まさかの展開！ついにユージーンが怪しいコミュニティーの裏側を…
今週のウォーキング・デッド
一見、誰もが幸福に暮らしているように見える巨大コミュニティー、コモンウェルスだが、前話でいくつかの問題が見えてきた。今回は、さらにこの集団の裏に隠されていた側面が見えてくる!?（平沢薫）
※ご注意 この記事は「ウォーキング・デッド」シーズン11についてのネタバレが含まれる内容となります。視聴後にお読みいただくことをおすすめします。
今週のウォーキング・デッド～シーズン11第11話
前話に続き、ドラマの舞台はコモンウェルス。前話のパーティーで知事を糾弾した元兵士はどうなったのか。そして、前回は登場しなかったユージーン（ジョシュ・マクダーミット）が、今はどんな状況になっているのか。それらが描かれて、コモンウェルスの裏の顔がまた少し見えてくる。
その中で驚愕なのが、ユージーンのドラマ。彼は今シーズン第7話で兵士たちに連れ去れたが、その後、どうなったのかが判明。兵士たちに尋問されたがアレクサンドリアの情報は漏らさず、無線の交信相手ステファニー（シェル・ラモス）と恋人同士になっていた……と思ったら、彼女は失踪。ユージーンの捜査により、彼女はユージーンから情報収集するための諜報員だったことがわかる。ユージーンも推測していたようだが、やはり衝撃的。しかし、なんと、この出来事はそれだけでは終わらない！
ラストでユージーンに「無線で話していたのはわたし」と話しかける別の女性ステファニー・ベガ（マーゴット・ビンガム）が登場して、さらに衝撃度がアップ。しかも彼女は、前話で元兵士タイラー（キャメロン・スコット・ロバーツ）の人質になっていた女性。そして兵士のリーダー、マーサー（マイケル・ジェームズ・ショウ）の妹でもある。彼女はなぜユージーンに接近してきたのか？ これからユージーンがどう行動するのか目が離せない。
もう一人、捜査を始めるのが、ジャーナリストの本業に戻ったコニー（ローレン・リドロフ）。彼女は、前話のパーティーで知事を糾弾して逮捕された元兵士タイラーが知事に何をされたのかを知るため取材しようとするが、上司が却下。しかし、コニーの自宅には、タイラーの名前も入った謎の人名リストが届く。これはタイラーと同じ被害者のリストなのか？ 誰が送ってきたのか？ 一方、入院中のタイラーは何者かによって所在不明になり、それを知ったマーサーは激怒。彼が今後のコニーの調査に協力する可能性もありそうだ。
と、今回のストーリーを振り返ると、やはりこのシーズンのドラマは、これまでの「ウォーキング・デッド」とはかなりタイプが違う。今シーズンは、見えない敵の正体を探っていく、謎解きミステリーの要素も楽しめそうだ。
そして、最初からうさんくさかったが、さらに怪しい人物になってきているのが副知事ランス・ホーンズビー（ジョシュ・ハミルトン）。コミュニティーの外部と取引をしているが、その相手がまるで麻薬組織のよう。また、ユージーンからの情報収集作戦も彼が指揮しており、コモンウェルスのヤバイ面にはこの人物が絡んでいそうな気配。
この役を演じるジョシュ・ハミルトンは、ドラマ「13の理由」（2017～2020）で主人公の男子高校生クレイの理解ある父親を演じた俳優。映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』(2018)では、YouTuberである13歳のヒロインのシングル・ファーザー役で、娘にまっすぐ向き合って自分の自信のなさを語り、デトロイト映画批評家協会賞助演男優賞を受賞。数々の映画賞にノミネートされた演技派だ。
さて、そんなドラマの中にも、必ずウォーカーと戦うシーンがあるのも、本シリーズの魅力。今回はマーサーが、ウォーカーの頭部をザックリ2つに割り、その間から彼の顔が見えるという構図がカッコイイ。ちなみに今回の監督は、シーズン4から登場した赤毛の元軍人エイブラハムを演じたマイケル・カドリッツ。彼は本作シーズン9第7話で初監督を務め、シーズン10第4話と第7話、そして今話を監督している。
それにしても、回を重ねるたびに、その実態が怪しくなってくるコモンウェルス。ユージーンやコニーはこの集団の何を発見するのか。今回は比較的静かな回だったので、次回は何か重大な事件が起きそうな予感がする。