ジブリパーク徹底ガイド!見どころはココ
発表から5年の歳月をかけ、いよいよ2022年11月1日にジブリパークがオープンします。第1期に開園するのは「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」の3エリア。その見どころを徹底解説します。(編集部・市川遥)
※一般のご来園者は撮影できないエリアがあります
ジブリパークとは?
「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内にある、スタジオジブリの世界を表現した公園。大きなアトラクションや乗り物はなく、森や道をそのままに、自分の足で歩いて、風を感じながら、秘密を発見する場所です。
ジブリパーク制作全体の指揮と監修にあたっている宮崎吾朗監督いわく、宮崎駿監督が長編作品から引退すると宣言したことがきっかけの一つとなり(※引退は後に撤回)、ジブリのいろんなものをぎゅっと詰め込み、ジブリ作品を忘れられないようにしたいという思いから誕生しました。
アクセス
ジブリパークは来園者に公共交通機関の利用を推奨しています。
■電車
「名古屋駅」から地下鉄東山線で「藤が丘駅」下車(約28分)。リニモ「藤が丘駅」から「愛・地球博記念公園駅」下車(約13分)すぐ
■バス
・名古屋駅・名鉄バスセンター4階24番のりば
「愛・地球博記念公園(ジブリパーク)」行き
・中部国際空港第一ターミナル
「藤が丘」経由「愛・地球博記念公園(ジブリパーク)」行き
チケット
ジブリパークのチケットは日時指定の予約制。購入はオンラインチケット販売サイト「Boo-Woo(ブーウー)チケット」や、全国のローソンやミニストップ店頭の「Loppi(ロッピー)」より可能です。
・「ジブリの大倉庫」
平日:大人2,000円 子ども(4歳~小学生)1,000円
土日祝日:大人2,500円 子ども(4歳~小学生)1,250円
・「青春の丘」
大人1,000円 子ども(4歳~小学生)500円
・「どんどこ森」
大人1,000円 子ども(4歳~小学生)500円
ジブリの大倉庫
「ジブリの大倉庫」はパークのメインエリア。一つの巨大な施設の中に、映像展示室をはじめ、三つの企画展示、ショップやカフェなど、ジブリの豊富な作品群がぎゅっと詰め込まれています。この入口をくぐれば、ジブリの世界が現実に!
色鮮やかなタイルで彩られた中央階段。見上げれば、『天空の城ラピュタ』のオープニングに出てくる空飛ぶ巨大な船がゆっくりと飛んでいます。
タイルに目を凝らせば、ジブリにまつわるいろいろなキャラクターが。
オリヲン座は席数約170の映像展示室。「三鷹の森ジブリ美術館」だけで上映されているスタジオジブリ制作の短編アニメーション全10作品が順番に上映されます。開園時の上映作品は『くじらとり』です。
オープン当初の企画展示は、スタジオジブリとジブリ作品の入門編といえる「ジブリのなりきり名場面展」「『食べるを描く。』増補改訂版」「ジブリがいっぱい展」の3つ。
「ジブリのなりきり名場面展」は、ジブリ作品の登場人物に成り切り、名場面の中に入り込める体験型の展示です。『千と千尋の神隠し』のカオナシと一緒に電車に乗れたり、
『紅の豚』のポルコとフィオを懸けたタイマンを張れたり、
『天空の城ラピュタ』でシータを救出に向かうパズー体験ができたり、
『崖の上のポニョ』のポニョと一緒に宗介を追いかけられたりします。この他『コクリコ坂から』『おもひでぽろぽろ』『かぐや姫の物語』『風立ちぬ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『海がきこえる』『ゲド戦記』『もののけ姫』『思い出のマーニー』の展示も。
「『食べるを描く。』増補改訂版」(2023年11月まで開催予定)はその名の通り、三鷹の森ジブリ美術館で2017年~2018年に開かれた展示会「食べるを描く。」の増補改訂版。ジブリ作品に出てくる食べ物はなぜこんなにもおいしそうなのか、その秘密をひも解く展示になっています。
新たに追加になったのは、『千と千尋の神隠し』『コクリコ坂から』『アーヤと魔女』の3作品の資料です。『千と千尋の神隠し』の屋台や豚になってしまった両親の展示も!
「ジブリがいっぱい展」(2023年11月まで開催予定)では、世界中から集めたジブリ作品のポスターなどを一堂に展示。スタジオジブリの打ち合わせスペースを再現した「トトロ・バー」では、スタジオを訪れた気分が味わえます。
天空の庭は、『天空の城ラピュタ』に登場する廃墟となった庭園。高さ4メートルのロボット兵が主の帰りをじっと待っています。
にせの館長室は、ジブリの大倉庫の“にせ館長”である『千と千尋の神隠し』の湯婆婆が一心不乱に働いている場所。
にせの館長室の裏手にはハクや大量の紙の人型も!
どっちの道に進もうかな? 南街(みなみまち)はちょっと『千と千尋の神隠し』風で、懐かしい気分になれる商店街。書籍を取り扱う「熱風書店」、模型を集めた「大空模型」、「駄菓子 猫かぶり姫」があり、実際に商品を購入することもできます。
『借りぐらしのアリエッティ』の小人たちの目線で世界を見ることができる床下の家と小人の庭。見慣れた草花がこんなに大きい!
子どもの街は、スタジオジブリがある東京・小金井市周辺のちょっと昔の街並みや乗り物などをモチーフにした、子どもたちのための遊び場。
中には『となりのトトロ』の世界を表現したネコバスルームがあり、カラフルなネコバスに乗ることができます(小学生以下)。
『コクリコ坂から』に登場する「カルチェラタン」の一角にある哲学研究会。
公開倉庫は巨大な倉庫。
中には、三鷹の森ジブリ美術館の企画展示や、国内外の展覧会で展示した制作物・造形物がずらり。
ジブリの大倉庫ショップ 冒険飛行団では、ジブリ作品に関連するグッズに加え、ジブリパークオリジナルの商品もそろっており、お土産にぴったり。
ジブリの大倉庫を探検した後、翼を休めることができるのがカフェ 大陸横断飛行。
長距離飛行のパイロットが操縦しながら片手で取る食事をイメージしたサンドイッチには、宮崎駿監督が描いたオリジナルイラストの旗が立っています。
旗は全部で12種類!
『風立ちぬ』に登場したカステラであんこを挟んだお菓子「シベリア」が食べられるミルクスタンド シベリ・あん。
愛知県産の牛乳はオリジナルデザインの瓶で提供されています。
青春の丘
ジブリの大倉庫から徒歩5分の距離にあるのが「青春の丘」。『耳をすませば』の舞台の一つである地球屋、『猫の恩返し』に登場した猫の事務所、既存のエレベーター施設を改装したエレベーター塔の3つから構成されるエリアです。
『天空の城ラピュタ』や『ハウルの動く城』に代表される19世紀末の空想科学的な世界観を基にしたデザインが目を引くエレベーター塔。愛・地球博記念公園の北口広場近くにあり、誰でも利用できます。
『猫の恩返し』に登場する猫の事務所は、“猫サイズ”で建てられた木造平屋の建物。赤い郵便受けの中にあるものは……? 郵便受けに限らず、引き出しなど、実際に開けて中を見てみることができるのもジブリパーク探索の醍醐味です。
窓から中をのぞき込めば、バロンとムタがくつろぐ姿を見ることができます。
『耳をすませば』で主人公・月島雫が偶然たどり着いた、アンティーク家具や時計の修理・販売を行う店・地球屋。地球屋の前には、劇中と同じロータリー広場とヒマラヤスギまであり、『耳をすませば』の世界に実際に足を踏み入れた気分に。
聖司君のサドルが高い自転車にジャケットも! 聖司君が雫を案内した、1階に続く階段も降りることができます。
メインの入り口から入れば、そこは2階。アンティーク家具や機械仕掛けのからくり時計、人形や木馬などが置かれています。からくり時計はその針が00分と30分を指すと、劇中同様動き出し、悲恋の物語を見ることができます。ちなみに、ここの時計はわざと5分遅れにしてあるそうです。
中央にはバロンが鎮座。キラキラの瞳をのぞき込むこともできます。地球屋でははがきや切手の販売を行っており、それらを購入してロータリー広場の郵便ポストから手紙を出すこともできます。
1階は聖司君が見習いとしてバイオリン制作を学んでいた工房。楽器もそろっており、今にも「カントリーロード」の音楽が聴こえてきそう!
バイオリン制作について細かに書かれた手書きのノートも。
裏手から見た地球屋。テラスからは愛・地球博記念公園を見渡せます。
地球屋を見学し終わって青春の丘から出る際には、雫が夢の中で迷い込んだ鉱山を通り抜けます。
愛・地球博記念公園の園内各所に新たに設置されたベンチのうち15基には、ジブリ作品に登場するキャラクターが置き忘れたアイテムをモチーフにしたオブジェが置かれています。記念撮影をするも、一緒にぼーっと過ごすもよし!
どんどこ森
ジブリの大倉庫から徒歩20分程度の距離にあるのが、『となりのトトロ』のサツキとメイの家を中心に昭和の景観をイメージしたエリア「どんどこ森」。「どんどこ」は、サツキやメイ、トトロがまいた種の発芽を願って踊る「どんどこ踊り」に由来しています。
サツキとメイの家は『となりのトトロ』の主人公姉妹が暮らす民家。2005年に開かれた愛・地球博(愛知万博)のパビリオンとして建てられたもので、ジブリパークでも引き続き公開されます。劇中の設定に合わせて昭和10年代の建築様式や昭和30年代の生活様式を踏まえ、1年半ほどかけて本物の家として造られました。
サツキとメイが揺さぶっていた“腐ってる”柱も!
靴を脱いで玄関から草壁さん家におじゃまします。
井戸やかまどがある台所。
家族3人で楽しく入っていたお風呂も。
勝手口のすぐそばには井戸が。
お父さんの書斎。書物でいっぱいです。
縁側には下駄とどんぐり!
お父さんの自転車もとめてあります。
家の前にはバス停も。
サツキとメイの家の裏山の山頂へと向かう散策路。山頂までもうすぐ!
山頂にあるのは、トトロを模した高さ約5メートルの木製遊具どんどこ堂です。小学生以下の子どもたちは中に入って遊べます。山には散策路が整備してあり、どんどこ森に広がる豊かな自然を堪能できます。どんどこ森の入り口にある休憩所どんどこ処では飲料品やアメ、傘や帽子、手ぬぐいなど季節に合わせた商品が購入できるほか、山頂にあるどんどこ売店にはおみくじやキーホルダーといったオリジナルのお土産があります。
さらに2023年秋には『もののけ姫』の世界をテーマにした「もののけの里」、2024年3月には『魔女の宅急便』『ハウルの動く城』『アーヤと魔女』など魔女が登場する作品の建物を楽しめるエリアがオープン予定となっています。
(c) Studio Ghibli