変化は自ら起こすもの!一歩踏み出す勇気が湧くショートフィルム
10分の極上無料短編映画体験
ブリリア ショートショートシアター オンライン × シネマトゥデイコラボ企画
冬の足跡が聞こえてくるこの季節、クリスマスや年末年始の話題も耳にするようになった。コロナウイルスの流行が収まっている今だから、お出かけする方も多いだろう。久しぶりに友人と会って「最近何してる?」と聞かれたら、「ショートフィルムを観ている」と答えてみてはいかがだろうか? 「ショートフィルムって?」と聞き返されたら、この記事で紹介する作品をおすすめしていただきたい。
ショートフィルム専門のオンラインシアター Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE(BSSTO)の11月は4本のラインナップより、アメリカ、イギリスとフランス&コンゴ民主共和国合作の作品について紹介。勉強、仕事、家事で疲れた後は、短い時間でシネマトリップはいかがだろうか?
恋が始まる。人生が変わる。『一本の線 / Once Upon a Line』
『一本の線 / Once Upon a Line』
監督 アリシア・ジャシナ
製作年 2016年
製作国 アメリカ
上映時間 約7分
配信期間 11月3日~2022年2月2日
恋に落ちるまで彼は単調な人生だった。しかし「恋」は彼の人生に新たな光を導く。
一本の線から始まるオシャレな短編アニメーション。恋が人間を変える経験を、鮮やかなタッチのイラストと印象的な音楽で見事に描く。最初はモノトーンできっちりと直線で構成された主人公の生活。だが、恋に落ちると、線は大きく歪み、期待と喜びで躍動し、恋する彼女の色へと染まっていく……。監督はポーランド生まれで、ロンドンとロサンゼルスでアニメーションを学んだのち、ロサンゼルスでフリーのアニメーターとして活動している国際派。洋の東西を問わず、恋の魔力は世界共通だと感じる傑作だ。
取り戻したいわたしとあなた『フレッド&ドードー / You Need Help』
『フレッド&ドードー / You Need Help』
監督 バーバラ・エルビンガー
製作年 2019年
製作国 イギリス
上映時間 約17分
配信期間 11月10日~2022年2月9日
※ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2020 Shibuya Diversity Award大賞受賞作
高齢夫婦のフレッドとドリーン。定年退職し家でゴロゴロする夫フレッドに妻ドリーンはいら立ち、二人の結婚生活に初めて亀裂が入る。ある日、演劇を利用したグループセラピーのチラシを見つけたフレッドは、自分自身を見つめ直すため、そして結婚生活に必要な魔法と音楽を取り戻すためセラピーに通い始める。しかしドリーンはフレッドの「馬鹿げた」振る舞いに恐怖を覚え……。
「夫からバレリーナの格好をしたセルフィが送られてきてショックを受けた!」と監督の友人が監督に電話をかけてきた。そんな出来事が発端となって想像を膨らませて生まれた作品。「わたしたちは“本当のわたし”になることを許されているのか?」そんなメッセージを込めたと監督は述べている。
定年を迎え自分と向き合う時間ができて、「このままでいいのか?」という問いと直面した主人公フレッド。観る人の世代によって受け止め方も変わるだろうが、「自分が変わるのに遅すぎることはない」というメッセージは、じんわりと温かく、多くの人の心に届くことだろう。
逆境は乗り越えるためにある!『ゲットアップ・キンシャサ / Get Up Kinshasa!』
『ゲットアップ・キンシャサ / Get Up Kinshasa!』
監督 セバスチャン・メイトレ
製作年 2016年
製作国 フランス・コンゴ民主共和国
上映時間 約21分
配信期間 11月24日~2022年2月23日
※フィルムフェスティバル&アジア2017 インターナショナル部門オーディエンスアワード受賞作
靴を磨かなきゃ、授業はナシだ! 10才のサミュエルは、彼なりに生き抜く術を見出した。
珍しいアフリカ発のショートフィルム。貧しさから学校指定の靴が買えず学びの機会を奪われる小学生サミュエルだが、めげない心と創意工夫で逆境を超えていく。笑顔の眩しいサミュエルも魅力的だが、周囲のキャラクターも個性的だ。お調子者で遊び人の父親、パンを売って家族の生計を支えるたくましい母親。快活とした性格の女性警部。ルールに厳しい学校の門番、実利主義の中国人雑貨店店主などなど。
ショートフィルムではキャラクターを丁寧に描く前に映画が終わってしまうことも多いが、本作では短くても印象的にキャラクターの魅力が伝わるよう工夫が凝らされている。キャラクターが設定されたら、あとは勝手に物語が動き出す。そんな感慨を受ける作品だ。少し疲れたときや、壁に当たったときに観れば、アフリカのパワフルなエネルギーが心に流れ込んでくるはず。
仕事や勉強に忙しいときほど、息抜きに映画でも観たくなるもの。「これが終わったら思いっきり遊ぶんだ」と、自分へのご褒美にとっている方もいるかもしれない。そうやって我慢を続けるのも良いが、1日頑張った自分への小さなご褒美として、ショートフィルムとポテトチップスと缶ビール。そんな日があってもよいだろう。今日もショートフィルムを、あなたのリラックスタイムの傍らに届けられたなら、紹介する者としてとてもうれしく感じる。(大竹悠介)
今回紹介した各作品は「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」で配信予定。