『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』気になる評価は?
巨匠ジェームズ・キャメロンによる13年ぶりの続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のワールドプレミアが行われ、批評家たちの映画に対する評価が出始めた。革新的な映像技術で世界に衝撃を与えた『アバター』(2009)は、世界興行収入ランキングで歴代1位となる29億2,291万7,914ドル(約4,092億円)を稼ぎ出した大ヒット作。それから13年、世界の様相は様変わりし、「もはや『アバター2』は求められていないのでは?」と不安視する声も出ていたが、批評家や映画ジャーナリストたちの声を見るかぎり、それは杞憂だったようだ。(数字は Box Office Mojo調べ、1ドル140円計算)
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』あらすじ
神秘の星パンドラの一員となった元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)は、ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と家庭を築き、子供たちと平和に暮らしていた。再び人類がパンドラに現れるまでは。神聖な森を追われた一家は、“海の部族”の元へ身を寄せる。だが、この美しい海辺の楽園にも侵略の手は迫っていた……。
日本公開日:2022年12月16日
上映時間:3時間12分
批評家、映画ジャーナリストたちの評価
■デイビット・アーリック(IndieWire)
ジェームズ・キャメロンが失敗する方に賭けるのがバカなのだろう。1作目よりはるかに良く、こんなに素晴らしい劇場体験は久々だった。わたしは『アバター2』を待ち望んでいたわけではないのだが(ジェームズ・キャメロン×水はかなり上手くいく傾向があるとはいえ)、今は『アバター3』を観るのが待ち切れない。
■エリック・デイヴィス(Fandango)
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は驚異的な作品だと言えてうれしい! 前作よりもより大規模で、より良く、もっとエモーショナル。息をのむようなビジュアルで、直感的で、信じられないほど夢中にさせてくれる。ストーリー、スペクタクル、精神性、美しさ、これぞ映画制作とストーリーテリングの最高峰だ。
ジェームズ・キャメロンが彼のやり方に忠実に従った作品で、『タイタニック』『トゥルーライズ』『アビス』『ターミネーター2』のように、キャメロンが最高の状態で、ものすごいビジュアルと最高に面白く感動的な物語を融合させている。もっと観たいと思わされるはずだ。大好きだ!
『トップガン マーヴェリック』を観た後の感じに似ていて、なぜわたしたちは映画が大好きなのかを思い出させてくれる。大いに楽しませてくれる映画で、本当に忘れられない体験になった。
■マイク・ライアン(Uproxx)
大げさに言いたくはないが、技術的、映像的にこれほどのものをわたしは今まで観たことはない。圧倒された。圧倒され過ぎて、時々話の流れを見逃すことがあった。「ビジュアル的に一番すごかったのはどこ?」というある人からのメールには、「正直言って、全部」と返信した。
続編は第1作よりもキャラクター造形にずっと深みがある。だが、第1作と同様に、この映画を映画館ではなく、家で観ることは想像できない。
■コートニー・ハワード(Varietyなど)
ジェームズ・キャメロンは再び、人々の心を奪い、畏敬の念を抱かせる世界構築の職人技を『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』でやってのけた。没入感があり、感情移入でき、壮大な面白さがある、スリリングな体験だ。CGの技巧は消え去り、ただキャラクターたちの人間性を見ているだけになる。ストーリーとキャラクターたちがよりしっかりと描かれ、その驚くべき技術の進歩もあり、前作よりいい。感情を豊かにする素晴らしい現実逃避になる。
■ドリュー・テイラー(The Wrap)
2回観たが、その技術的な卓越性と、予想外に親密な感情の広がりの両方に圧倒された。世界は広がり、続編もほのめかされるが、キャラクターたちが何より重要だ。キャメロンは絶好調で、特に最終幕がすごい。彼が戻って来てくれてよかった。
■ペリ・ニーミャロフ(Collider)
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』はとてもすごい。ジェームズ・キャメロンがエフェクトのレベルを上げてくれると信じてはいたが、このビジュアルにはぶっ飛んだ。次から次に素晴らしいフレームが現れる。しかしわたしが最も気に入ったのは、全ての技術面での偉業が、キャラクターとその世界を構築するのに役立っていると感じられたことだ。『アバター』シリーズをもっと観たいと感じさせられた。
■ジョシュ・ホロウィッツ(MTV)
ジェームズ・キャメロンがまたもや、フィルムメイカーたちに「映画はこう作るのだ」と見せつけた。わたしは「彼を疑ってはいけない」と何度も言ってきた。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は超大作でやるべきことの全てが詰まっており、感動的で、直感的で、ものすごい大規模だ。
■ギレルモ・デル・トロ監督
圧倒的な偉業。ものすごく壮大なスケールで描かれた荘厳な景色と感動に満ちている。巨匠は絶頂にいる……。
(編集部・市川遥)