最強女子高生が…!前代未聞のラブストーリーがあり得なくて最高なワケ
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映画『フード・ラック!食運』で土屋太鳳とダブル主演を果たし、俳優としての大きな一歩を刻んだEXILE NAOTO。彼の長編映画単独初主演作となる『DANCING MARY ダンシング・マリー』が完成しました。監督はSABU。デビュー作『弾丸ランナー』から『蟹工船』『天の茶助』、そして『砕け散るところを見せてあげる』まで、独自のエンタメ色に彩られたハイレベルな作品を撮り続ける、まさに個性派の監督です。2人が組んだ映画はネオ・ファンタジーホラーにして、切ないラブストーリーでもあるとか。それってどんな映画なのでしょう?
EXILE NAOTOが振り回される!
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのリーダー兼パフォーマー、EXILEでもパフォーマーとしてキレキレのダンスで多くの人を惹きつけるアーティストであるNAOTO。おしゃれ番長としても知られ、ファッションブランド「STUDIO SEVEN」のクリエイティブ・ディレクターも務める彼がこの映画で演じるのは、冴えない作業着もお似合いな市役所職員の藤本研二! スケボーでマイペースに出勤し、勤務中も机に向かってひたすらぼんやり。時計を見続け、ひる12時きっかりにはランチのために席を立つ。そんな、やる気のなさそ~な男です。
ある日藤本は、市内で着工予定の複合商業施設に関わることになります。それは作業員6人がケガをし、お祓いを依頼された霊能力者4人が病院送りになったというやっかいな案件でした。建設予定地にある老朽化したダンスホールに、マリーと呼ばれる踊り子の幽霊がいるらしい。祟りを恐れた住民による、ダンスホール取り壊し反対運動が起きる前にことを進めるよう、上司の指令が下ります。「俺が祟られたらどうするんですか!? 幽霊っすよ?」とだいぶ後ろ向きな藤本だったが、しぶしぶ引き受けるハメに……。
そんな藤本が出会うのは、霊が見える能力を備えた女子高生の麻田雪子です。「霊感なんてこれっぽっちもない」という藤本も、彼女に触れられたことをきっかけに、幽霊が見えるようになります。ダンスホールを訪れた2人。マリーから「(恋人だった)ジョニーを探して」と頼まれた雪子は、藤本と2人でジョニーを探すのです。
普段のクールなNAOTOとは程遠いキャラである藤本を演じ、霊視能力を持つ雪子や、雪子のせいで見えるようになる幽霊たちを前に右往左往するNAOTO。めっちゃ振り回されます。こんなNAOTO、見たことないかも。
最強すぎる女子高生
雪子はまさに最強! な女子高生です。霊視能力は掛け値なしの本物。どんな霊も、時代を超え、まさにそこにいるかのようにありありと見えてしまいます。どれほど恐ろしい能力であるか、もし自分にそんな力があったら? とほんの少し想像しただけで実感できるようです。
そんな能力と向き合い続けてきた雪子は「できるだけ目立たないように生きてきた」と言います。するとこんどは軽く扱われ、周囲からイジメを受け、溜め込んだ怒りが爆発して……って、まさにリアルキャリー! けれどそんな自分を受け止めようともがいた果てに、「人にはそれぞれ役目があってこの世に生まれてきている」と行動を起こそうとするのです。雪子演じる山田愛奈の美しい顔立ちと感性の鋭そうな眼差しの説得力もあって、まさに最強!
個性豊かな霊があり得ない!
マリーの依頼でジョニーを探す雪子と藤本。「心霊スポットに行ってみればいるかも」と廃校となった学校、病院跡、墓地などを回り、ジョニーの写真を手掛かりに行方を追い、その過程でいろんな霊を目撃するはめになります。飛び降りスポットになっているらしいビルの屋上でぞくぞく飛び降りていく男女、戦争中に激しい戦闘が繰り広げられた海辺でほふく前進する無数の兵士。やがて“千人斬り”と呼ばれた伝説のヤクザ、石橋凌演じるアニキと出会います。
アニキはまず、見た目のインパクトが大。角刈りに着流し姿は粋なのですが、全身がもう短刀だらけ。それ刺さり過ぎだろう! でももう死んでるしね! みたいな状態です。アニキは現代では絶滅した、昔気質のヤクザです。霊視のために雪子とずっと手を繋ぐ藤本を前に2人の仲を勘違いし、「お前、本気か?」とか藤本に聞いちゃう一本気な男でもあります。
登場する霊はそれぞれに事情を抱え、心に引っ掛かりがあって成仏できていません。どのキャラも妙に人間味に溢れていて、怖いというより、なんともコミカルなのです(霊だけど!)。
あり得ないラブストーリー
やがて藤本と雪子は、ジョニーにたどり着きます。吉村界人演じるジョニーが、最初はまあ~チャラい! 飛行機に乗ってはしゃぎ、「どこか面白いところに行こうよ~」とダダをこねます。けれど演じる吉村の属性なのか、ふと見せる横顔に奇妙な切なさが漂うのです。やがてマリーとジョニーの恋が、カラフルな映像で回想されます。
不器用な2人の、若くて懸命で純粋だけど、どうにもならなかった恋。「あのダンスホールで、会う約束をしていたの」。マリーとジョニーの恋の、本当の結末とは? ネオ・ファンタジーホラーにして切ないラブストーリー。こんな映画、なかなかありませんよね。(文・山崎麻見)
映画『DANCING MARY ダンシング・マリー』は11月5日より順次全国公開
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