前途有望すぎる!まぶしくて大人びた魅力の18歳・藤原大祐
イケメン発掘調査隊
『愛のまなざしを』藤原大祐(ふじわら・たいゆ)【第159回:イケメン調査隊】
インタビュー
Q:映画デビューを飾った『愛のまなざしを』はオーディションで役をつかんだそうですね。
はい。初めてのオーディションでした。オーディションがどういうものなのかわからずに行ったので、すごく楽しみでわくわくしていたのを覚えています。オーディションでは、作品のワンシーンを演じてから、監督さんやプロデューサーの方にこういう風に演じてみて……と言われたことをやってみる感じでした。それまで全くお芝居の経験がなかったので、新鮮でした。
Q:実際に演じてみて、作品についてどう感じましたか?
現場に入る前、作品の概要しか知らなかったときは父と息子の物語だと思っていたのですが、台本をもらって読んでみたら、親子の関係に違う女性が入ってきてドロドロした話になる。まさかこんなに大人の作品だとは思っていなくて……。初めての映画でこんな作品に携われるのかとちょっと驚きました。
Q:ご自分が演じた祐樹に共感するところはありますか?
祐樹は亡くなった母親に対する思いが強いんです。だから、いつまでも心の中には母親にいてほしいと思っている。それは自分だけじゃなくて、家族みんなにそう思っていてほしいと思っていて。父親にはもう母親への気持ちがないんじゃないかと思ったときに、自分の気持ちを全部ぶつけてしまう。しかも、思春期だから人一倍葛藤して、その葛藤を簡単に表面に出してしまう。そんなところが僕は共感できました。演じたのは今からちょうど2年前、高校1年生の時で祐樹と年齢にも差がなかったので、入っていきづらい役ではありませんでした。
Q:父親役の仲村トオルさんとの共演はいかがでしたか?
トオルさんは撮影期間、本当に僕のお父さんじゃないかなと思うぐらい、お父さんとして接してくださったんです。カメラが回っていないところでも、学校のことを聞いてくださったり、何気ない会話をたくさんしました。一番印象的だったことは、「大祐はこの先、絶対大きくなっていくから、先にサインちょうだい」と半分ノリみたいな感じですが言ってもらえて。でも、その時、僕まだサインがなくて。学校のテストで名前を書くみたいに、「藤原大祐」って書いたんです(笑)。その交換という形でトオルさんのサインをいただいて。「大祐へ」と書いてあるトオルさんのサインがあるんですが、それをたまに見返すとトオルさんに会いたくなります。
Q:18歳の藤原さんから観て、この映画の魅力は?
万田(邦敏)監督の作品は、どれも監督の強い色が表れていると思うんです。そして、この作品にも監督の色が顕著に表れている。先の見えないトンネルの中にお客さんを引きずり込んで走っていくのですが、最後のパズルの1ピースを嵌めるのはお客さんなんですよね。だから、観終わったあとに考えさせられる作品だなと思います。そこがすごく面白い。年齢や性別……あと自分がいる環境によって作品の見え方が変わってくる。本当に多種多様な観方ができる作品だと思います。
Q:ご自身が特に観てほしいところは?
この作品を撮影してからはもう2年ぐらい経っています。その後、いろんな作品に携わらせてもらって、僕のことを知ってくださる方もありがたいことに少しずつ増えている。でも、この先、俳優人生を送っていくなかで、初芝居の作品はこれしかない。なので、芝居が上手下手ということではなくて、新鮮さというか初々しさを見てもらえたらなと思います。
Q:この作品に出たことで、演技に対する考え方などに影響はありましたか?
そうですね、役者としての自覚を持つ1回目のタイミングになりました。演技のレッスンはしていましたが、実際にカメラの前に立ち、しかも、最前線で活躍されている方と一緒にお芝居をする経験をして、自分もその一員になれたというか……ついに役者人生が始まったなという自覚を持ちました。2回目はドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」に出演した時です。テレビは、僕のことを知らない方でも観ていると気づいたんです。ただ「カワイイ」というようなことだけでなく、作品に絡んで、僕のことをこう感じたとかという意見をSNSを通して見られたので、作品が届いているんだなと強く実感しました。
一問一答 PRIVATE
Q:芸能界に入ったきっかけは?
中学3年生のときに、街なかで何度かスカウトを受けるようになったんです。ただ、映画を観るのは好きだったけれど、自分が実際に演じる側に回るということは考えていなかったし、当時は仕事をするということも考えていませんでした。でも、そのことを母親が知り合いにしたときに、知り合いづたいで今の事務所に話がつながって。
Q:スカウトされるようになったのは、何かきっかけでも?
それがわかんないんですけど、簡単に言えば、痩せたからかもしれないです。僕、小さい頃、ちょっとぷっくりしていたんですが、身長が伸びてゆくにつれて、シュッとしてきて(笑)。
Q:ちなみに、スカウトの回数は?
前に、竹下通りを歩いたら、片道4回スカウトされたみたいなことはいくつか取材で言ったことがあるのですが、ほかにも、たとえば、渋谷駅のトイレから出た瞬間に、「すみません……」みたいに声をかけられて、えっー、みたいな。あとは、変な路地裏みたいなところで声をかけられたこともありました。
Q:芸能界への興味はあったんですか?
小さい頃から周りからは入れば……と言われていたんですけど。「恥ずかしいよ」「まだいいよ」と流していたし、自分から入りたいと思ったことはありませんでした。でも、スカウトしていただいて、向いているのかなと思うきっかけにはなりました。
Q:好きな映画は?
『レザボア・ドッグス』です。僕は心と心のつながりが強く表れている作品が好きなんです。この映画は、自分の個人情報を全く明かしていない人たちが宝石店を襲うというミッションのもとに集められているんですけど、そのなかで、いろんな事件が起こってきて、お互いのことを全く知らないのに、深い心のつながりが表れてくる。そういう熱い作品が好きです。
Q:憧れの俳優は?
リヴァー・フェニックスです。情報を言葉だけじゃなくて佇まいから伝えられる役者さんって、すごくカッコイイなと思っていて。最初、僕が観たのは『スタンド・バイ・ミー』でした。当時、彼は10代半ばだったそうなんですけど、ただたばこを吸っているだけのシーンなのに、全世の中を否定している、蔑んでいる目っていうのが見えて。なにもしゃべっていないのに、彼の育ってきた環境などが見えてくる。それがすごいなと。僕もなにも語らなくても、目の奥だけでそういうことを伝えられる役者になりたいなと思っています。
Q:好きな音楽は?
最近の曲ではブルーノ・マーズです。結構古いのも好きで、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダーとか。ちょっとモータウンとかR&Bに寄った昔のものが好きです。
Q:特技がジャズピアノと聞いていますが……。
メジャーな曲をジャズアレンジして弾いたり、カッコイイアレンジをされている曲をYouTubeとかで見つけてマネしたりしています。今、ハマっているのは、「ルパン三世」のテーマソングをジャズっぽく弾くこと。超絶アレンジと言われているものがあって、それを観たときに衝撃が走りました。今、練習段階ではあるんですが、マネして弾いていて楽しいですね。
Q:好きなファッションは?
単純に高いブランドの服を着てるとかというのではなくて、服は自分のパーソナリティーを表現する一部だと思っているので、古着屋さんに行って、自分の持っている服と合わせてみたり、好きなブランドの洋服とヴィンテージものを合わせて、自分ならではの組み合わせをするのが好きです。
Q:最近奮発して買ったものは?
奮発して買うといえば、僕の場合、服が多いんですが、最近、古着屋さんで運命的な出会いをしてパンツを買ったんです。全く直す必要がない、自分にサイズがぴったりなヴィンテージもの。僕、現場に行くときにオシャレをしたい派なので、すぐはいていきました。朝早くに出なくてはいけない時でも、おしゃれをして、よし頑張るぞって現場に向かうことが多いです。
Q:言われたいのは、カワイイorかっこいい、どちら?
僕は、「いいね」と言われたいです、抽象的なんですけど。カッコイイとか表面上のことよりは人間性や中身、それに見た目も含めて「藤原大祐っていいね」って言われたら、頑張ってきた甲斐があるなと。
Q:苦手なもの、克服したいものは?
生トマトです。リコピンがすごく体にいいと聞くので、食べたいんですけど、どうしても食べられない。ケチャップとかピザは大丈夫。トマトパスタもいいんですけど、冷製トマトパスタになるとトマトが生だからダメなんです。
Q:小さい頃の夢は?
発明家です。今、僕たちがこういう風に生活できるのは、誰かが発明したおかげだから、自分もそうなりたいなと思って。でも、俳優の仕事も見ている人の心の中に感情ってものを作るということでは、ゼロから1をつくるということに近いのかなと。そして、誰かの生活の一部になって、豊かにするという意味で言ったら、ものづくりであって、美しい行為だなと思います。
Q:とてもしっかりして落ち着いていますね。
本当ですか、ありがとうございます! 最初、写真のイメージからかわいいと言われることが多いんです。だからなのか、会うとびっくりされることが多いです。
Q:必ずやっている習慣は?
朝のシャワーですね。朝、仕事で早起きでも、必ずシャワーの時間を取って、シャワーを浴びてシャキッとしてから現場に向かう。朝シャワーを浴びないと、1日気分が乗らないですね。
Q:今、ハマっていることは?
実は移動中のロケバスの席で寝るときに、自分なりの最高な体勢を見つけて。それは僕にとって、もう革命的なことなんです。少し広い席だと、ゆっくり寝られる。それがもう僕の中では神。最高の睡眠時間をいただいてます。自分のカバンもなるべく柔らかいものを持って行って、それを枕にして寝る。最高の癒やしの時間ですね。
Q:自分にキャッチコピーをつけるとしたら?
「自分大好きマン」です!(笑)。 単純に、自分のことが好きというのもあるんですが、自分が自分のことを好きで、こういう風に見せたいというのがないと、こういうお仕事はやっていけないのかなと。だから常に自分磨きをして、自分が好きだって思えるように、日々成長できるようにインプットの材料を探しています。
取材・文:前田かおり 写真:上野裕二
インフォメーション MOVIE INFO
『接吻』『イヌミチ』などの万田邦敏監督によるドラマ。精神科医に恋をした患者の女性が、彼が思い続ける亡き妻への嫉妬に狂っていく。『チーム・バチスタ』シリーズなどの仲村トオル、『禁忌』などの杉野希妃、『麻雀放浪記2020』などの斎藤工、『ディアーディアー』などの中村ゆりのほか、藤原大祐、万田祐介、松林うららたちが出演する。
藤原大祐プロフィール
生年月日:2003年10月5日
出身地:東京都
身長:177cm
血液型:AB型
趣味・特技:歌、ジャズピアノ、サッカー
芸歴:2019年、現事務所に所属し、「栄光ゼミナール」の Web CM に抜てきされてデビュー。2020年にdTVチャンネルのドラマ「中3、冬、逃亡中。」で両親を殺して逃亡するワケありの少年を演じる。「おじさんはカワイイものがお好き。」で地上波連続ドラマに初レギュラー出演。その後も「恋する母たち」「推しの王子様」に出演するなど、活躍の幅を広げている。
『愛のまなざしを』は11月12日公開
(C) Love Mooning Film Partners