マギーの不信感がMAXに!最終話に向けて事態が加速
今週のウォーキング・デッド
コモンウェルスの兵士たちと共同住宅の住民たちの戦闘は、さまざまなところに影響を与えていく。コモンウェルスの副知事ホーンズビーは、これからどう動く!? 一方、コモンウェルスの内部でも新たな動きが!(平沢薫)
※ご注意 この記事は「ウォーキング・デッド」シーズン11についてのネタバレが含まれる内容となります。視聴後にお読みいただくことをおすすめします。
今週のウォーキング・デッド~シーズン11第15話
前話の共同住宅での事件は、やはりそのままでは終わらなかった。この出来事について、アーロン(ロス・マーカンド)とゲイブリエル(セス・ギリアム)が、コモンウェルスの副知事ホーンズビー(ジョシュ・ハミルトン)に報告するが、彼は2人の言葉を信じようとはせず、そこから思わぬ余波が広がっていく。
この「信じる」が、この第15話のキーワード。「信じる」の英語「トラスト」はエピソード・タイトルにもなっている。ホーンズビーは最初から最後まで、誰の言葉も信じない。それと対比的に、2つの「信じる」をめぐる物語が描かれる。
1つ目は、ホーンズビーが兵士たちにヒルトップを強行捜査させようとした際のこと。ダリル(ノーマン・リーダス)は、兵士と住民との戦いを避けるためマギー(ローレン・コーハン)に協力を求め、マギーがホーンズビーを信じるのかと問うと、「彼は信じなくていい、俺を信じてくれ」と言う。もう1つは、エゼキエル(カリー・ペイトン)の依頼でユミコ(エレノア・マツウラ)の兄トミ(イアン・アンソニー・デイル)が病院外で極秘に行った手術中、患者の患部が破裂して病院への移送が検討された時。トミーはそのまま手術を続行することを主張し、エゼキエルに「僕を信じてくれ」と言う。どちらも、相手は「信じる」が、結果はまったく別のものになる。
トミーの手術は成功し、エゼキエルの彼への信頼は高まって、問題なし。だが、マギーのダリルへの信頼は、ホーンズビーの行動によってありがたくない結果をもたらす。ホーンズビーは、誰もいないところでマギーの息子ハーシェル(キエン・マイケル・スピラー)を問い詰め、それが発覚して、マギーのホーンズビーへの不信感は決定的になる。また、ホーンズビーは、彼が共同住宅で拾った帽子がハーシェルにぴったりだったことから、マギーが事件に関わっていたことを確信し、マギーは自分の敵だという考えが決定的になる。
このホーンズビーの認識が、ラストシーンのサプライズに結びつく。兵士たちに囲まれて逆に彼らを倒した元“収穫者”のリア(リン・コリンズ)に、ホーンズビーが申し出る「君に仕事を与えたい」の「仕事」とは、きっとマギーに関わることだろう。リアがこんな形で関係してくることになるとはサプライズ。ということは、これから、最強女性vs最強女性の戦いが繰り広げられるのか!? シーズン10での最強女性2人、キャロル(メリッサ・マクブライド)と囁く者のリーダー、アルファ(サマンサ・モートン)との激闘を思い出さずにはいられない。マギーとリアは、どちらも戦闘能力が優れているので、キャロルとアルファとは違う、より直接的な戦いになるのかもしれない!?
そんなストーリーの大きな動きと並行して、今回は心が温かくなる愛のドラマもたっぷり。まず、コモンウェルスの兵士のリーダー、マーサー(マイケル・ジェームズ・ショウ)とプリンセス(パオラ・ラサロ)。プリンセスが実は大変な過去を持っているのはシーズン10第20話「破片」で判明済みで、確かに彼女ならマーサーの重い話の相談相手になれそう。そして、ユージーン(ジョシュ・マクダーミット)と無線相手ステファニーこと本名マックス(マーゴット・ビンガム)、エゼキエルとキャロルにも、お互いの気持ちを確認する名シーンあり。これも「信じる=トラスト」についての物語だ。
また今回は、コモンウェルスの諸問題の解決していくための3つの対応策が提示された。1つ目は、マックスが主張したように、人々に信頼されるマーサーが真実を語って人々を導くこと。2つ目は、ロジータ(クリスチャン・セラトス)が希望したように、コニー(ローレン・リドロフ)たちジャーナリストが、この集団の実態を報道すること。これに関連して、第10話で何者かがコニーに渡したリストが、失踪者たちの名簿らしいことも見えてきた。そして3つ目は、エゼキエルの違法医療活動のように、上層部には隠して、自分たちで理想とするシステムを作ること。これらの動きが、コモンウェルスを変えていくのかもしれない。
気づけば、かつては登場人物たちが、今日、生き延びられるかどうかに賭けていたこのドラマが、こんなところまできてしまったとは。このシリーズは、いったいどこまで行くのか。ともあれ次回は、今期配信分の最終話。どんなラストになるのだろうか。