『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に備えよ!歴代ヴィラン総復習
今週のクローズアップ
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の全米公開(12月17日)まで残り約2か月。8月に公開された待望の予告編は、サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズから悪役ドック・オクが再登場するなど、サプライズの連続でした。こうなれば、「歴代ヴィラン総登場!」を期待するファンも多いはず。ここでは来る最新作に備えて、歴代実写『スパイダーマン』シリーズのヴィランを一挙におさらいします。(編集部・倉本拓弥)
※以下、実写映画『スパイダーマン』シリーズのネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズ(2002~2007)
グリーン・ゴブリン/ニュー・ゴブリン
現在も根強い人気を誇るヴィランといえば、サム・ライミ監督版『スパイダーマン』1作目(2002)に登場したグリーン・ゴブリンでしょう。オズコープ社の社長ノーマン・オズボーン(ウィレム・デフォー)が超人血清の副作用で変貌したゴブリンは、最新鋭のグライダーにまたがり、カボチャを模した爆弾パンプキンボムを使ってニューヨークの平和を脅かしました。ノーマンはスパイダーマンとの決戦の末に死亡しますが、『スパイダーマン3』では息子ハリー・オズボーン(ジェームズ・フランコ)が父の敵を討とうと、ニュー・ゴブリンに変身。スパイダーマンである親友ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)を精神的に追い詰めました。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の予告編には、グリーン・ゴブリンの姿こそ見えませんが、彼の特徴的な笑い声と一緒にパンプキンボムが映っています。ゴブリンはマーク・ウェブ監督版『アメイジング・スパイダーマン2』にも登場していますが、予告編のパンプキンボムはライミ監督版のデザインと同じ。ウィレムもしくはジェームズ演じるゴブリンが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に再登場する可能性が高そうです。
ドクター・オクトパス(ドック・オク)
『スパイダーマン2』(2004)に登場したドック・オクことドクター・オクトパスは、4本の人工知能付き金属製アームを装着したオットー・オクタビアス博士(アルフレッド・モリナ)が、暴走したアームに支配され誕生したヴィラン。一度失敗した実験を成功させるために悪事を働きますが、ピーターの言葉で善の心を取り戻したオクタビアス博士が、アームの制御に成功。暴走した核融合装置から街を救うべく、装置と一緒に自ら川底へと沈んでいきました。
現在68歳のアルフレッドは、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で17年ぶりにドック・オクを再演。予告編のラストでは、当時のビジュアルと変わらぬドック・オクが「やぁ、ピーター」と声を発しています。ドック・オク再演にあたり、アルフレッドは「このユニバースでは誰も死なない」とVarietyのインタビューで語っており、『ノー・ウェイ・ホーム』におけるドック・オクの物語は、『スパイダーマン2』で川底に沈んだ直後からスタートすると証言しています。
サンドマン
ピーターの叔父ベン・パーカー殺しの罪で服役していたフリント・マルコ(トーマス・ヘイデン・チャーチ)が、脱獄中に素粒子物理実験に巻き込まれたことで誕生したサンドマン。『スパイダーマン3』(2007)では、体を砂に変える能力を悪用し、一時はピーターの敵として立ち塞がりますが、マルコはベン叔父さんの死の真相をピーターに告白。ピーターがマルコを許すと、彼は街のどこかへと去っていきました。サンドマンの『ノー・ウェイ・ホーム』登場情報は全く報じられていませんが、マルチバース(いくつもの並行世界)が誕生した今のMCUでは、サンドマン再登場の可能性も十分に考えられます。
ヴェノム
写真のねつ造でデイリー・ビューグル社を解雇されたカメラマンのエディ・ブロック(トファー・グレイス)が、謎の物体シンビオートと一体化して誕生した凶悪なヴィラン。後にトム・ハーディがエディを演じるヴェノムの単独映画が製作され、12月3日には続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が日本公開されます。ヴェノムとスパイダーマンの直接対決はかねてから注目されており、トムも「スパイダーマンなしではヴェノムのストーリーは語れない」とComicBook.comのインタビューで将来的なクロスオーバー実現を期待しています。
『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ(2012~2014)
リザード
異種間遺伝子交配の研究を進めていたカート・コナーズ博士(リス・エヴァンス)が、試験薬の副作用でおぞましい姿へと変貌したヴィラン。人間を爬虫類のような見た目に変える薬品をニューヨーク中にばら撒こうと計画するも、スパイダーマン(アンドリュー・ガーフィールド)によって阻止されます。コナーズはサム・ライミ版の2作目と3作目(演じたのはディラン・ベイカー)にも登場しており、マルチバースによっていずれかのコナーズがMCUに登場する展開も考えられます。
エレクトロ
スパイダーマンに憧れていたオズコープ社の電気技師マックス・ディロン(ジェイミー・フォックス)が、『アメイジング・スパイダーマン2』(2014)で遺伝子操作された電気ウナギに噛まれたことで誕生。体が青色に透き通るおぞましい見た目となったマックスは、スパイダーマンに激しい怒りを抱くようになり、ヴィランとしての道を辿ることになります。
ジェイミーふんするエレクトロは、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で再登場すると The Hollywood Reporter ほか各メディアが報じており、予告編にもエレクトロの電気攻撃らしき描写が登場します。しかし、電撃の色は『アメイジング・スパイダーマン2』とは異なる黄色。エレクトロ自身もスパイダーマンとの戦いで大量の電流を浴びて消滅しているので、彼がいかにして復活するのかが気になるところです。
グリーン・ゴブリン&ライノ
『アメイジング・スパイダーマン2』にはエレクトロの他にも、クモの毒液を注入したハリーが変貌したグリーン・ゴブリンや、犯罪者アレクセイ・シツェビッチがサイ型の大型アーマーを操縦するライノといったヴィランも登場しました。同作のラストでは、彼らが加わったであろうシニスター・シックス(スパイダーマンの宿敵が集まった犯罪チーム)計画も示唆され、実際にスピンオフ映画として企画が進んでいました。米ソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオの提携により、残念ながら企画は幻となってしまいましたが、MCUや米ソニーが構築している独自の『スパイダーマン』ユニバースで、シニスター・シックスが揃う日が将来的に訪れる可能性もゼロではありません。
MCU版『スパイダーマン』シリーズ(2017~)
バルチャー
アベンジャーズが異星人チタウリと戦ったニューヨーク決戦の残骸を処理していたエイドリアン・トゥームス(マイケル・キートン)が、『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)で残骸から自前のスーツを開発。空中攻撃を得意とするバルチャーとして、スパイダーマン(トム・ホランド)に襲いかかりました。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の予告編には、エイドリアンと因縁があるダメージ・コントロール(DODC=Department of Damage Control)の職員らしき人間が登場しています。また、マイケルは米ソニー製作の『モービウス』にも出演しており、バルチャーがMCUを飛び出し、ソニーの『スパイダーマン』ユニバースに参戦する可能性が高まっています。
ミステリオ
突如出現した敵エレメンタルズを追って、別次元の地球(アース833)からやって来たというミステリオことクエンティン・ベック(ジェイク・ギレンホール)。しかし、別次元の地球もエレメンタルズも全てベックの嘘で、正体はスターク・インダストリーズの元職員でした。アイアンマンに代わる新ヒーローとして世界に君臨すべく、ベックは邪魔者であるスパイダーマンを排除しようと、あの手この手を使ってピーターを騙していました。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のラストで、ピーターの正体が世間にバレてしまったのも彼の仕業。最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の予告編では、ピーターがミステリオ殺しの容疑をかけられているのが確認できます。
全世界のマーベルファンが公開を待ち望んでいる『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』。公式情報は数少ないですが、かつてスパイダーマンを苦しめたヴィランたちが、シリーズの垣根を越えてMCUにやって来ることは間違いないでしょう。果たして、グリーン・ゴブリン、ドック・オクの他にどのヴィランが登場するのか? 過去シリーズを振り返りながら、日本公開まで首を長くして待ちましょう。