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ショートフィルムが教えてくれる人間関係のヒントとは?

10分の極上無料短編映画体験

ブリリア ショートショートシアター オンライン × シネマトゥデイコラボ企画

 映画は人生の教科書という人がいる。映画を観て、一歩を踏み出す勇気をもらったり、人に優しくすることを学んだり。ウィットに富んだ会話や着こなしや仕草など、映画から影響を受けている人も多いだろう。

 長編映画と比べるとショートフィルムは観る機会も少ないため、共通言語としての名言や定番の名作はなかなか生まれにくい。しかし、多くを描き切らない短編だからこそ長編にはない「余白」があり、観る人に考えるきっかけをくれる。長編映画が観る人にエネルギーを注入する存在だとしたら、ショートフィルムは観る人のうちに眠るエネルギーを引き出す存在なのではないかと思う。教科書というよりも小テストのようなものかもしれない。

 ショートフィルム専門のオンラインシアター Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE(BSSTO)6月のラインナップは、身近な人間関係を考えさせられる作品をセレクト。観終わった後に、自分にも共通するところはないか、自然と考える機会としていただきたい。

分け合うのは心の栄養『石のスープ / La Soupe au caillou』

石のスープ
『石のスープ / La Soupe au caillou』より

『石のスープ / La Soupe au caillou』
監督 クレメンタイン・ローバック
製作年 2015年
製作国 フランス
上映時間 約7分
配信期間 6月2日~9月1日

 その街の人々は夕飯時に、誰もが同じ料理番組を見ている。今日のレシピは、「石のスープ」だ。

 動物たちが暮らす住宅街で起こる出来事に、心が温まる優しいアニメーション。ストーリーの優しさと、絵の具で描いた柔らかい色彩の映像がうまく調和した1本だ。

 「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」とは、書家であり詩人の相田みつをさんの言葉だが、本作を観てこのフレーズがふと思い起こされた。物が足りない、我慢を強いられる、そんな世界では人の心も窮屈になりがちだ。そして、自分の利益を守るために他人との間の壁を厚くすることもある。だが、一つの火を囲んで、それぞれが持っているものを分け合えば、一人では得られなかった喜びを得ることができると、この作品はわたしたちに教えてくれる。

 「石のスープ」は、物質としてみてみれば価値のない物だ。しかし、人と人とをつなぎ、分け合いを生むメディアとして大きな価値を発揮する。

 他人と会えない今だから、社会的な立場や価値観で分断が広がる今だから、わたしたちが活用できる「石のスープ」がないか考えてみたい。

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父の日こそ、愛を伝えよう『父に贈る言葉 / I Love You, Dad』

父に贈る言葉
『父に贈る言葉 / I Love You, Dad』 より

『父に贈る言葉 / I Love You, Dad』
監督 エリック・ノーミントン
製作年 2014年
製作国 アメリカ
上映時間 約10分
配信期間 6月16日~7月31日

 父親から大事な電話を受けたにも関わらず、スティーブは電話を「じゃあな」という軽い一言で切ってしまう。その様子を聞いていた妻のカトリーナは、なぜ「愛してる」の一言も言えないのかと疑問を述べる。しかしそれは彼にとって、そんなに簡単に言えるセリフではなかった。

 6月20日の父の日にぴったりの作品。父親に「アイラブユー」なんて言えない、気恥ずかしい。そんな息子の葛藤を描いた、微笑ましいワンシチュエーションドラマだ。

 本作を観て、「わたしは身近な家族に対して愛情を伝えたことがあるのだろうか?」と考えさせられた。「言葉より行動で示そう」などと自分で自分に言い訳をして、結局行動でも示さず、通り過ごして日々生活をしているように思う。皆さんはいかがだろうか?

 今年の父の日には「アイラブユー」を伝えよう。……いや、やっぱりできないな。

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兄弟は時に足かせ時に励まし『年に一度の再会 / Game of Life』

年に一度の再会
『年に一度の再会 / Game of Life』より

『年に一度の再会 / Game of Life』
監督 アニエス・ヴィアルトン
製作年 2015年
製作国 フランス
上映時間 約12分
配信期間 6月30日~9月29日

 二人の男が年に一度、ある場所に集まっている。果たして彼らの目的とは?

 こちらは、性格が真反対の兄と弟を描いた人間ドラマ。なんでも話せる仲の良い兄弟もいれば、兄をプレッシャーに感じたり、弟の自由をうらやんだりと互いに複雑な感情を抱えている兄弟もいる。本作の兄と弟の関係は後者で、相手を悪く思っているわけではないけれど、互いに心の内を理解できずにいる。兄弟のいる人にとっては共感できるストーリーではないだろうか

 小さなバトルを超えた後に迎えるラストシーンが印象的。広い社会で支え合えるのは、血を分けた兄弟だからこそ。互いが互いのことを気に掛ける、活字ではうまく表現できない兄弟の温かさを、映像の持ち味を活かして描いた良作だ。特に、兄弟のいる方は相手のことを思い起こすきっかけとしていただきたい。

 梅雨は、静かに考え事をしたり、勉強をしたりするのにいい季節。ショートフィルムを観て楽しむことはもちろん、1本のショートフィルムから想像を膨らませ、学びや発見のきっかけとしてはいかがだろうか。(大竹悠介)

今回紹介した各作品は「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」で配信予定。

Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE公式サイト

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