「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」サム&バッキー戦いの歴史
今週のクローズアップ
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新ドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」が、3月19日より「Disney+(ディズニープラス)」で配信スタート! 今回は、ドラマのタイトルロールとなっているヒーロー、ファルコンとウィンター・ソルジャーのこれまでの戦いを、MCU作品の歴史と共に振り返ります。(以下、過去のMCU作品のネタバレを含みます)(編集部・倉本拓弥)
キャラクター紹介
サム・ウィルソン/ファルコン(アンソニー・マッキー)
アメリカ空軍に所属していた元兵士。人工の翼を駆使して戦うことから、ファルコンと呼ばれることも。現代に蘇ったキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)の良き理解者で、最強ヒーローチーム・アベンジャーズの一員として地球の平和を守るために戦っています。
バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン)
スティーブ・ロジャースとは幼少期からの親友。第二次大戦時の作戦で死亡したかに思われましたが、記憶を消された暗殺者ウィンター・ソルジャーとして現代で生きていたことが判明します。卓越した戦闘能力を備えており、銃の扱いは完ペキ。左腕のメタルアームから繰り出される攻撃はどれも桁違いです。
親友コンビ誕生も、まさかの悲劇が…
『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)
MCUにおけるバッキー・バーンズの初登場作品は、10年前に公開された『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』。今やアベンジャーズをまとめる存在となったキャプテン・アメリカの誕生秘話をつづった同作で、バッキーはスティーブより先に軍に入隊し、軍曹に上り詰めた状態で姿を見せます。
遅れて軍に入ったスティーブが、スーパーソルジャー計画によって強靭な肉体を手に入れた頃、バッキーは他の軍人と共にヨハン・シュミット/レッド・スカル(ヒューゴ・ウィーヴィング)率いるヒドラ党の捕虜となり、オーストリアの施設に送られてしまいます。スティーブは、囚われた軍人たちを救出すべく、たった一人で敵地に潜入。瀕死の状態だった親友バッキーも救出することに成功したのです。
その後、バッキーはキャプテン・アメリカを支える部隊の一員として第一線で活躍。スティーブと共にヒドラを叩くべく、各国を駆け回りました。スティーブ&バッキーの親友コンビが誕生したかと思いきや、任務中にまさかの悲劇が……。ヒドラの科学者アーニム・ゾラ(トビー・ジョーンズ)を乗せた列車で、バッキーはヒドラ戦闘員の攻撃で列車の外に吹き飛ばされ、危機的状況に。スティーブの救いの手も虚しく、氷の峡谷に落下してしまいます。
かつての親友が暗殺者に…予期せぬ戦い
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)
バッキーは任務中に死んだと誰もが思った『ザ・ファースト・アベンジャー』から3年後、続編『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でバッキーがまさかの復活! 現代でスティーブと奇跡の再会……と思いきや、彼は記憶を消され、幽霊と恐れられた伝説の暗殺者ウィンター・ソルジャーへと変貌していたのです。
前作で峡谷へと落下したバッキーはヒドラに回収されており、組織の秘密兵器として暗殺任務を遂行していました。失った左腕にはメタルアームが装着されており、スティーブが持つヴィブラニウム製の盾も簡単に跳ね返すほどの威力を発揮します。かつての記憶がないと言えども、スティーブにとってバッキーは暗殺者ではなく親友。彼を救うため、そしてバッキーを暗殺者へと変えた憎きヒドラを叩き潰すため、スティーブはウィンター・ソルジャーとなったバッキーと死闘を繰り広げました。
もう一つ忘れてはいけないのが、本作がファルコン/サム・ウィルソンの初登場作品であること。サムは空軍に所属していた頃、親友であり同僚のライリーを作戦中に失っており、劇中では第一線を離れ、PTSDに悩む退役軍人のためのカウンセラーとして活動する姿が描かれています。しかし、ヒドラに侵食されたシールドに狙われたスティーブを助けるべく、ファルコンとして復帰。劇中では、退役していたとは思えないほどの飛行テクニックを披露し、キャップをアシストしました。ちなみに、本作でサムは、ドラマシリーズでタッグを組むバッキーと敵同士で初対面。少しだけですが、二人のファイトシーンも見られました。
サム&バッキーが初タッグ!スパイダーマンと対峙
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)
ヒドラに暗殺者として操られていたことを知ったバッキーは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で過去の記憶を取り戻していました。ところが、アベンジャーズ分裂を目論むヘルムート・ジモ(ダニエル・ブリュール)が、バッキーをウィーンで起きた爆弾事件の犯人に仕立て上げたことで、国連から追われる身に。スティーブやサムがバッキー確保に成功するものの、ジモが洗脳術をかけてしまい、バッキーは一時的に暴走してしまいます。
一方で、国連がアベンジャーズを管理する「ソコヴィア協定」を巡り、ヒーローたちの対立は激化。ジモの狙い通り、アベンジャーズは分裂への道を辿り、スティーブは、バッキーやサム、アントマン(ポール・ラッド)、ホークアイ(ジェレミー・レナー)ら協定反対派のメンバーと一緒に、アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)率いる協定賛成派と戦うことになります。この戦いで、ファルコン&ウィンター・ソルジャーが初タッグ! 二人は、チーム・アイアンマンの隠し玉であったスパイダーマン(トム・ホランド)に立ち向かいます。クモの糸に苦戦しながらも、バッキーとサムは持ち前の戦闘能力を発揮。スパイダーマン撃退後もお互い意地を張り合うなど、コンビでの活躍を期待させる見せ場を作っています。
盾の継承、そしてドラマシリーズへ
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)
『シビル・ウォー』での戦い後、バッキーは洗脳を解く方法が見つかるまで、ブラックパンサー/ティ・チャラ王(チャドウィック・ボーズマン)の協力のもと、ワカンダ王国で眠りについていました。その後、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では新たなアームを身につけ戦線に復帰。6つのインフィニティ・ストーンを集める敵・サノス(ジョシュ・ブローリン)がワカンダに送り込んだ手下たちを迎え撃つべく、スティーブやサムらと合流します。しかし、インフィニティ・ストーンの力を操るサノスには全く歯が立たず、サノスの指パッチン(全宇宙の生命の半分を消し去ってしまうこと)によって、バッキーとサムも消滅してしまうのです。
指パッチンによって消えた仲間たちを救うべく、『アベンジャーズ/エンドゲーム』ではスティーブをはじめ残されたヒーローが過去へと遡り、6つのインフィニティ・ストーンを回収しました。再度指パッチンを実行し、バッキーやサムら消えていたアベンジャーズのヒーローは揃って復活。瀕死のスティーブのもとへ駆けつけた時に放ったサムのセリフ「左を見ろ(On Your Left)」は、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でスティーブがサムに掛けた言葉(同作の字幕では「左から失礼」)で、MCUを追ってきたファンにとっては思わずウルッときてしまう瞬間となりました。
そして、バッキーとサムの今後の物語を追うためにおさえるべきシーンが、『エンドゲーム』のエンディング直前。二人は、インフィニティ・ストーンとムジョルニアを元の場所に戻すべく再度タイムトラベルするスティーブを見送った後、ある人物と対面します。それが、タイムトラベル中に恋人ペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)との幸せな生活を送り、老人となって現代に帰還したスティーブです。キャプテン・アメリカがいない世界を寂しがるサムに、スティーブは自身のシンボルでもある盾を渡し「君のだ」と一言。親友バッキーも見守る中、キャプテン・アメリカは次の世代へと思いを託しました。
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」見どころは?
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の物語となっており、サムとバッキーが、キャプテンがいない世界で悪事を働く新たなヴィランに立ち向かいます。MCU作品ではもはやお決まりですが、過去作品から懐かしいキャラクターも再登場。『シビル・ウォー』でアベンジャーズ分裂を企てたヘルムート・ジモや、スティーブの恋人ペギー・カーターの姪であるシャロン・カーター/ エージェント13(エミリー・ヴァンキャンプ)など、サム&バッキーと面識がある人物がストーリーに絡んでいきます。
また、本作は映画に引けを取らない怒濤のアクションも見どころ。予告編にも、ファルコンが仕掛ける疾走感ある空中戦や、バッキーが敵に強烈な蹴りをお見舞いする肉弾戦など、MCUファン大興奮のファイトシーンが盛り込まれており、「ワンダヴィジョン」とはまた違う作品に仕上がっていることが予想されます。ちなみにエージェント13役のエミリーは、往年のアクション映画で見られるような、古き良きアクションに期待してほしいと、E! Online に語っています。
「ウォーキング・デッド」「ハウス・オブ・カード 野望の階段」といった名作テレビドラマに携わってきたカリ・スコグランド監督が、サムとバッキーの物語り新たな1ページを加える「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」。果たして、キャプテン・アメリカの盾は上手く次世代へと継承されるのか? 今後のMCUにも影響を与える物語の行方に注目です。
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は3月19日より「Disney+(ディズニープラス)」で日米同時配信