、モナークの初期メンバーがコングに遭遇する物語。身長31.6メートル、体重158トンのコングは髑髏島に君臨する守護神だ。普段は静かに暮らしているが、地底に棲息する宿敵スカルクローラーはじめ島の平和を乱す敵には容赦なく立ち向かう。監督のジョーダン=ボート・ロバーツは、コングに神秘性を与えるため腕を地面につけない二足歩行と設定。モンスター・ヴァースの原点である『キングコング対ゴジラ』(1962)に近いイメージのコングが誕生した。

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新規キャストと続投組がどんなドラマを生み出すのか?

『ゴジラvsコング』
ハリウッド版『Death Note/デスノート』も手がけたアダム・ウィンガード監督 - Ben Gabbe / Getty Images

 『ゴジラvsコング』の監督は『サプライズ』『ザ・ゲスト』などエッジの効いたスリラーで評価を固め、ハリウッド版『Death Note/デスノート』でも話題を呼んだアダム・ウィンガード。気鋭の若手や中堅という人選は、これまでのモンスター・ヴァースを踏襲している。脚本は『マイティ・ソー バトルロイヤル』のエリック・ピアソンと、『GODZILLA ゴジラ』でメジャーデビューし、モンスター・ヴァース全作品を手がけている生みの親マックス・ボレンスタインが執筆した。

 ストーリーについては情報が出ていないが、予告編によると何か重大な危険を回避するため髑髏島からコングを呼び寄せるらしい。その危険がゴジラなのかは現段階では不明である。ビリング(ポスター等に載る俳優の序列)を見ると、今作の主役は地質学者ネイサン・リンド(アレクサンダー・スカルスガルド)。『キング・オブ・モンスターズ』のエンドロールで、髑髏島で起きた異変や島の地下空洞の探査について触れていたので、リンドもそのメンバーだと思われる。

『ゴジラvsコング』
マディソンも戻ってくる!- 画像は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』より - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 前作で母エマと行動を共にしていた少女、マディソン・ラッセルは今作にも登場。演じるミリー・ボビー・ブラウンがスカルスガルドに次ぐ番手なので、彼女がヒロインの位置づけになる。まだ10代のはずの彼女は、モナークとは別に仲間と怪獣を追うようだ。予告編には、彼女の父マーク・ラッセル博士も姿を見せている。動物学者で怪獣の行動を予測できる彼が、どんな活躍をするのか。ちなみにラッセル博士を演じるカイル・チャンドラーは、ピーター・ジャクソン監督の『キング・コング』(2005)でも主要キャラを演じており、コングと絡むのはこれが二度目となる。

 人間サイドでもっとも気になるのは、芹沢猪四郎の息子・芹沢蓮小栗旬)だろう。モナーク所属なのかも不明だが、登場カットを見る限り研究者を思わせる。ところで彼の父は第一作『ゴジラ』に登場した芹沢博士と、映画を監督した本多猪四郎からの命名だが、蓮には何か元ネタがあるのだろうか? できれば母親は恵美子(芹沢が恋心を抱いていた山根恵美子から)であってほしいのだが……。

 ほかにもコングと心を通わせる少女ジア(カイリー・ホットル)、モナークか政府の関係者を思わせるアイリーン・アンドリュース(レベッカ・ホール)がキーパーソンとして登場する。ジアは髑髏島の人間のはずだが『髑髏島の巨神』の原住民イーウィス族とは服装など文化が異なっているので、そのあたりも気になるところだ。

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巨大化したコングは、人類に牙をむくゴジラとどう戦うのか?

『ゴジラvsコング』
コングも巨大化?- 画像は『キングコング:髑髏島の巨神』より - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 今作の製作が決まった時点から注目されていたのが、コングの身長。32メートル足らずと、ゴジラの1/3にも満たないサイズで最強の怪獣王とどう戦うのか? しかし予告編のコングはゴジラと同程度の大きさになっていた。『髑髏島の巨神』で、コングはまだ若く成長段階にあると説明されていたので、約50年の間に成獣になったと考えてよいだろう。

 US版予告編には、地下空洞らしき場所で、血で印された手形にコングが自分の手を当てるカットがある。それは死んだ親コングの手形で、自分の手が親と同じくらい大きくなったことをかみしめているのかもしれない。ちなみにこのカットのコングの背後に、『ゴジラVSビオランテ』などに登場した兵器スーパーXによく似た飛行物体が映っている。

『ゴジラvsコング』
ド迫力バトルに期待!- 『ゴジラvsコングより - (C) 2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

 ゴジラと大型コングの重量級バトルはド迫力のひと言だ。ゴジラは放射熱線など圧倒的な破壊力、コングはパンチやジャンプなどスピード勝負と、期待どおりの展開だ。ただし日本版予告編には、ゴジラの強烈な張り手一発でコングがくずれ落ちるという、超ホットな一幕も! これだけで期待値は一気に高まった。ゴジラが海から空母の甲板によじ登る荒々しい姿が、『キングコング対ゴジラ』で自衛隊の落とし穴から這い出る姿を彷彿とさせるなど、見どころの多いバトルになりそうだ。

 問題は、なぜ自然界の調和をはかるゴジラが人類に牙をむいたのか。予告編で芹沢蓮の背後のモニターに、ゴジラを思わせるロボットらしきキャラクターがワイヤーフレームで映し出されている。そこで思い浮かぶのが、ゴジラの皮をかぶって偽装した『ゴジラ対メカゴジラ』のメカゴジラ説。そんな科学力がある時代なのかはともかく、実現してほしい可能性のひとつである。

 ゴジラと対峙するコングは、予告編で青い光を放つ斧を手にしている。こん棒にゴジラの背びれをくくりつけたお手製らしい。ということで、ゴジラが何者かに倒され、コングがその遺品である背びれを使った斧で敵討ち。しかし敵は思った以上に強力で、コングが絶体絶命になったその時ゴジラが復活! なんて妄想も浮かんでくる。

『ゴジラvsコング』
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のキングギドラ - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ひとつ気になるのはキングギドラの存在だ。前作のエピローグで、テロリストのアラン・ジョナがゴジラに食いちぎられたギドラの頭を入手していた。それを見て、ゴジラに倒されたキングギドラを回収しサイボーグ化した『ゴジラVSキングギドラ』のメカキングギドラ登場を期待している人もいるだろう。サイボーグ化はともかく、バイオテクノロジーを使って新たな怪獣を生みだすのもありだ。遺伝子操作という反自然的な行為に怒ったゴジラが、人類を敵と認識してしまうとか……。

 US版予告編には、ゴジラとコングの他にも怪獣たちが登場する。コングが尻尾をつかんでグルグル振り回しているのは翼竜タイプのWARBAT、小型のコウモリ風の怪獣も群れでコングを襲撃した。Playmatesのアクションフィギュアのラインナップにはスカルクローラーも。髑髏島で最大の捕食者でもあるコイツも、登場の可能性は高い。

 公開日も決定し、いよいよカウントダウンに突入した『ゴジラvsコング』。地球最強の怪獣バトルはどんな結末を迎えるのか? 決戦の行方は5月14日までお預けだが、スケール、迫力、興奮度ともに破格の作品になることは間違いないだろう。

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