スター・ウォーズの人気キャラ！ボバ・フェットって何者？

　世界中のカルチャーに多大な影響を及ぼし続ける映画『スター・ウォーズ』シリーズ。C-3PO、R2-D2ら魅力的なドロイドなど、多くの世界的キャラクターを排出していますが、シリーズを飛び越え映画を代表する悪のキャラクターといえば、誰もが暗黒卿ダース・ベイダーの名をあげるでしょう。しかし、たった数分の登場で、ベイダー卿に次ぐと言っても過言ではない人気を獲得したキャラクターがいます。彼こそ銀河一の賞金稼ぎ、ボバ・フェット。脇役から大出世し、ついに単独シリーズ「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」が12月29日からディズニープラスで配信される、人気キャラクターの魅力を紹介します。

脇役のはずが大人気！ボバ・フェットの魅力

　ボバ・フェットが初めてスクリーンに登場したのは、シリーズ2作目にあたる『スター・ウォーズ エピソード5／帝国の逆襲』（1980）から。ハン・ソロ一行が乗るミレニアム・ファルコンを捕まえるためにベイダーが依頼した賞金稼ぎの一人でした。

　象徴的なT字型バイザー、全身に武器を仕込んだマンダロアの特注アーマー、背中のジェットパック、セリフはたった4行だけという寡黙なキャラクターなど、ミステリアスな雰囲気を漂わせる彼は、たちまち観客の心をつかみファンが続出。旧3部作における登場時間は、わずか6分32秒にもかかわらず熱狂的な支持を受け、アニメやコミックでエピソードが加えられ、膨大な数のグッズが作られ、『スター・ウォーズ』イベントで彼のコスプレを見ない事はないほどの人気キャラとなったのです。

　R2-D2、C-3PO、BB-8、ルーク、ハン・ソロ、レイア、カイロ・レン……約40年前の誕生から、膨大な数の人気キャラクターを生みだした『スター・ウォーズ』シリーズ。その世界観は映画にとどまらず、彼らの背景に広がる、まさに星の数ほどある壮大なサーガが誕生してきました。中でもボバ・フェットは傑出しており、その絶大な人気を背景に、彼の物語は、アーマーのルーツとなったマンダロリアン氏族にまで波及。アニメシリーズやドラマ「マンダロリアン」にもつながっていく、伝説の一部となったのです。

最強の賞金稼ぎのはずが…あっけない退場

　そんなボバ・フェットのルーツは、旧3部作以前の歴史を描く『スター・ウォーズ　エピソード2／クローンの攻撃』まで遡ります。彼の父親は、悪名高き銀河一のハンター、ジャンゴ・フェット。あのオビ＝ワン・ケノービとの戦いでは激しい攻防戦ののちに彼を窮地に追いやり、「ジオノーシスの戦い」ではジェダイの騎士を射殺。最後は、ジェットパックが故障したところを、ジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥによって倒されましたが、存分にその実力を見せつけました。

　T字型バイザーにジェットパックで逃亡者を追い詰める姿はボバそのもの。それもそのはず、ジャンゴは、共和国軍のクローン・トルーパーのベースとして自分の遺伝子を提供し、その代わりに、自分の完全なクローンを息子として要求しました。その息子こそがボバ・フェット。幼少期から父をサポートしていたボバは、ウィンドゥが父の首をはねる瞬間も目撃しています。回収した父のアーマーと高性能宇宙船スレーヴI、そして最強の遺伝子を受け継いだ彼はやがて、銀河一の賞金稼ぎとしてその名を広めます。

　『帝国の逆襲』では、スレーヴIでミレニアム・ファルコンを追跡し、帝国軍と協力してハン・ソロを捕縛。カーボン凍結されたソロを報酬として受け取りました。ちなみにこの際、凍結でハンが死ぬリスクがあると聞いたボバは、「死んだら俺は大損だ」と意見し、帝国による補償を確約させることに成功。誰もが恐れるベイダー相手でも一歩も引かない交渉力を見せつけます。

　タトゥイーンの犯罪王ジャバ・ザ・ハットの宮殿にハンを届けたボバは、続く『スター・ウォーズ エピソード6／ジェダイの帰還』で、ジャバに処刑される寸前に反撃に出たルーク・スカイウォーカーと対決。喰らわれば1000年かけて消化されるという怪物サルラックの穴の上で戦いに挑みますが、ハンがたまたま彼のジェットパックに触れたことでジェットが誤作動を起こし、あらぬ方向に飛ばされ、あろうことかサルラックの口内に落下。銀河一の賞金稼ぎは、皮肉にも父と同じジェットパックの故障をきっかけに、あっけない最期を迎えた……と思われていました。それから約40年、ドラマ「マンダロリアン」でボバ・フェットは復活を遂げます。

40年の無念を晴らす復活！

　「マンダロリアン」は、『ジェダイの帰還』の5年後を舞台に、戦闘集団マンダロリアンの戦士マンドー／ディン・ジャリンと、不思議な力を秘めた特別な子供ザ・チャイルド／グローグーの旅を描くオリジナルシリーズ。2人の心温まる絆の物語、裏社会を描くシリアスな世界観、心躍るアクション、何よりクリエイター陣のスター・ウォーズ愛が支持され、瞬く間にシリーズを代表する人気ドラマとなりました。

　ボバ・フェットは、シーズン2の第1話から登場。アーマーを失いながらも、サルラックから脱出していたことが判明します。ボバを演じるのは、父ジャンゴを演じたテムエラ・モリソン。このサプライズは、世界中の『スター・ウォーズ』ファンの喝采を呼びました。

　ボバ・フェットは、父のアーマーを回収していたマンドーと接触。グローグーの安全の保障を条件にアーマーの交換を求めますが、マンドーはマンダロリアンの教義に従う者以外には渡せないとこれを拒否。交渉決裂かと思われたところ、グローグーの力を狙う帝国軍の残党勢力に襲われ、マンドーと共闘しました。

　戦いの最中、再びアーマーを装着したボバ・フェットは、群がるストーム・トルーパーを一人で圧倒。ジェットパックでさっそうと降り立ち、全身に仕込んだ武器でトルーパーたちをバッタバッタとなぎ倒すアクションは、まさに全ボバ・フェットファンが待ち望んだ瞬間！　さらに、彼のアーマーは、父がマンダロリアンから正式に受け継いだ物であることも判明。ついに正統なアーマーの所有者として認められ、40年分の雪辱を晴らすかのごとく、本格復活を遂げたのです。

　復活したボバ・フェットのカッコよさは、強さにとどまりません。マンドーに 会う前に、重傷を負ってタトゥイーンの砂漠に放置されていた女暗殺者フェネック・シャンドを見つけた彼は、サルラックの中で死を待つだけだった自分を彼女に重ね、命を助けます。ボバ・フェットに恩を感じたフェネックは、彼と共に行動することを決意。金ではなく、恩義で結ばれた強力なパートナーを手にするのです。

　さらにアーマーを取り戻したボバ・フェットの男気溢れる神対応にも注目。グローグーを帝国軍に連れ去られ、船まで破壊されたマンドーに対して、「アーマーを返せば子供の無事を保証する約束だ」と、超カッコイイ理由でグローグー奪還への協力を申し出ます。死の危機を乗り越えた彼は、サルラックに飲み込まれた5年前と比べ、戦士としても人間としても、何倍も成長を遂げていました。

銀河最強の賞金稼ぎは犯罪王になるのか？

　名実共に最強の名にふさわしい戦士として復活したボバ・フェット。激闘を終えた彼が向かったのは、かつて用心棒として仕えた、ジャバ・ザ・ハットの宮殿でした。「マンダロリアン」シーズン2のラストには、宮殿の新たな支配者となっていたジャバの元執事ビブ・フォーチュナを撃ち殺し、ジャバの玉座に座るボバ・フェットの姿が映し出されています。

　果たして、記念すべき単独シリーズとなる「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」では、賞金稼ぎを卒業して、タトゥイーンの新たな犯罪王となったボバ・フェットが見られるのでしょうか。特報映像では、悪党どもに「ジャバは恐怖で支配した。俺は敬意をもって支配する」と語りかけるボバ・フェットが映し出されていますが、そんな穏便に事が進むはずはありません。

　製作総指揮は、「マンダロリアン」を生んだジョン・ファヴローとデイヴ・フィローニ。さらに、ボバ・フェットの復活エピソードを監督したロバート・ロドリゲスも参加します。『スター・ウォーズ』の闇社会で繰り広げられる、悪党どもの仁義なきバトルは、映画とはひと味違った驚きと興奮をもたらすはずです。

「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」はディズニープラスにて12月29日（水）17時より独占配信開始
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