柳楽優弥×有村架純×三浦春馬『映画 太陽の子』キャスト&あらすじ【まとめ】
柳楽優弥主演、有村架純&三浦春馬さん共演の『映画 太陽の子』(8月6日公開)。戦争で原爆を落とされた唯一の国である日本が、加害者になり得る可能性があった……。知られざる史実から着想を得て、太平洋戦争末期、原爆の開発研究に加わった若き研究者たちと彼らを取り巻く人々の青春、苦悩を描いた本作のキャスト、あらすじを紹介します。
【作品誕生のきっかけ】
本作の誕生のきっかけは10年以上にさかのぼり、連続テレビ小説「ひよっこ」、放送中の大河ドラマ「青天を衝け」の演出などで知られる黒崎博監督が、若き科学者がのこした手記の断片を目にしたことによる。そこに記されていたのは、彼らが原子の力を利用した新型爆弾を開発しようとしていた、という衝撃的な事実。その一方で、日々の食事や恋愛など等身大の学生の日常が記されていたことから、黒崎監督の「戦時下の極限の状態にあっても、ひたむきに青春の日々を生きた若者たちの姿を描きたい」という思いでプロジェクトが立ち上がった。2015年に完成したシナリオが、サンダンス・インスティテュート/NHK賞を受賞したことが映像化に動き出す一歩となった。
本作は日米の合作として制作され、東京のスタジオで撮影、京都でロケーションをした後に東京で編集。ニューヨークで音楽を作り、トロントでナレーション録音を敢行し、最後にロサンゼルスで仕上げられた。
【ストーリー】
1945年の夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・修(柳楽優弥)と研究員たちは原子核爆弾の研究開発を進めていた。そんな折、建物疎開で家を失った幼なじみの世津(有村架純)が修の家に居候することに。時を同じくして、修の弟・裕之(三浦春馬)が戦地から一時帰郷し、3人は久々の再会を喜ぶ。研究に没頭するうちに、その裏側にある恐ろしい真実に葛藤する修。戦地で追った深い心の傷を垣間見せる裕之。戦後の未来を見据える世津。やがて、日本の歴史を大きく変える8月6日が訪れる。
【ドラマ放送】
2020年、7月11日にBS8Kでダイジェスト版の80分のドラマ「太陽の子 GIFT OF FIRE」が先行放送、8月15日にNHKで放送された。映画の尺は111分で、とりわけ主人公・修がある大きな決断を下すクライマックスはドラマでは描かれていない。
【登場人物】
「実験バカ」の科学者
石村修(演:柳楽優弥)
海軍から原爆開発の密命を受けた京都帝国大学の学生で、原子物理学を志す。仲間に呆れられるほど研究にのめり込む一方で、その研究がもたらすであろう恐ろしい結末を思い、葛藤する。母親が自分よりも弟に愛情を注いでいると思い込み、寂しさを覗かせる時も。幼なじみの世津に密かに想いを寄せている。
アルベルト・アインシュタイン(声の出演:ピーター・ストーメア)
「20世紀最大の科学者」とも称される理論物理学者。相対性理論の発見で知られ、1921年ノーベル物理学賞を受賞。劇中では、物理学を志しながら自問自答を繰り返す修の心の中で対話をする。
修の家族&幼なじみ
朝倉世津(演:有村架純)
明るくしっかり者で、軍の紡績工場で働きながら戦後を現実的に見据え、教師への道を考えている。空襲被害を避けるための建物疎開で家を取り壊され、祖父と共に幼なじみである修の家に身を寄せる。修と裕之を兄のように慕っており、殺伐とした戦時下にありながら修と裕之を笑顔にする。
石村裕之(演:三浦春馬)
陸軍の下士官として出兵していたが、肺の療養のため一時帰郷する。母をはじめ周囲に歓迎され、つかの間の休息を満喫しようとするが……。裕之もまた世津を想っている。
石村フミ(演:田中裕子)
修と裕之の母。軍人の夫を失ってからは女手一つで息子たちを育て、それぞれ違う道を歩む息子たちを案じながらも見守っている。
朝倉清三(演:山本晋也)
世津の祖父。世津と二人で寄り添うように暮らしてきたが、建物疎開で家を失い、修の家の離れに移り住む。
京都帝国大物理学研究室
荒勝文策(演:國村隼)
理学部の教授で日本の原子物理学の第一人者。日本の敗色が濃くなる中、海軍の依頼で新型爆弾の開発を引き受ける。研究のかたわら学生たちの道を示す、父親のような存在でもある。アインシュタインとも交流を持ち、原子核エネルギーの秘密に迫ろうとする。
木戸貴一(演:三浦誠己)
理学部の助教授。荒勝教授の物理学研究室でF研究(原子爆弾開発)のリーダーを務める。
岡野真三(演:宇野祥平)
荒勝教授の物理学研究室に在籍する工学系の助教授。
清田薫(演:尾上寛之)
荒勝教授の物理学研究室で助手として在籍。
花岡喜一(演:渡辺大知)
修の一期上の大学院生。時に修を叱咤激励しながらも、研究がはらむ危うさにジレンマを感じている。
堀田茂太郎(演:葉山奨之)
大学院生。修と共にF研究に従事するも、戦場にいる兵士たちと思うと研究に意義を見いだせず、戦地へ向かうが……。
村井正史(演:奥野瑛太)
大学院生。修と共にF研究に従事するが、堀田と同様、見通しが立たない研究に苛立つようになる。
陶器屋
澤村(演:イッセー尾形)
京都五条坂にある陶器屋「釜いそ」の主人。焼き物の釉薬(ゆうやく)として使用している「硝酸ウラン」を修に提供。修ら研究員たちにとって硝酸ウランは入手困難で、主人が唯一のつてとなっている。
澤村はな(演:土居志央梨)
澤村の娘。修が「釜いそ」を訪ねると、お茶でもてなしてくれる。
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