『ラーゲリより愛を込めて』で映画初出演の奥智哉、俳優1本でやっていく決意!
激推しスター発掘調査隊
『ラーゲリより愛を込めて』奥智哉(おく・ともや)【第3回:激推しスター発掘調査隊】
次世代スターとして活躍が期待される俳優の素顔に迫る本企画。今回は、第二次世界大戦終了後、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に不当に抑留された実在の人物、山本幡男の壮絶な半生を描いた『ラーゲリより愛を込めて』で、山本幡男の長男・顕一を演じた奥智哉さんを徹底解剖します!
奥智哉プロフィール
生年月日:2004年7月18日
出身地:神奈川県
身長:168cm
血液型:A型
趣味・特技:空手、バドミントン、スキー、釣り
芸歴:2020年2月、Netflixオリジナルドラマ「Followers」で俳優デビュー。ドラマ「青のSP(スクールポリス)-学校内警察・嶋田隆平-」「監察医 朝顔」「きよしこ」「華麗なる一族」「仮面ライダーリバイス」「みなと商事コインランドリー」などに出演。
【PRIVATE 素顔に迫る一問一答】
Q:芸能界デビューした頃と今の自分を比べると、どんなところが変わりましたか?
デビューしたばかりの頃は、日々を適当に過ごしていたところがあったんですけど、今は「俳優という職業で食っていくんだ!」という意識も高まってきて。1日1日を大切にしようと思うようになりました。
Q:ふだんはどんな映画を観ることが多いですか?
コメディー映画が好きです。あと『花束みたいな恋をした』のようなラブストーリー系もけっこう観ます。でも、一番好きな映画は『孤狼の血』です。
Q:映画を観るときは映画館派? 配信派?
最近は配信派ですね。映画館で観るのも好きなんですけど、最近はあまり家から出たくないっていう気持ちがあるので。家でNetflixとか Prime Video を観ちゃいますね。
Q:今、一番観たい作品は?
瀬々敬久監督の『64-ロクヨン-前編/後編』です。
Q:現在18歳。今年成人となりましたが、どんな大人になりたいですか?
“道義”を持った、何事にも真摯に向き合える大人になりたいです。
Q:憧れの俳優は?
山田孝之さんと松坂桃李さんです。
Q:お芝居のどんなところに醍醐味を感じますか?
非現実的なことを体験できる。これにつきますね。「仮面ライダー」だったら、怪人と戦う! 現実にはこんなことないじゃないですか(笑)。
Q:一番好きなスポーツは?
自分がやるとなると、バドミントンが好きですけど、観戦するならサッカーですね。ヨーロッパリーグだと、パリ・サンジェルマンFCとリヴァプールFCのファンです。
Q:趣味はスキーと釣りとのことですが、好きになったきっかけは?
父親の影響ですね。釣りも父が好きなので。
Q:オフの日はどんなことをして過ごしていますか?
アニメや映画を観ています。アニメで好きな作品は「ジョジョの奇妙な冒険」。最近だと「チェンソーマン」とか。あとはNetflixオリジナル作品の「サイバーパンク:エッジランナーズ」もすごくおもしろかったです。
Q:1週間お休みをもらえたら、なにをしたいですか?
イタリアに行ってみたいです。イタリアの街を歩いたり、カプリ島の“青の洞窟”を舟で訪れたり……。あとは「ジョジョの奇妙な冒険」の第5部がイタリアを舞台にしているので、聖地めぐりもしてみたいです。
Q:自分の性格の長所と短所は?
長所は何事にもひるまず、取り組めること。短所は物事のプライオリティーのつけ方がちょっと甘いところ。
Q:苦手なもの、克服したいものは?
野菜ですね。漬物、ゴーヤ、オクラとかが苦手で。最近は食べられるようになったものが増えてきたんですけど……。
Q:好きな科目は?
日本史、世界史、体育です。
Q:これから学んでみたいことはありますか?
イタリア語。イタリアに行ったときに、ちょっと話せたらかっこいいじゃないですか(笑)。
Q:現在、高校3年生。来春に卒業した後の進路は?
俳優1本でやっていきます!
【MOVIEインタビュー】
Q:『ラーゲリより愛を込めて』への出演が決まったときの気持ちは?
初めての映画出演作が、まさか瀬々敬久監督作品になるとは思っていなかったので、すごくビックリしました。嬉しかったんですけど、プレッシャーのほうが大きかったですね。
Q:山本幡男・モジミ夫妻の長男、顕一を演じる上で意識したことは?
顕一は10歳のときに、父親と離れ離れになったんですが、長男だから「僕が家族を守っていかなきゃ!」という気持ちが強かったと思います。ただ、僕自身は次男の末っ子で、お兄ちゃんがどんな感じかがよく分からなくて。父親代わりになるような“お兄ちゃん像”というものを、僕の4つ上の兄を参考にしながらつくっていきました。
Q:お母さんのモジミが港で夫を必死に捜しているときに、顕一が止めようとするシーンも印象的でした。
あの舞鶴港でのシーンは、ちょうど顕一が14歳のときのエピソードなんです。反抗期真っ只中の頃だったので、そういう意味合いも込めたお芝居になりました。瀬々監督が実際の山本顕一さんとお会いしたときに、顕一さんが「父があまりにも厳しかったので、怖くて怖くて」と仰っていたという話も聞いて。そのあたりも演技にちょっと反映させています。
Q:お母さん役の北川景子さんとの共演はいかがでしたか?
僕が小さい頃からずっと好きな女優さんだったので、すごく光栄な気持ちでした。憧れの遠い存在だったんですけど、実際に話してみると、とてもおちゃめで、かわいらしい方で。自分の中で、印象がガラリと変わりましたね。シリアスなシーンが多い作品ですが、劇中のモジミさんはずっと明るくて、家族にとっての星みたいな存在。そんなモジミさんを演じる北川景子さん自身も、すごく明るくて、いつも現場をなごませてくださっていたなぁという印象があります。
Q:瀬々監督の演出で思い出深かったものは?
僕がプレッシャーから気を張りすぎていたシーンがあって、瀬々監督がそれを見抜いたのか、シーンの意図などをくわしく説明してくれて「そういう意図も汲み取った上で、やってみて」と指導していただきました。あのときは、すごく助けられました。
Q:完成した映画をご覧になった感想は?
まず、俳優としては、自分のシーンを観て、本当に反省ばかりで……。自分の課題を教えてくれた作品だなと思いました。特に、自分に足りないなと感じたのは、泣きのお芝居の技術ですね。今までの出演作では、泣きのシーンをあまりやってこなかったんです。
Q:泣きのシーンは、具体的にどんなところが難しいですか?
自分が過去に体験したことを投影しながらお芝居するというやり方もあるんですけど、その方法では僕はあまり泣けなくて。やっぱり、劇中のシーンにのめりこまないと、感情が本当に動かないタイプなんです。でも、そのシーンにのめりこんで演技するには、すごく集中力が必要で。その集中力も課題だったなと思います。
Q:俳優という職業を離れて、いち観客としての感想はいかがでしたか?
本当にすばらしい作品を観たなぁと思いました。収容所の中のキャラクターで特に印象深かったのは、桐谷健太さん演じる相沢と、松坂桃李さん演じる松田です。妻のその後を相沢が手紙で知るシーンや、老いた母親を置いて松田が戦争に行くシーンにグッときました。本当にずっと、グッとくるシーンしかないなって。戦争を題材にした作品ではあるけれど、実は人間の愛の尊さを描いた人間賛歌の映画なんだなと思いました。
取材・文:石塚圭子 撮影:高野広美
【インフォメーション MOVIE】
辺見じゅんのノンフィクション「収容所から来た遺書」を原作にしたドラマ。第2次世界大戦終結後、ソ連軍の捕虜として不当にシベリアの収容所に抑留された日本人・山本幡男氏の姿を描く。メガホンを取るのは『とんび』などの瀬々敬久。『浅田家!』などの二宮和也、『ファーストラヴ』などの北川景子らが出演する。
映画『ラーゲリより愛を込めて』は12月9日より全国公開
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