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【ネタバレ解説】『ブラック・ウィドウ』ここが『アベンジャーズ』とリンク!

 アベンジャーズの初期メンバー、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフを描くマーベル映画ブラック・ウィドウが映画館上映&Disney+ (ディズニープラス)で配信中。全編にわたる壮絶なアクションと、家族のドラマに見惚れて見すごしてしまいそうになるが、本作には、『アベンジャーズ』シリーズをはじめとするMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品や、マーベルコミックとリンクする要素がたっぷり。その一部を紹介する。(文・平沢薫)

※本記事はネタバレを含みます。映画『ブラック・ウィドウ』『アベンジャーズ』シリーズ鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします。

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ブダペストの一件が判明

ブダペストで何があったのかが判明

 MCUにおいて、ナターシャとホークアイにとって重要な出来事が起きた場所として言及されてきたのがブダペストだ。『アベンジャーズ』(2012)でニューヨークに侵攻してきたチタウリ軍団との戦闘中、ナターシャが「ブダペストを思い出す」と言うとホークアイが「お前とは思い出が違う」と返答。さらに『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)では、2人がソウル・ストーンを手に入れるために宇宙船で飛び立った時、ホークアイが彼女に「はるかブダペストから(直訳:俺たちはブダペストから遠くまできた」)」と言い、ほほ笑み合うシーンがあった。

 そして『ブラック・ウィドウ』では、ブダペストでナターシャが何を体験したのかが判明する。彼女はある任務のためにホークアイとこの地を訪れており、潜伏していた場所の壁には、2人で時間をつぶしたゲームの落書きも残っている。さらに、ナターシャが幼い少女を犠牲にして任務を遂行し、心に深い傷を負っていたことも明らかに。この任務を描く回想シーンでは、ホークアイが声でカメオ出演しているのも聞き逃せない。

 また、この事件は『アベンジャーズ』におけるロキのセリフにもリンクしている。それは、ナターシャが捕らえたロキと対話する場面。「自分の過去の帳簿から赤字をきれいに消したいだけ」と言う彼女に、ロキは「消すには赤字が大きすぎないか。ドレイコフの娘、サンパウロ、病院の火災」と彼女の過去にまつわる言葉を挙げている。この「ドレイコフの娘」こそ、ブダペスト事件で犠牲者となった少女のことだったのだ。

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セリフ・アイテムのリンク

 ちょっとしたセリフにもMCUとのリンクがある。ナターシャが、サディアス・ロス長官からの電話に「2度目の手術をしたのね」と言うセリフは、彼が『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)の物語から5年前に心臓発作でバイパス手術をしたと語っていたことを踏まえたもの。ロスは『インクレディブル・ハルク』(2008)で将軍としてMCUに初登場、前述の『シビル・ウォー』で国務長官になり、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『エンドゲーム』にも登場している人物だ。

チート級なタスクマスターの能力

 相手の動きをコピーする能力を持つ悪役タスクマスターの動作は、アベンジャーズの面々にそっくり。ブラックパンサーの爪使い、キャプテン・アメリカのシールドを使った戦闘、ウィンター・ソルジャーのナイフ使いなどをコピーしている。そして、衣装にもリンクがあり。ナターシャが『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』で着ているポケットのたくさんついたベストが、エレーナからプレゼントされたものであることがわかる。『インフィニティ・ウォー』登場時のナターシャが髪をブロンドに染めていたのも、ブロンドのエレーナへの思いの現れなのかもしれない。

 そして、ラスト近くでナターシャのために調達屋のネイサンが用意するジェット輸送機、クインジェットはMCUおなじみの機体。『インフィニティ・ウォー』でキャプテン・アメリカ一行がスコットランドで身を隠すワンダとヴィジョンを迎えに行く時や、ワカンダに向かう時もこの輸送機に乗っていた。

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コミックとのリンク

次世代のブラック・ウィドウ? エレーナ

 本作の登場人物たちは、タスクマスターやレッド・ガーディアン(アレクセイ)だけでなく、エレーナやメリーナ、そして調達屋のメイソンもコミックに登場するキャラが下敷きになっているようだ。

 妹分のエレーナの名は、コミックで2代目ブラック・ウィドウとして活動するエレーナ・ベロワから。また、母親的存在のメリーナの名は、ロシアのヴィラン、アイアン・メイデンの本名メリーナ・ボストコフから取られたもの。メリーナが豚で実験をしている家の武器倉庫をよく見ると、コミックのアイアン・メイデンそっくりなマスクが並んでいる。

メリーナの再登場はあるのか

 そして、ナターシャの友人で便利屋のメイソンは、コミックではS.H.I.E.L.D.などで働く秘密工作員、ジ・エージェントことリック・メイソンが元ネタだろう。コミックでは、彼の父親は、天才的発明家でヴィランのティンカラーことフィニアス・メイソン。ちなみにフィニアスの名は『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)にバルチャーの部下の一員として登場していた。

 さらに、コミックキャラはこんなところにも登場。エレーナがアレクセイのヒーローネームを「クリムゾン・ダイナモだっけ?」とわざと間違えるが、この名はコミックに登場するロシアのヴィランのもの。アレクセイことレッド・ガーディアンがロシアのキャプテン・アメリカなら、クリムゾン・ダイナモはロシアのアイアンマンとも言える存在だ。

 また、アレクセイがロシアの監獄で腕相撲対決をする囚人をウルサと呼ぶが、これはコミックに登場するソ連版アベンジャーズの一員で、大きな熊に変身する能力を持つミュータント、ウルサ・メジャーのこと。アレクセイが彼に勝利した後で、「ビッグ・ベア」と呼んでいるのは、この能力を指しているのだろう。

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今後のMCUとのつながり

エレーナの「ホークアイ」登場は確定か

 エンドクレジットの後、エレーナの前に登場する女性は、Disney+(ディズニープラス)のドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」にも登場した、ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ伯爵夫人こと、自称ヴァル。彼女を演じるのは、政治風刺コメディードラマ「Veep/ヴィープ」で主人公の女性副大統領に扮するジュリア・ルイス=ドレイファス。コミックでは悪の組織ヒドラの一員で、マダム・ヒドラと呼ばれる人物だ。彼女の目的はまだ明かされていないが、「ファルコン~」では、キャプテン・アメリカと敵対したUSエージェント/ジョン・ウォーカーを勧誘しており、今後のMCUにおいて、要注意人物となることは間違いない。

 その彼女がエレーナに次の標的として見せる写真がホークアイのものなので、この場面が、マーベルの2021年配信予定の新たなドラマシリーズ「ホークアイ(原題) / hawkeye」につながる可能性が大。アベンジャーズでも特にナターシャと縁の深いホークアイとエレーナの間で、また新たなドラマが生まれていきそうだ。

映画『ブラック・ウィドウ』は映画館 and ディズニープラス プレミア アクセスにて公開中※プレミア アクセスは追加支払いが必要
(C) Marvel Studios 2021

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