マーベル&DC、2022年も新作映画ラッシュ!注目すべき5つのポイント
日本における2022年のアメコミヒーロー映画は、1月7日公開の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で幕が開きます。2022年もいまだかつてないラインナップとなっている、マーベル&DCの新作映画を一気にご紹介します!(文:杉山すぴ豊)(編集部更新:1月6日)
2022年の主な新作映画ラインナップ
まず、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』以降に公開される2022年のマーベル&DC新作映画を、全米公開日のスケジュール順でまとめました。混乱を防ぐため、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)、ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)、DCコミックス(DC)と分類しています。
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』3月4日全米公開(日本は3月11日、DC)
『TENET テネット』のロバート・パティンソンが若き日のバットマンを演じる。監督は『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』のマット・リーヴス。
『モービウス』4月1日全米公開(SSU)
DC映画『スーサイド・スクワッド』のジョーカー役で知られるジャレッド・レトーが、ヴァンパイアヒーローを演じる。もともとはスパイダーマンのコミックに登場するキャラクター。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』5月6日全米公開(日本は5月予定、MCU)
ベネディクト・カンバーバッチが魔術師を演じる『ドクター・ストレンジ』の続編。エリザベス・オルセンふんするワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチも登場する。
『DCリーグ・オブ・スーパーペッツ(原題)』5月20日全米公開(DC)
スーパーマンの相棒クリプトなど、ヒーローたちのペットが活躍するCGアニメーション。ドウェイン・ジョンソン、ケヴィン・ハートらが声優を務める。
『ソー:ラブ・アンド・サンダー(原題) / Thor: Love and Thunder』7月8日全米公開(MCU)
クリス・ヘムズワース主演の『マイティ・ソー』シリーズ第4弾。ナタリー・ポートマン演じるジェーンが女性版ソーとなる。
『ブラック・アダム(原題) / Black Adam』7月29日全米公開(DC)
ドウェイン・ジョンソンがDCコミックスきってのアンチ・ヒーローを演じる。監督は実写版『ジャングル・クルーズ』でドウェインとタッグを組んだジャウマ・コレット=セラ。
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(パート1)(原題) / Spider-Man: Across the Spider-Verse (Part One)』10月7日全米公開(SSU)
アカデミー賞を受賞した大ヒットアニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編。
『ザ・フラッシュ(原題) / The Flash』11月4日全米公開(DC)
エズラ・ミラーふんするフラッシュの単独映画。時空を超え、マイケル・キートン演じるバットマンが登場する。
『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー(原題) / Black Panther: Wakanda Forever』11月11日全米公開(MCU)
大ヒットマーベル映画『ブラックパンサー』の続編。亡くなったティ・チャラ役チャドウィック・ボーズマンさんの代役は立てずに製作されている。
『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題) / Aquaman and the Lost Kingdom』12月16日全米公開(DC)
ジェイソン・モモアが主演を務めたDC映画『アクアマン』の続編。前作に引き続きジェームズ・ワン監督がメガホンを取る。
タイトルを見ただけでもワクワクしてきますよね! 次に注目すべき5つのポイントを挙げてみましょう。
1:マルチバース
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも描かれるマルチバース。アメコミにおけるパラレルワールド的な設定ですが、このマルチバースに主軸をおいた作品が3本封切られます。ズバリ、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(パート1)(原題)』『ザ・フラッシュ(原題)』です。MCU、SSU、DCがいずれもこの題材をテーマにしていることが面白いですね。
このマルチバースという設定は、その世界ごとに様々なバージョンのヒーローがいるという面白さがあります。そして時空を超えてそうしたヒーローやヴィランたちが共演する楽しさもある。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では過去のスパイダーマン映画の世界はMCUとマルチバースの関係という設定で、それ故、過去作のヴィランたちが時空を超えてやってきます。今度の『ドクター・ストレンジ』続編では“もしもスティーブ・ロジャースではなくその恋人ペギー・カーターが超人血清を打ったら”という別世界から、超人兵士キャプテン・カーターがやってくるとも噂されています。(演じるのはヘイリー・アトウェル)。また『ザ・フラッシュ(原題)』では、ベン・アフレックのバットマンが活躍する映画『ジャスティス・リーグ』の世界と、マイケル・キートンがバットマンを演じる映画『バットマン』の世界がつながるらしい。これからのアメコミヒーロー映画において、マルチバースは重要なキーワードなのです。
2:アンチヒーローが主役
SSUの『モービウス』、DCの『ブラック・アダム』はいずれもコミックではヒーローではなくヴィランです。こうしたヒーローらしからぬキャラクターをアンチヒーローとしてメインに据えるというのは、『ヴェノム』や『スーサイド・スクワッド』、また事実上の主役がサノスだった『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』路線の映画というわけですね。また、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』もバットマンが犯罪者に対して容赦ない、極めて凶暴な自警団員として描かれる模様で、今までのような“ヒーローとしてのバットマン”ではなくダークヒーローとしてのバットマンになりそうです。
3:マーベルvsDC、海のヒーロー対決
ブラックパンサーを演じたチャドウィック・ボーズマンさんの逝去という悲しみを乗り越え、続編『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエヴァー(原題)』が作られることになったわけですが、ボーズマンさんの代役は立てられないため、物語においてもティ・チャラが何らかの理由でこの世を去った後のワカンダが描かれると見られます。噂では、マーベル・コミックで活躍する海のヒーロー、サブマリナーことネイモアが登場すると言われており、ネイモア率いる海底王国アトランティスとワカンダの衝突が描かれるかも?
それにしても、アトランティスの王で海底王子ってどこかで聞いた設定ですよね。まさしくDCのアクアマン! 2022年は『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題) 』も公開されます。実はマーベルにはネイモア、DCにはアクアマンという似たヒーローが存在しているんです(コミック史においてはネイモアの方が先にデビューしてますが)。もし『ブラックパンサー』続編にネイモアが登場するとすれば、11月にマーベル、12月にDCの海のヒーローがスクリーンで大暴れするというわけです。
4:アニメーションも忘れずに!
アメコミヒーロー作品は実写映画が多いですが、『ベイマックス』(実はこれマーベル原作です)や『スパイダーマン:スパイダーバース』のようなアニメーション映画の傑作もあります。今年はDCがスーパーヒーローたちのペットを描く『DCリーグ・オブ・スーパーペッツ(原題)』を公開します。スーパーマンの飼い犬であるスーパー犬クリプトの声をドウェイン・ジョンソンが演じ、スーパーマン役はジョン・クラシンスキーが担当。さらに、『マトリックス』シリーズのキアヌ・リーヴスも声で出演する大作です。
5:史上最多!? 4人のバットマンが登場
2022年は、いまだかつてないぐらいバットマンがスクリーンに登場しそうです。『THE BATMAN-ザ・バットマン-』でロバート・パティンソンが演じる若きバットマン、マルチバースが採用される『ザ・フラッシュ(原題)』ではベン・アフレックとマイケル・キートンのバットマンが登場。さらにアニメーション映画『DCリーグ・オブ・スーパーペッツ(原題)』にはバットマンにゆかりのある猟犬エースが登場するので、なんらかの形でバットマンも登場するでしょう。つまり、4人の異なるバットマンの勇姿がスクリーンで見れちゃうわけです。ちなみに、MCU映画『ソー:ラブ・アンド・サンダー(原題)』では、『ダークナイト』3部作でバットマンを演じたクリスチャン・ベールがヴィランを演じており、バットマンファンにとっては嬉しい1年になりそうです。
2020年がコロナで多くのアメコミヒーロー映画が公開されなかったことを考えると、2022年は1~2か月おきぐらいに新作が公開される状況です。さらに、2023年にも多くのアメコミ作品が公開されますし、動画配信サービスで映画と連動したドラマシリーズも続々と配信予定。アメコミヒーロー映画の勢いは止まるどころか、さらに盛り上がりをみせてくれそうです。
杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)プロフィール
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画についての情報をさまざまなメディア、劇場パンフレット、東京コミコン等のイベントで発信。現在「スクリーン」「ヤングアニマル嵐」でアメコミ映画の連載あり。サンディエゴ・コミコンも毎年参加している。来日したエマ・ストーンに「あなた(日本の)スパイダーマンね」と言われたことが自慢。