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【ネタバレ】「オビ=ワン・ケノービ」第5話レビュー&解説 過去と現在、2つの戦いが重なる

 全6話のドラマ「オビ=ワン・ケノービ」も、すでに第5話へ突入。尋問官の要塞を脱出したオビ=ワンとレイアたちは、帝国軍から逃げる人々の中継地点、惑星ジャビームに到着するが、そこに尋問官リーヴァの追跡が迫る。この危機にオビ=ワン・ケノービはいかにして立ち向かうのか。(文・平沢薫)

※この記事は「オビ=ワン・ケノービ」のネタバレを含みます。5話までの視聴後にお読みいただくことをおすすめします。

過去と現在の戦い

 この演出は、どの作品でも可能なわけではないだろう。第5話では、過去のオビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)とアナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)の戦いを描く回想シーンと、現在の戦いを重ねて描くことで、それが同質のものであることを示すと共に、対峙する2人の性格描写にもなっている。

 過去の戦いは、師と弟子であるオビ=ワンとアナキンの手合わせ。アナキンが、まだジェダイの弟子パダワンの髪型であることから、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』の頃の描写だとわかる。一方、現在の戦いは、オビ=ワンとダース・ベイダーとなったアナキンの攻防。劇中で交互に描かれるこの戦いは、2人の本質が今も変わっていないことを痛感させる。また、2人が同じ過去を振り返っているようにも見えて、今も彼らの心がどこか通じ合っているのではないかとも想像させられてしまう。

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ついにあの名セリフが登場

 そんな2人のドラマを描きつつ、今回もオマージュが満載。シリーズに必ず登場する名セリフ「フォースと共にあらんことを」は、帝国軍の追撃から逃げる人々を助けるターラ(インディラ・ヴァルマ)の最後の言葉に。このセリフはジェダイではない人物が言うことも多く、『スター・ウォーズ/新たなる希望』(エピソード4)でも、デス・スター攻撃作戦の説明後で反乱軍の指揮官が言い、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)も基地を去る際にルーク(マーク・ハミル)に言っていた。

 また、オビ=ワンのセリフにも注目。彼が一人でベイダーと対決しようとした時、ローケン(オシェア・ジャクソン・Jr)に「武器を持たずにどう戦う?」と聞かれて言う「字幕:やり方はある/直訳:戦いには別のやり方がある(There are other ways to fight)」は、彼自身のエピソード4のセリフにそっくり。ミレニアム・ファルコンがデス・スターの牽引ビームから逃げられなくなった時、ハン・ソロが「戦うしかない」と言うと、オビ=ワン(アレック・ギネス)は「字幕:別の手を考えよう/直訳:戦いには別のやり方がある(There are alternatives to fighting)」と言っていた。オビ=ワンの武力衝突だけが最善だと思わない姿勢は変わっていないのだ。

 そして、今回も過去作のシーンを連想させる場面あり。脱出しようとする巨大宇宙船をダース・ベイダーがフォースで引き寄せる場面は、ゲーム「スター・ウォーズ フォース アンリーシュド」に似たシーンがあり、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(エピソード9)で、レイ(デイジー・リドリー)とカイロ・レン(アダム・ドライヴァー)がフォースで輸送船を引き合うシーンも連想させる。

 他にも、仲間を脱出させる時間を稼ごうとしたオビ=ワンが一人で尋問官リーヴァ(モーゼス・イングラム)に投降する行動は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(エピソード8)で、仲間たちが逃げる時間を稼ぐためカイロ・レンの前に出現したルークを思い出させる。また、第3話から登場した運搬用ドロイドNED-Bが、主人であるターラ(インディラ・ヴァルマ)を救おうと犠牲になる場面は、「マンダロリアン」の第8話で、ドロイド・IG-11がグローグーを救うために自爆したことを想起させる。魅力的なドロイドたちも『スター・ウォーズ』の定番だ。

 ターラの思い出話に出てくる惑星ガレルはアニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」でエズラたちが行った惑星。オビ=ワンが通信に使うホロプロジェクターは、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』で彼の師匠クワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)が使っていたものとそっくり。ローケンが戦闘で使う武器は、旧三部作でチューバッカが使ったウーキーの伝統的武器ボウキャスターだ。

 そして、ジャビームの基地には見たことのあるエイリアンたちが。旧三部作だけでなくドラマ「マンダロリアン」「ボバ・フェット」にも登場したトランドーシャンやニクトに加え、比較的新顔の種族たちも。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(エピソード7)に登場した長いヒゲが特徴的なターサント、エピソード9に登場したモグラっぽい容姿のタルピディアンの姿が確認できる。

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尋問官リーヴァの過去が明らかに!

第1話よりオーウェン・ラーズに迫る尋問官リーヴァ。オビ=ワンを執拗に追っていた彼女の過去が明かされる

 今回は、第1話から因縁を匂わせてきた、尋問官リーヴァの過去がついに判明。オビ=ワンではなく、ベイダーに関係があったというサプライズが明かされる。オーダー66(皇帝によるジェダイ抹殺指令)のもと、アナキンがジェダイ寺院で襲撃した子供たちの一人が彼女だったのだ。オビ=ワンは「お前のパダワンだろ?」「お前はあの時、どこにいた?」と責められ何も言えなくなるが、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で描かれている通り、彼はその時、遠く離れた辺境の惑星ウータパウで、共和国の敵グリーヴァス将軍を追っていた。オーダー66が発令されたのは、この戦いの最中のことだった。

 さて今回のエピソードは、眠りにつく少年ルーク(グラント・フィーリー)のカットで幕を閉じる。次回、最終話の舞台はやはりタトゥイーンになりそうだ。レイアの父オーガナ(ジミー・スミッツ)がタトゥイーンに向かうことを知ったオビ=ワン、彼を追うベイダー、そして、ホロプロジェクターでその情報を知ったリーヴァもこの惑星に向かうのではないか。そこで何が起きるのか。この物語の結末を見届けないわけにはいかない。

「オビ=ワン・ケノービ」はディズニープラスにて独占配信中
(C)2022 Lucasfilm Ltd.

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