知ってる?「地獄が呼んでいる」がもっと面白くなる!トリビアまとめ
「イカゲーム」に次いで、新たに世界中の話題をさらっている韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」。Netflixで配信初日から世界1位を獲得し、早くもシーズン2を期待する声も上がっている。これから観ようと思っているあなたはもちろん、もう観てしまったあなたも、知っていると、もっと楽しめるトリビアを紹介!(前田かおり)
ユ・アインは日本の人気コミック実写化で注目
新興宗教団体“新真理会”のリーダー、チョン・ジンス役で怪演を見せるユ・アイン。韓国映画界を代表する若手実力派の一人だが、2003年にデビューした彼が日本でその名が知られたのは、2008年の映画『アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~』。原作はよしながふみの人気コミック。イケメンぞろいの洋菓子店を舞台に人間模様を描いた物語で、当時、ドラマ「宮(クン)~Love in Palace」で大ブレイク中のチュ・ジフン主演で実写化された。この作品で、ユ・アインは元ボクサーの見習いパティシェ役で出演。初々しい魅力をふりまき、その後のドラマ「トキメキ☆成均館(ソンギュンガン)スキャンダル」(2010)で大ブレイクした。
刑事役ヤン・イクチュンは菅田将暉と共演した
殺人犯に妻を殺され、愛娘が怪しげな宗教・新真理会にハマっていることに心を悩ませながら、不可解な事件を追う刑事チン・ギョンフン。演じるヤン・イクチュンは2017年に公開された『あゝ、荒野 前篇』『あゝ、荒野 後篇』で菅田将暉と主演を務めて大きな話題になった。肉体改造もして、菅田演じる少年院上がりの主人公と共にプロボクサーを目指す役に挑んでいる。
もっとも映画好きには、2010年、初監督作で製作、脚本、編集、主演も務めた映画『息もできない』が日本でもヒットしたことで知られる。日本の俳優やアーティストたちからの人気も高く、『かぞくのくに』(2012)では井浦新と共演し、西川美和監督の『夢売るふたり』(2012)、宮藤官九郎監督の『中学生円山』(2012) など日本の作品にも出演している。
「梨泰院クラス」のあの人も出演している
新真理会のためならば、黒も白と言いくるめ、狂気の世界にまっしぐらのユジ執事を演じたリュ・ギョンス。オールバックで銀縁メガネのイヤミな顔からはちょっと思いつかないが、彼は「梨泰院クラス」では正義の男パク・セロイの男気に惚れた元暴力団員のチェ・スングォンを演じていた。口は悪いが気が優しくて憎めない役どころで注目されて、一躍、人気俳優の仲間入り。近作の映画『人質』では韓国を代表する名優ファン・ジョンミンを拉致するという悪役を演じるなど演技力が高く評価されており、待機作としてNetflixドラマ「グリッチ」への出演が確定しているほか、引く手あまただ。
ヨン・サンホ監督はもともとアニメ出身だった
ヨン・サンホ監督といえば、Kゾンビの火付け役になった『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)で知られるが、もともとはアニメ監督出身。日本の今敏、押井守、大友克洋、宮崎駿らに影響を受けているとインタビューで明かしている。監督が初めて手掛けた長編アニメーション作品『豚の王』(2011)は、韓国長編アニメーションとして初めてカンヌ国際映画祭への出品を果たしことで有名。ちなみに、同作ではヤン・イクチュンが声優を務めている。ほかに監督のアニメ作品には、社会告発ものの『我は神なり』(2013)に、『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前日譚を描いた『ソウル・ステーション/パンデミック』(2016)がある。
原作&元ネタになったのは?
Netflixオリジナルシリーズ「地獄が呼んでいる」は、ヨン・サンホが漫画家チェ・ギュソクと組んだウェブトゥーン「地獄」が原作。だが、その元ネタは、ヨン・サンホが2003年に手掛けた短編アニメ「地獄(二つの生)」で描かれた「地獄に行く瞬間が天使に告知される」という設定を使ったもののよう。ちなみに、ウェブトゥーン「地獄」で組んだチェ・ギュソクは同じ祥明大学出身で、「錐」がドラマ化されているなど注目の人物。
ド派手な“矢じり”役の正体は?
目がチカチカするようなド派手なビジュアルでネット上に登場しては、世間の不安をあおりまくる、過激集団“矢じり”の動画配信男を演じているのは、ヨン・サンホ監督の『新感染半島 ファイナル・ステージ』で主人公の義兄役で熱演を見せたキム・ドユン。『新感染半島』では監督がキム・ドユンのために役をあて書きしたそう。さらに、監督が脚本を担当したドラマ「謗法 ~運命を変える方法~」(2020)にも出演し、本作に至っている。
刑事の娘役は『新感染半島』の超絶ドラテク少女!
幼い頃に母を失い、心に深い傷を負ったことから新真理会に傾倒する娘ヒジョンを演じたイ・レ。2006年生まれの彼女は、映画デビューを飾った『ソウォン/願い』(2013)で残忍な幼女暴行の被害者という難役を演じて、韓国中の涙を誘い、天才子役と呼ばれるように。その後も映画『犬どろぼう完全計画』(2014)、ドラマ「アルハンブラ宮殿の思い出」(2018)などに出演。ヨン・サンホ監督の『新感染半島 ファイナル・ステージ』ではカン・ドンウォン演じる主人公の窮地を驚くべきドライブテクニックで救う少女を熱演したが、本作ではさらに複雑な感情表現を見事にこなしている。
こんなところでも共演していた!
地獄行きを宣告され、子どものために自分の人生を犠牲にしようとするシングルマザー役として、複雑かつ壮絶な覚悟を体現し、演技力が絶賛されているキム・シンロク。デビュー以来、なかなか芽が出なかったが、本作を機にブレイク。ちなみに、村上春樹の短編小説「納屋を焼く」を原作に映画化した『バーニング 劇場版』(2018)で、本作の教祖役ユ・アインとわずかなシーンだが共演。また、現在、Amazon Prime Video で配信中の「ある日~真実のベール」では、敏腕検察官役でメインキャストとして熱演を見せている。
“天使”を演じたのは『パラサイト』の娘
地獄行きを残酷にも告知する白塗りおばけのような“天使”を演じたのは『パラサイト 半地下の家族』で丘の上に立つセレブ一家の娘ダヘ役を務めたチョン・ジソ。幼い頃はフィギュアスケート選手として活躍し、その後、芸能界入りし、映画、ドラマで活躍。ヨン・サンホのドラマ「謗法 ~運命を変える方法~」にも出演。本作では顔にマッピングして、恐怖の天使の顔と声を作っている。