ウルトラマンに運命感じた副隊長:宮澤佐江
シネマトゥデイ特撮部
宮澤佐江「ウルトラマンデッカー」(放送中)
特撮作品に出演する魅力あふれるキャストを紹介する「シネマトゥディ特撮部」。今回は、「ウルトラマンデッカー」でGUTS-SELECTの副隊長カイザキ サワを演じている宮澤佐江さんを徹底解剖しました。
【PROFILE プロフィール】
生年月日:1990年8月13日
出身地:東京都
身長:165cm
血液型:O型
趣味・特技:スキューバダイビング、ファッション、字を書くこと
芸歴:2006年にAKB48第二期メンバーとしてデビュー。SNH48、SKE48を経て、2016年にグループを卒業。女優として地球ゴージャスによる「クザリアーナの翼」をはじめ、「王家の紋章」「ピーターパン」など多くの舞台に出演している。来年1月開幕のミュージカル「キングアーサー」ではヒロイン・グィネヴィア役をダブルキャストで務める。
【INTERVIEW 作品について】
Q:2012年公開の映画『ウルトラマンサーガ』ではチームUの戦闘班メンバー・サワを演じられました。その10年後、「ウルトラマンデッカー」での役名が“サワ”であると知った時は運命を感じたのでは?
確かに、感じました! サワという役を観てお声がけいただいたのか、たまたま私に決まった後に カイザキ サワ という役名になったのかはわからないですが、序盤の台本をいただいたときは、結末がどうなるかは誰も知らない状態でした。もしかしたら、10年前の『ウルトラマンサーガ』のサワとどこかでリンクするのかな? と思いながら、毎晩台本を開いていました。
Q:家族や知人でウルトラマンシリーズにハマっている人はいますか?
近くに甥っ子が住んでいて、「ウルトラマンデッカー」の話をしに我が家に遊びに来てくれます(笑)。これまで何かに熱中したことがない4歳で、「ウルトラマンデッカー」にハマったのが人生で初めての経験。このタイミングだったのは偶然で、たまたま私の出演が決まったのと、甥っ子がウルトラマンに興味を持った時期が合致したんです。保育園でウルトラマントリガーのお面をもらったのをきっかけに気になり始めたみたいで、いまはデッカーが大好きです!
Q:カイザキ副隊長を演じるうえで心がけたことは?
副隊長という肩書があり、隊長を支える役回りで新人隊員3人の姉御的存在。そこは常に考えています。過去にアイドルグループに所属していたときにも、リーダーではなく副リーダーや副キャプテンというポジションが多かったです。学生時代もバスケットボール部で副キャプテンをずっと務めていましたし、副〇〇という役回りが得意なんです(笑)。
Q:そうした役回りを求められる理由はなんだと思いますか?
自分でもその立ち位置が好きなんですよね。トップにはなりたくないというか、なれる器ではない気がして。それで誰かをサポートすることに、必然的になったのかもしれません。特に「副隊長だから今回はこうしよう!」というのではなく、自分が経験してきたことを、そのまま活かしてみようと思っていました。
Q:第10話「人と怪獣」では、カイザキ副隊長がデッカーの手の上に乗っていました。
オンエアを見て感動しました。こういうことを監督は想像して、私も想像しながら撮影していたんだなと、出来上がった映像を見て改めて実感しました。なんて素晴らしいプロジェクトに携わっているんだろう……と(笑)。
Q:第5話「湖の食いしん坊」で登場したカイザキ副隊長によるエリー(エレキング)の飼育ビデオ、隅でカンペを持っていたのはムラホシ隊長(黄川田雅哉)だったとお聞きしました。
もともと、台本に隊長がカンペを持つとは書かれていませんでした。あのシーンの直前、私が「私がいたら、絶対に許しませんでした」とムラホシ隊長を怒るんです。そこからつながりを持たせるために、「隊長が持ったほうが二人の関係性が見えるのでは?」と黄川田さんご本人が提案されて、監督も「それ面白いね!」とその場で誕生したシーンでした。
Q:俳優さんからのアイデアを活かす撮影現場だったんですね。
私が提案できていたわけではないので、雅哉さんスゴイなって……。役者さんとして場数を踏んできているからこそ、ひらめくことができるのかと思って尊敬しました。
Q:黄川田さんとはどのようにコミュニケーションを取られていますか?
年齢は10歳くらい上なんですけど、雅哉さんはフレンドリーな方で、大先輩なのに、私が調子に乗って「マブダチ!」みたいな気持ちになっていました。いつも現場にグミを大量に持ってこられるので、「グミおじさんじゃん!」とからかわせていただきました(笑)。
Q:好きな怪獣は?
沢山いるんですよね……。兄が二人いて、子供の頃はウルトラマンが大好きだったので、当時兄が集めていたソフビ人形が100体くらい家にいます。第6話「地底怪獣現わる!現わる!」の台本にツインテールが出てきたときは「あっ!」と思いました。しかも大量だったので、ツインテールの群れコワッて(笑)。今は一周回って好きになったといいますか、群れでいたのが愛おしかったです。エレキングとか、可愛い怪獣もいいですよね。
Q:今後の放送で注目してほしいところは?
バズド星人アガムス(小柳友)が、なぜデッカーのいるこの時代に来ているのか? まだ誰もわかっていない状態ですが、それがどんどん明確になっていきます。それと「ウルトラマントリガー」の マナカ ケンゴ さんが登場した回で、カナタ(松本大輝)に「なんのために戦っているのか?」と問いかけていて、カナタはまだ答えを見つけられていません。その答えが、最終話までに出てくるかもしれません。これから、もっともっと盛り上がっていきます。観てくださるたくさんの方の背中を押せる作品になっています。
Q:来年2月には特別編『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』の公開も決まりました。言える範囲で見どころを教えてください。
世界観や時代はテレビシリーズとつながっていますが、特別編はまた独立したお話になっています。長篇新作ならではの世界観を楽しんでいただけると思います。
【PRIVATE 素顔に迫る一問一答】
Q:本格的に女優を目指そうと思ったきっかけは?
子供のころからたくさんのテレビドラマを観てテレビの世界に憧れて、芸能界に入りたい! と思っていて、たまたま入口がアイドルだったんです。歌って踊るアイドルの活動も天職だ! と思うくらい本当に楽しかったです。結局は欲といいますか、歌って踊るだけでなく、もっと次のステップを、もっと違うことを! と思うようになりました。そして、自分でグループを卒業し、女優になろうと決心しました。誰かに言われた一言とか、この作品がきっかけというわけではありません。子供のころに夢見ていた、テレビの中で役者をするという憧れを叶える道に進まなきゃと思ったんです。
Q:ミュージカルの舞台を数多く経験されていますが、初舞台は?
48グループ外での大きな作品は「クザリアーナの翼」(2014)です。お芝居の楽しさやミュージカルの素晴らしさを岸谷五朗さんと寺脇康文さんに教えていただいて、そこからどっぷりとミュージカルが好きになりました。
Q:一時は「ミュージカルが怖かった」とか?
めっちゃ緊張するんです。ドラマの撮影でもそうですし、「ウルトラマンデッカー」の初日も緊張が上回ってしまって、NGを連発してしまいました(笑)。
Q:ライバルだと思う人は?
グループに所属していたので、同期だけでなく、活躍している子のことはとても気になります。出演した作品も観たりします。でも、自分からライバルをつくろうと思ったことはありません。自分で比べようとしなくても比べられてしまう世界で、自分で自分の首を締めたくないなと思って。
Q:お休みが一日あったらどう過ごしますか?
一日寝るってことはあまりしないタイプかもしれません。以前は「いっぱい寝られる。お休み、ありがとう!」って感じでしたが、早起きは三文の徳と大人になって学びました。前日がどんなに遅くまで仕事でも、次の日が一日お休みなら、睡眠時間を削ってでも、お出かけしたり、友達と遊んだり、ごはんを食べに行ったりして過ごすと思います。24時間起きてやる! くらいの気持ちで。一人だと何もできないので、誰かに会いにいくと思います。
Q:今ハマっているものは?
仕事ですかね。頭の中が次の舞台のことに切り替わり過ぎていて、そうなると、もうオフはいらないという感じです。決して堅い人間ではないし、稽古前からがっちり役に入り込むわけではありません。オンオフはあって、稽古が終わった瞬間に切り替えられます。ただ、基本的に掛け持ちはできない人間なので、だいぶ堅いのかもしれないですね!
(取材・文:浅見祥子 写真:中村好伸)
【TV INFO インフォメーション】
「ウルトラマンデッカー」
「ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA」の数年後を舞台にした特撮ドラマ。光の巨人ウルトラマンデッカーに変身する主人公 アスミ カナタ(松本大輝)が、エキスパートチーム「GUTS-SELECT」の新人隊員として、謎の宇宙浮遊物体・スフィアに立ち向かう。メイン監督は、「ウルトラマンR / B(ルーブ)」などで知られる武居正能が務める。
(c) 円谷プロ (c) ウルトラマンデッカー
「ウルトラマンデッカー」は毎週土曜日あさ9時~テレビ東京系にて放送中