【ネタバレ】「ウォーキング・デッド」未回収に終わった7つの伏線と謎
人気海外ドラマ「ウォーキング・デッド」がついに完結した。11シーズンまで続いた壮大な物語にふさわしく、数々の興奮と感動を与えてくれた本作だが、ふと気づけば、最終回でも答えが出なかった謎や未回収の伏線が残っている。今後のスピンオフにつながる可能性もある7つの伏線&謎をまとめた。(文・平沢薫)
※本記事は「ウォーキング・デッド」シーズン11最終話までのネタバレを含みます。
1:ラストシーンのリックはどこにいる?
シーズン11最終話(第24話)「レスト・イン・ピース」のラストにサプライズ登場したリック(アンドリュー・リンカーン)。降下するヘリコプターの下、降伏の両手を上げたリックの向こう側に、ビルが並ぶ光景が見えてくる。その街並みはフィラデルフィア。リックがいるのはこの都市の近くだということだろう。
この街並みは、2019年のコミコンで上映された「ウォーキング・デッド」劇場版のティーザー予告編に出てきたものと同じ。この時、ファンたちがこの街がフィラデルフィアだと特定して話題を集めた。そして、この都市に、CRM(Civic Republic Military、市民共同体軍)の本拠地があることは、本作のスピンオフ「ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド」で判明している。
CRMは「ワールド・ビヨンド」でかなり描かれており、彼ら自身によれば、複数の巨大共同体と同盟を結び、20万人以上の暮らしを守っているという集団。しかし、その行動には怪しい点もあり、彼らの実態にはまだ謎が多い。今後のスピンオフでもキーになりそうだ。
2:リックのこれまでの行動
最終話ラストシーンに至るまでのリックの行動は、明確には描かれていないが、シーズン9第5話「精算」で輸送された先はCRMだろう。
それを示すヒントは多い。まず、この時のヘリコプターの3つの輪のマークがCRMのものであることは、スピンオフ「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」で判明。そして、リックをヘリに乗せた人物で、屑鉄山を拠点にしていた“清掃人”のリーダーのジェイディス(別名アン)は、「ワールド・ビヨンド」でCRMの一員になっていた。また、シーズン11最終話で、リックがウォーカーの頭蓋骨を突き刺す棒状の用具は「ワールド・ビヨンド」でサイラスが働くCRMの施設で使われていた用具と同じ。となると、リックがCRMにいたことはほぼ間違いないだろう。
3:ジェイディスが言った「A」と「B」の意味
リックをヘリに乗せる時、ジェイディスが無線でヘリに伝えた言葉は「Bがある。最初からAはなかった。傷ついているけど強い人よ」。この言葉が初めて登場したのはシーズン9第3話「A、又はB」。ジェイディスはどこかへ移動することを計画し、無線相手に「何がある? AかBか」「Aが欲しい」と言われる。その後、ゲイブリエルを連れて行こうと誘って断られると、「あなたはBだと思っていた」と言って殴り、昏倒させる。この「A」と「B」の意味は現在も不明だ。
ただ、関連するかもしれない「A」は「ワールド・ビヨンド」に登場。シーズン1第9話「最も深い傷」で、CRMの暗号の解読文中に「アセット以外の4人は不要」という一文があり、この「アセット(Asset)」がドラマの中で“特別な能力を持つ人物”を指すと推測されることから、これが「A」ではないかとの説もある。
4:コニーが分類された「指定2」
シーズン11第21話「アウトポスト21」で、仲間たちがいろいろな場所に強制移動させられた際、コニーだけが「指定2」と分類され、別のルートで移送されることになる。コモンウェルスの兵士は「指定2」に分類されると「遠くへ送られ、戻らない」と説明していた。コニーは途中で救出されたが、この「指定2」にはどんな意味があったのか、「遠く」とはどこを指していたのかは不明のまま。この「遠く」が、リックが送られたCRMの可能性も?
5:ホーンズビーの言った「同盟を結んだ共同体」
シーズン11第18話「ア・ニュー・ディール」の冒頭近く、悪事がバレて捕まったホーンズビーは、ミルトン知事に「あなたの町での人生は終わりよ」と見放された際、「私に何かあれば、同盟を結んだ共同体や、安定していた要因も厄介事に変わる」と知事を脅す。結局、ホーンズビーが死んでも何も起きなかったが、彼が言ったコモンウェルスを脅かすほどの「同盟を結んだ共同体」とはどこなのか。これもCRMのことなのか。
そう思うと、コモンウェルスで多数の人々が行方不明になっている理由も気になってくる。彼らはエゼキエルたちが送られたような強制労働所に送られただけでなく、CRMに送られた可能性も?
6:ニーガンの妻アニーの行方
ニーガンの生き方を大きく変えた現在の妻アニーが、最終回に登場しなかったのも気になるところ。ニーガンが、人々の団らんに加わらずに歩き去る時、ひとりだったことも気にかかる。しかし、これには大きな意味はなかったらしい。製作総指揮のアンジェラ・カンが Entertainment Weekly に語ったところによると、アニーはアレクサンドリアに戻り、無事に過ごしているそう。アニーが、ニーガン&マギーのスピンオフ「ザ・ウォーキング・デッド:デッド・シティ(原題) / The Walking Dead: Dead City」に登場する可能性もあるそうだ。
7:変異体ウォーカー
シーズン11の終盤では、ウォーカーの変異体が出現した。第22話「アウトポスト22」ではドアノブを回し、第23話「ファミリー」では壁によじ登り、第24話「レスト・イン・ピース」では石を使って病院のドアのガラスを割る。この世界では驚異的な変化だが、最終話にそこまで大きく影響することはなかった。
しかし、変異体ウォーカーはスピンオフのストーリーに繋がるかもしれない。「ワールド・ビヨンド」シーズン2最終話のポストクレジットシーンでは、フランスで素早く動くウォーカーの出現が判明し、ダリル単独スピンオフの舞台がフランスになることも発表されている。この進化はダリルのシリーズに繋がるのか? 変異体が「ウォーキング・デッド」ユニバース全体に与える影響が今から気になる。
「ウォーキング・デッド」シーズン11はディズニープラス「スター」で日本最速&独占配信中
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