ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」大胆予想 オビ=ワンvsダース・ベイダー、世紀の再決闘なるか
映画『スター・ウォーズ』の大人気キャラクター、オビ=ワン・ケノービを描く新作ドラマシリーズ「オビ=ワン・ケノービ」が、5月27日よりディズニープラスで配信される。ユアン・マクレガー演じるオビ=ワン、そしてヘイデン・クリステンセンが再演するダース・ベイダーは、再びライトセイバーを交えることになるのか? 現時点で判明している情報をもとに考察する。 (平沢薫)
舞台はエピソード3の10年後!現状判明している情報
ドラマの舞台は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』から10年後で、エピソード4にあたる『スター・ウォーズ/新たなる希望』の約9年前。オビ=ワンが、惑星タトゥイーンの砂漠で隠遁生活を送りながら、約10歳になったルーク・スカイウォーカーの成長を密かに見守っていた時期の出来事が描かれる。
主な登場人物も、『シスの復讐』から引き続き登場するキャラクターが多数。オビ=ワン・ケノービ、ダース・ベイダー/アナキン・スカイウォーカー、ルークを育てるアナキンの義兄オーウェン・ラーズとその妻ベルーを、当時と同じ俳優が再演する。幼いルーク役には、ドラマ「CREEPSHOW/クリープショー」のグラント・フィーリーが抜てきされた。
監督は、大好評のスピンオフドラマ「マンダロリアン」に参加したデボラ・チョウ。音楽はマーベルドラマ「ロキ」のナタリー・ホルトが担当しており、オビ=ワンのテーマは、シリーズに長年携わった巨匠ジョン・ウィリアムズが担当している。予告編でも、ウィリアムズが生み出したお馴染みの音楽が流れており、登場人物の顔ぶれ、監督、音楽担当からも、本作がこれまでの映画三部作直系のいかにも『スター・ウォーズ』らしい物語になりそうな予感がしてくる。
実写版初登場のキャラクター・尋問官
登場人物面でもう一つ注目なのが、アニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」に登場した尋問官の実写化だ。リーダーである大尋問官役は、『永遠の門 ゴッホの見た未来』のルパート・フレンド、女性尋問官レヴァ役はドラマ「クイーンズ・ギャンビット」のモーゼス・イングラム、尋問官フィフス・ブラザー役は『ワイルド・スピード』シリーズのハン役で知られるサン・カン。三人も登場するところを見ると、今回のドラマでは尋問官たちが大きな役割を果たすのではないか。
尋問官とは、オーダー66(銀河帝国皇帝による全ジェダイ抹殺指令)で生き残ったジェダイの残党を抹殺する組織のこと。彼らは皆フォース感応者で、中にはかつてジェダイだった人物もいる。尋問官はダース・ベイダーの下でフォースの暗黒面を訓練し、ダース・モールのような赤い光を放つ両刃のライトセーバーを回転させながら戦う。
アニメで彼らが登場すると、必ず勃発するのがド派手なライトセーバーバトル。ジェダイの生き残りであるオビ=ワンは、尋問官たちの標的だが、オビ=ワンはルークの成長を見守るために、彼らに抹殺されるわけにはいかない。尋問官と遭遇してしまったら、過激なライトセーバーバトルが始まることは必至だろう。となると、尋問官たちを倒した後は、彼らの師匠的存在であるダース・ベイダーと一戦を交えないわけにはいかないだろう。
ダース・ベイダーの心理から考察
全ジェダイの抹殺は皇帝による指令だが、ダース・ベイダーはこの指令に従いつつ、個人的にオビ=ワンの抹殺を目指していてもおかしくないのではないか。というのも、『シスの復讐』のクライマックス、惑星ムスタファーで二人が戦った時、アナキン/ベイダーはオビ=ワンに対して強い怒りを抱いていた。
まずアナキンは、愛するパドメの乗ってきた宇宙船から、密航してきたオビ=ワンが降りて来るのを確認し、誤解して「裏切ったな。僕を殺すために連れてきた」と激高。フォースの力で彼女の首を締めて気絶させると、オビ=ワンとの直接対決に挑む。オビ=ワンは戦いの途中、アナキンに「お前の教育を誤った。私のミスだ」と言うが、アナキンは耳をかさず、戦いに敗れた後も「アンタが憎い」と放つ。オビ=ワンは「弟だと思っていた。愛していた」と言うが、アナキンの返答はなく、その場を去るしかなかった。
このアナキンの怒りは、ダース・ベイダーとして復活した後にさらに強くなった可能性がある。そもそもアナキンがダース・シディアスの弟子になったのは、愛するパドメを死から救うためでもあったのに、師からは告げられたのはパドメの死だった。この時のアナキンの絶望が、オビ=ワンへの怒りに変わったのではないだろうか。
ドラマの時代はこの出来事の10年後だが、ベイダーの怒りが収まったとも思えない。ベイダーがドラマに登場する以上、因縁の相手であるオビ=ワンとの再戦は避けられないのではないか。
二人の再会は、正史を変えるのか?
以上の理由から、オビ=ワン・ケノービとダース・ベイダーの世紀の再決闘が描かれる可能性は大きい。もしそうなれば、『スター・ウォーズ』の歴史に新たな出来事が加わることになる。だが、そうなっても『新たなる希望』でオビ=ワンとベイダーが最後の対決をするという歴史が変わることはない。
そして、久々に再会した2人が互いに語りかける名言の数々、ベイダーの「待っていたぞオビ=ワン・ケノービ。やっと再会できたな。これで全ての幕が閉じる」「力が衰えたようだな」という言葉も、オビ=ワンの「わしには勝てんぞ。たとえ倒しても、わしは無限の力を与えられて蘇るのだ」という言葉も変更の必要はない。ただしこれらの言葉には、これまで以上に重さと深さが込められることになるだろう。二人の邂逅が『スター・ウォーズ』の歴史に与える意義も、このドラマの見逃せないポイントになりそうだ。
「オビ=ワン・ケノービ」は5月27日16時よりディズニープラスにて独占配信開始(初回は2話同時配信)
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