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映画たて・よこ・ななめ見!

ウーマン村本が叫ぶ!日本人は水俣のことを知るべき

映画たて・よこ・ななめ見!

 ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回のテーマはジョニー・デップが役者人生をかけて挑んだ、日本の水俣病について描いた映画『MINAMATA-ミナマタ-』。いまだに救済を求めた裁判が続く社会問題を語り尽くす!(取材・文:森田真帆)

今回の映画は、9月23日公開の『MINAMATA-ミナマタ-』です。

 日本における水俣病の惨事を世界に伝えたアメリカの写真家、ユージン・スミス氏の日本での取材を描くヒューマンドラマ。1971年から1974年の3年間にわたり、水俣で暮らしながら公害に苦しむ人々の日常と、闘いの日々を撮影した写真家を描く。『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』などの製作を務めたアンドリュー・レヴィタスが監督を手掛け、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどのジョニー・デップが主演を務め、真田広之國村隼美波加瀬亮らが共演する。

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キャストがみんなイイ!

MINAMATA
(C) 2020 MINAMATA FILM, LLC (C) Larry Horricks

村本大輔(以下、村本):めっちゃすごい映画だったわ。俳優さんたちみんな演技が素晴らしかった。

中川パラダイス(以下、中川):そやな、ジョニー・デップめちゃくちゃかっこ良かった

村本:あれ特殊メイクしてるんかな。最初、ジョニー・デップってわからんかったわ

中川:ほんまやな。多分あの状態で、街ふらふらしていてもジョニー・デップとは絶対にわからんと思う(笑)。

MINAMATA
(C) 2020 MINAMATA FILM, LLC (C) Larry Horricks

村本:ジョニー・デップはもちろんやけど、日本の俳優さんたちもすごかった。社長役の國村隼さんとかさ、ああいうザ・日本人の嫌なステレオタイプのおっさん役させたら最高やな。

中川:めっちゃ嫌な感じやったもんなぁ。ああいう社長おりそうやもん。なんでも金で解決する社長

村本:あとあのアイリーン役の美波さんって、もともと英語しゃべれたんやろか?

中川:なんかあの時代に生きていた日本人女性っていう感じしたもんな。あとさ、少ししか出てなかったけど浅野忠信さんも全然ちゃう人になってたで。いつものおしゃれな雰囲気とかもなく、丸メガネかけてさ。真田広之さんも。みんな自然やったしすごいなって思ったわ。

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臭いものには蓋をしろの精神

MINAMATA
(C) 2020 MINAMATA FILM, LLC (C) Larry Horricks

村本:そういえば、パラダイスは水俣病のこと知ってたん?

中川:そういう病気があったってことは知ってたよ。でも教科書に載ってたことは知ってたけどそれくらいやな。昭和の事件って思ってたわ。

村本:せやろ、なんでかって日本の政府がこの問題を完全になくそうとしてるからや。実はこの前オレも水俣でイベントする予定やったんやけど、地元に水俣問題のことはもう触れんといてほしいっていう人がいるっていう話を聞いてさ。最悪やなって。この映画の中にも出てきたけど裁判はまだ続いているし、水俣の症状でつらい思いしている人はたくさんおんねん。でもその人は水俣市にとっては少数でさ、マイノリティーやねん。だから、そういう人たちのことをいないようにする。まるで水俣の問題は全部解決したみたいな顔して、風評被害になるからもう注目しないでほしいなんて言う。

中川:こないだテレビでやっていたけど、水俣市が上映会の後援を拒否したって話。あれも自分とこの歴史をちゃんと認めないとあかんやろって思ったわ

村本:結局、構造は原発の汚染水と変わらんなって思った。汚染水を海に垂れ流すって言う話にも地元の漁師さんたちはみんな反対してさ。でも漁師さんはやっぱり地元の人たちにとってみればほんの少数で、周りの人は少数の人たちの口を塞ごうとする。それにみんな原発の恩恵受けてる人たちもいるから、心の中で思っていてもおおっぴらに反対することができない。その構造は、まさに映画の中で出てきたチッソがやってることと変わらんねん。

中川:映画の中で、写真を病室に持ってきてくれた人おったやん。ああいう人、結構いるんやろな。

村本:日本は何もかも、臭いものには蓋をしろ弱者を黙らす。こればっかりや。

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ジョニー・デップみたいな俳優はおらんのか!

MINAMATA
(C) 2020 MINAMATA FILM, LLC (C) Larry Horricks

村本:ジョニー・デップはほんまにすごいと思うわ。だって水俣のことを知って、こうやって映画を撮って世界にこの問題を伝えようとしてくれたってさ。ほんまにすごいと思う。これがセレブなんやなって、オレなんかが大声で叫んだところで小さい声や。 ジョニー・デップが映画にすると、本当に世界に伝わる。それはほんまにすごいことだし、こういうことをできるジョニー・デップがほんまにかっこいいと思う

中川:それ言ったら、最初に写真を撮ったユージンさんもそうやろ。映画の中でも言ってたけどさ、「一枚の写真は1,000の言葉を持つ」ってほんまにそうやなって。映画に出てくる写真が、一枚一枚ほんまに力を持ってると思ったわ。あんな風に圧力かけられて、嫌がらせされて、しまいには暴力まで振るわれても世界に発信して。

村本:弱者の声を大きい声に変えたんや。自分たちの力を使って。

中川:亡くなったユージンさんも、自分の写真が映画になって、こんな大きな声になるなんて想像もせんかったやろな。

村本:そうやで。スターがスターの力を使うってそういうことや。だからオレは日本の俳優たちに物申したいんや! 日本の俳優は一切政治的な発言せんやろ。アメリカはみんなSNSでちゃんと政治的な発言するやん。ジョニー・デップもこういうふうに映画の力を使っているやん。じゃあ、オレが出た『燃えよ剣』(10月15日公開)はさ、新撰組の話やろ。時代を変えようと必死になった人たちの話なのに、出てる俳優はどうや。誰もなんも社会のこととか発信せえへん。日本の俳優に、ジョニー・デップみたいな俳優はおらんのか! って言いたいんや!

※記事内容には個人の意見が含まれています。

『MINAMATA-ミナマタ-』9月23日公開
映画『MINAMATA-ミナマタ-』公式サイト
(C) 2020 MINAMATA FILM, LLC (C) Larry Horricks

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ウーマンラッシュアワー・プロフィール

2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。

村本大輔
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。

村本大輔ツイッター

中川パラダイス
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。

中川パラダイスツイッター

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