世界の度肝を抜いたアカデミー賞受賞作…!
提供:WOWOW
今年のアカデミー賞が、目の前に迫ってきた。伝統あるアカデミー賞は、毎年公開される数多くの映画の中で最高の作品に与えられるもの。それらは末永く愛される作品であると同時に、その時代の社会情勢を反映することもある。そして今、選ばれる作品には明らかな変化が見え始めた。2016年以来、米アカデミーは多様化の目標を掲げ、若い人や女性、海外に住む映画人を積極的に会員に招待してきたためだ。昨年、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が作品賞に選ばれたのは、まさにその反映。WOWOWでまとめて放映される昨年の受賞作品を観賞し、今年の授賞式に備えよう。(猿渡由紀)
世界が仰天!偉業を達成した『パラサイト 半地下の家族』
4/ 25(日)午後2:15 [WOWOWシネマ][WOWOWオンデマンド](※同時配信のみ)
英語以外の言語の映画がアカデミーの作品賞を獲ったのは、今作が初めて。一昨年、アルフォンソ・キュアロン監督のスペイン語映画『ROMA/ローマ』がその快挙を達成するかと思われたが、結局『グリーンブック』に破れている。さらに、韓国映画は、それまで国際長編映画部門(旧・外国語映画部門)にも一度も候補入りしたことがなかった。だから、ノミネーションが発表された段階では、国際長編映画部門は確実ながら、作品部門は候補入りしただけで御の字と思われていたのである。
なのに、こんな歴史的なことを達成できたのはなぜなのか? よく指摘されるのは、世界的に起こっている“格差の広がり”というテーマに人々が共感したのだということ。それはもちろん正しいが、本当の理由は、純粋に面白いからだ。とにかくストーリーがオリジナルで、先の展開が読めない。非常にダークな一方、ユーモアもあり、家族愛も強く感じる。思い切り楽しませてくれて、見終わった後、いろいろ深く考えさせる。これはまさにアカデミー賞にふさわしい傑作だったのだ。
ホアキンが壮絶減量で名演!『ジョーカー』
4/17(土)深夜0:45 [WOWOWシネマ][WOWOWオンデマンド](※同時配信のみ)
一応、スーパーヒーローのジャンルには入るが、製作予算はわずか5,500万ドル(約57億7,500万円、1ドル105円換算)。しかし、世界興収は、このジャンルでまるで見劣りのしない10億ドル(約1,050億円)超えだった。心の病、虐待といった重い事柄を取り上げる本作は、ラストの解釈をめぐっても、ファンの間でさまざまな論議がなされている。大幅な減量もして役に挑んだホアキン・フェニックスの名演は早くから大絶賛を浴びたが、アカデミー賞への道は、決して容易ではないと思われていた。アカデミーは実在の人物を演じた役者に賞を与える傾向が強いのがひとつ。また、同じジョーカー役で、当時亡くなったばかりだったヒース・レジャーが助演男優賞を受賞しているという事実も、障害になりかねなかったのだ。
だが、投票者はそういう概念にとらわれず、ホアキンにキャリア初のオスカーを与えた。これもまた、アカデミーがオープンになり、時代に合った団体になってきた表れだといえる。
レオ&ブラピが最高バディに!『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
4/18(日)午前11:15 [WOWOWシネマ][WOWOWオンデマンド](※同時配信のみ)
4/29(木・祝)深夜2:00 [WOWOWシネマ][WOWOWオンデマンド](※同時配信のみ)
作品、監督、脚本を含む10部門で候補入り、ブラッド・ピットが助演男優賞を受賞した今作は、独創性と映画愛に満ちた、いかにもタランティーノらしい作品だ。舞台は1969年。ロマン・ポランスキーの妻で女優のシャロン・テートがチャールズ・マンソンの一味によって無残に殺された事件をもとにしつつ、タランティーノは『イングロリアス・バスターズ』でやったように、ファンタジーの展開を与えている。
もとの事件やその前後のハリウッド情勢を知っていればいるほど、登場人物のそっくりさや関係性など反応する要素が多いが、知らなくても、レオナルド・ディカプリオ演じる中途半端な立ち位置にいるテレビスターの奮闘ぶりが笑えるし、彼とピットのバディ物としても最高だ。見事に再現された当時のハリウッドの様子を見ているだけでも心が躍る、映画ファンなら必見の一作である。
レネー・ゼルウィガーの華麗なカムバック!『ジュディ 虹の彼方に』
4/25(日)よる9:00 [WOWOWシネマ][WOWOWオンデマンド]
4/26(月)よる6:45 [WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]
レネー・ゼルウィガーが初めてアカデミー賞に候補入りしたのは、『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)。翌年は『シカゴ』でノミネートされ、その次の年、『コールド マウンテン』でついに受賞を果たした。しかし、実力でも、人気面でもトップクラスだった彼女は、『かけひきは、恋のはじまり』(2008)以後、あまり目立たなくなり、数年、演技から遠ざかるようになる。そんな彼女のカムバックとなったのが、『オズの魔法使』『スタア誕生』で知られるジュディ・ガーランドの伝記映画である本作だ。
企画を持ちかけられた2017年から、ゼルウェガーは、ほかの映画をこなす間にも歌のレッスンを着実にこなし、ガーランドの歌い方を見事にマスターした。ガーランドの声の質や歌い方は、彼女が本来持つものとかなり違い、『シカゴ』で歌うより、ずっと難しかったとゼルウィガーは語っている。彼女の主演女優賞受賞は、そんな努力に拍手を送り、彼女の復帰をウエルカムするもの。今作で再び彼女の女優魂を感じたい。
会員層の多様化がますます進む中、今年のアカデミー賞には、過去にない数の有色人種俳優や女性監督がノミネートされた。作品部門の候補も、映画のほとんどが韓国語の『ミナリ』や、#MeTooをテーマにした『プロミシング・ヤング・ウーマン』、認知症を扱う『ファーザー』や、『市民ケーン』の脚本執筆の舞台裏を語るモノクロの『Mank/マンク』など、バラエティー豊かだ。どれが有力かの説はあるが、昨年が証明したように、今やアカデミー賞の予測はとても難しくなり、どんな結果が待ち受けているか、誰にもわからない。まずはWOWOWで前年の受賞作を復習して、授賞式で歴史的瞬間を目撃しよう!
第93回アカデミー賞授賞式は、4月26日(月)午前8時30分よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて生中継(夜9時より字幕版を放送)
レッドカーペット生中継!第93回アカデミー賞授賞式直前SP 4月26日(月)午前7時30分よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて放送
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WOWOW「アカデミー賞特集2021[前回受賞作編]」の放送スケジュールはコチラ>>
WOWOW「放送と配信で観る!アカデミー賞特集2021」の放送スケジュールはコチラ>>