【ネタバレあり】ココにも注目『ザ・スーサイド・スクワッド』は小ネタだらけ!
ついに公開された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督最新作『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』には、ガン監督のはみだし者たちへの愛と共に、思わず素通りしてしまう小ネタが投入されまくり。気がつくと少し嬉しい小ネタはココに隠れてる!(文・平沢薫)
※本記事はネタバレを含みます。映画を鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします。
ハーレイとキング・シャークにも小ネタ
マーゴット・ロビーふんするハーレイ・クインの背中のタトゥーが、『スーサイド・スクワッド』(2016)から変化。「Property of Joker」(ジョーカーのもの)だったが、今回は「Property of No-One(誰のものでもない)」に。ただ、真っ赤なレザージャケット衣装の背中には「live fast die clown」(急いで生き、道化師は死ぬ)はジョーカーを連想させたりもする。これは慣用句「live fast die young」(太く短く生きる)のパロディ。
また、刑務所でキング・シャークが読んでいる本は実在するもので、米哲学者ウィリアム・ジェームズの1902年の著作「宗教経験の諸相 ー 人間性の研究(The Varieties of Religious Experience: A Study in Human Nature)」。まさにサメの神の息子が読むのに相応しい内容だが、本が上下が逆さまなので、ホントは読めていない……。
こんなとこにコミックキャラ
”スーサイド・スクワッド”ことタスク・フォースXだけで14名ものキャラが参加しており、それだけでお腹いっぱいの本作。だが他にも、本編のあちこちにコミックのキャラが登場している。冒頭の刑務所内には、ウィーゼルを演じているショーン・ガンふんする別キャラクター、カレンダーマンそっくりの囚人が。ポルカドットマンに絡む彼の丸刈り頭の周りには、コミック同様、毎月のタトゥーが彫られている。
また刑務所には、ギャンブラーのダブルダウンのようなキャラも登場。彼には皮膚の下からトランプのカードを取り出す能力があるので、映画では顔のところどころ皮膚が剥がれている。さらに女性ヴィランのカレイドスコープと思わしき受刑者も確認できる。幻影を見せる能力を持つ彼女の肌は、パッチワークのようにカラフルな色彩になっている。
タスク・フォースXの任務を見守る、アマンダ・ウォーラーの部下たちも、実はコミックのキャラで見た目も原作そっくり。その中の2名、メガネにヒゲのジョン・エコノモス、女性キャラのエミリア・ハーコートは、ジョン・シナ演じるピースメイカーのスピンオフテレビシリーズにも登場予定。また、アマンダが一緒にゴルフをする予定の人物として口にする「クレイ上院議員」もコミックキャラで、こちらはドラマ「ARROW/アロー」に登場していた。
コミックの地名、組織名も
イドリス・エルバ演じるブラッドスポートが、「スーパーマンを病院送りにした男」として紹介されるのは、コミックでこのキャラがスーパーマンをクリプトナイトの弾丸で撃ち瀕死の状態にしたことを踏まえたもの。
また、DCコミックによく登場する地名もある。悪党たちが送り込まれるコルト・マルテーゼ島は、コミック「バットマン:ダークナイト リターンズ」(1986)に初登場した、政府への反逆者たちが集まる南米の島の名。また、スターロが閉じ込められているヨトゥンヘイムは、『マイティ・ソー』シリーズに登場するフロスト・ジャイアントたちの国の名。おや、マーベル? と思うが大丈夫、もともとは北欧神話において霧の巨人族の住む国の名だ。これもガン監督流のギャグ?
さらに、DCコミックおなじみの組織も登場。ポルカドットマンの母親が働いていた研究施設S.T.A.R.ラボはコミック「スーパーマン#246」(1971)に初登場した施設の名。映画『マン・オブ・スティール』やドラマ「ARROW/アロー」「THE FLASH/フラッシュ」などにも出てくる。また、テレビ放送局GBSネットワーク(the Galaxy Broadcasting System television network)もコミックお馴染みの放送局だ。
こんなところにカメオ出演!
そんなコミックネタとは別に、うれしいカメオ出演も。まず『ガーディアンズ ・オブ・ギャラクシー』シリーズのマンティス役、ポム・クレメンティエフが、メンバーたちの訪れるクラブでダンサーを演じてる。このクラブには、ガン監督がキャリア初期に仕事をしていた、『悪魔の毒々モンスター』などで知られる映画製作会社トロマ・ エンターテインメントの社長ロイド・カウフマンも登場している。
また、コミック界からの参加メンバーも。オープニングシーンでサバントを診断する博士を演じているのは、ガン監督が影響を受けた原作コミックの作者ジョン・オストランダーが登場している。
と、小ネタが山盛りの本作は、ここで紹介した以外にもまだまだ小ネタがいっぱいのはず。映画を見るたびに、また新たなネタが発見できるはず!
映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は全国公開中
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