「仮面ライダー龍騎」須賀貴匡x松田悟志x萩野崇、20周年で感じる幸せ 特別だった三人同時変身
放送20周年を迎えた「仮面ライダー龍騎」（2002～2003）の須賀貴匡（城戸真司／仮面ライダー龍騎＆仮面ライダーリュウガ役）、松田悟志（秋山蓮／仮面ライダーナイト役）、萩野崇（浅倉威／仮面ライダー王蛇役）が、劇場版最新作『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』に出演する。レジェンドキャストとして再びライダーバトルに身を投じる三人が、20周年イヤーでの変身、テレビシリーズの名エピソードなどを振り返った。（編集部・倉本拓弥）
■ 「龍騎」の世界を劇場版に持ちこめた幸せ
Q：「仮面ライダー龍騎」20周年おめでとうございます。アニバーサリーイヤーに本作のオファーを受けた心境は？
須賀貴匡（以下、須賀）：「仮面ライダー龍騎」が20周年という節目を迎えた年だったので、最新シリーズの劇場版に呼んでいただけたことは非常にうれしかったです。
松田悟志（以下、松田）：「仮面ライダーギーツ」の設定が生き残りゲームだと発表された時、Twitterで反応したらファンの方々も喜んでくださったんです。第1話を観てみると「龍騎」のバトルロイヤルをスタイリッシュにした世界観が広がっていて、食いつくように観ていたところでオファーが届いたのでとても驚きました。
萩野崇（以下、萩野）：須賀っちと松田くんと三人で、「龍騎」の世界を今回の劇場版に持ちこめたのは、本当に幸せだなと思いました。20年経った作品のオリジナルキャストが新たな世界に飛び込んでいけるのは楽しいことですし、三人一緒のシーンがあればいいなと期待していました。
須賀：20年生きていて、本当によかったよね！
松田：萩野さんが、僕にLINEを送ってくれたことがあったんです。その時はまだ映画の台本が手元になくて、どんな内容になるかもわからない状態で、「明日届くらしいよ」と聞いていました。そしたら、その日の夜、萩野さんから「須賀っちと松田くんのすごくいいシーンがあったよ。現場でよろしくね」と連絡がきてワクワクが止まらなくて……。萩野さんがLINEで伝えてくれるから「萩さん、きっと嬉しかったんだろうな……」と思っていました（笑）
Q：映画の撮影中に「龍騎」テレビシリーズからの変化を感じる瞬間はありましたか？
須賀：「龍騎」と同じスタジオで今もセットを組んで撮影しているのですが、初日にスタジオ入りしたらセットがなくて……。デザイア神殿でのシーンを撮影するためにグリーンバックだけで、とても驚きました。しかも、別のモニターで神殿の様子を映してくださるので「こんな時代になったか……」と感慨深くなりました。
松田：当時は、撮影する時に「ここにCGがつきますよ」という説明があったんです。例えば『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL（エピソード ファイナル）』のラスト、須賀っちと二人で破壊された壁から飛び立っていくシーンも、壁に空いた穴にグリーンバックが貼られているだけで、劇場版が完成するまでそのシーンは観られなかったんです。それが『ギーツ』の現場では、モニターの中でCGが完成されていたので非常に驚きました。
萩野：次の撮影がカシマサッカースタジアムだったのですが、グリーンバックで撮影できるなら「スタジアムに行かなくても何とかなるんじゃないか」説も考えたりして……（笑）。でも、実際に行ってみたらすごく感動しました！ ピッチ上に立って客席を見る景色ですとか、広いスタジアムを三人で歩くだけでも興奮してしまったので、リアルはすごいと改めて実感しました。
■「龍騎」を観て育ったキャストの活躍に感慨
Q：「仮面ライダーギーツ」キャストとの共演はいかがでしたか？
松田：主演の簡秀吉くん、ツムリ役の青島心さんが「龍騎」をめちゃくちゃ観ていたと話してくださって、その世代が主役を務めていると思うと、すごく嬉しかったですね。個人的に感じたのは、「ギーツ」のキャストはすごく仲がいい！ 和気あいあいとした仲の良さは「龍騎」も同じで、僕らはライバル心やギラついたものがあったのですが、「ギーツ」のみなさんはすごくキラキラしているんですよね。ギスギスした感じとか、一触即発で何かが起こりそうな雰囲気がなくて、本当にハッピーなオーラに包まれていました。
須賀：「龍騎」はみんなが敵対する役柄だったので、先輩（萩野）を筆頭にギラつき番長がいましたね。怖くて日々震えていました（笑）
萩野：あの当時はすみませんでした（笑）。でも、小田井涼平くん（北岡秀一／仮面ライダーゾルダ役）も初めて会った時はフレンドリーに会話していたんですけど、北岡弁護士と浅倉の接見シーンの撮影になったら、急に「さっきの人と全然違う。怖い……」と言い出して、「ざまあ見ろ」とニヤついていました。
松田：僕も萩野さんに初めて挨拶した時、「萩野さんはちゃんとコミュニケーションが取れる方ですか？」と確認して、萩野さん爆笑していましたね。
須賀：本当に怖いですよ、裸に蛇柄のジャケットですから！ 僕が萩野さんと初めて対面した時、浅倉がレストランに立てこもるシーンだったのですが、城戸もその姿を目撃する場面だったので、リアルか芝居かわからないくらい本当にビビりました。
萩野：過去に、劇場版のパーティーで偉い方から（浅倉の行動を）注意されたことがありまして、少し悩んだ時期があったんです。その後、会場にいた白倉（伸一郎）プロデューサーに相談したら「そんなことは考えなくていいです。いままで通り演技してください。責任は私がとります」とお話してくださった姿がカッコよくて、今も印象的です。そこから、プロデューサーの思いも込めて、好きなだけ浅倉を演じてみようと撮影に臨んでいました。
■胸が熱くなった20周年イヤーの変身
Q：20周年イヤーでの変身はいかがでしたか？
須賀：今回も仮面ライダー龍騎と仮面ライダーリュウガに変身したのですが、20年前あまり活躍の場がなかったリュウガが、ありがたいことに20年後これだけフィーチャーされるということで、変身ポーズを思い返すためにYouTubeで20年前の自分の変身を復習して、撮影現場に入りました。
松田：スタジアムで三人同時変身するシーンがありまして、当時アシスタントだった倉田（幸治）カメラマンが手持ちカメラで撮影してくださったことにすごく感動しました。20年前にアシスタントだった方がメインカメラマンとして参加して、三人の変身を必死で撮ってくださっている姿を見た時は、胸が熱くなりました。
萩野：変身するにあたって、柴崎貴行監督から「20年前の変身はシンプルだったが、相手チームは派手になっている。だから『龍騎』チームも20年経った画になります」というお話を聞いていたので、どのような形になるのか楽しみでした。僕らの変身は変わらなくても、演出がどのように進化しているのかドキドキしていました。
■ 「誰一人的中しなかった」テレビシリーズの衝撃展開
Q：「仮面ライダー龍騎」は名シーンが多いですが、中でも第19話「ライダー集結」で仮面ライダー王蛇がガイを盾にしてゾルダのファイナルベントを回避したシーンは、「ガードベント」として語り継がれています。放送から20年、萩野さんは同シーンを振り返って感じることはありますか？
萩野：3年前の「RIDER TIME 仮面ライダー龍騎」舞台挨拶に登壇した時、仮面ライダーガイ役の一條（俊）くんが「17年経って知ったんですけど、僕“ガードベント”って呼ばれているんです。萩野さんのことちょっと嫌いになりました」って話していました（笑）。ガードベントって本当に面白いネーミングですよね。浅倉は生きるということに執着がある男で、だからこそ「近くにいたお前が悪い」というセリフも飛び出すんだなと思いました。浅倉がどういう人物か、王蛇がどういう仮面ライダーなのかがしっかりわかる名シーンです。
Q：最終回直前（第49話）で城戸が死亡する展開は今でも衝撃的です。須賀さんは「城戸が死ぬ」ことを全く想定してなかったそうですが、改めて当時の心境を教えていただけますか？
須賀：当時は想定しないことだらけでした。劇場版『EPISODE FINAL』やテレビスペシャル「13 RIDERS」の時も、キャスト同士で展開を予想していたんですけど、誰一人的中しなかったんです。その流れで、最終回前に主人公である城戸が死ぬという話が来たので、とても衝撃的でした。僕たちも一視聴者みたいになっていました。
Q：城戸が救った少女・ミライは、当時子役だった志田未来さんが演じていましたね。
須賀：志田さんとはその後違う番組でお会いして、当時の話をした記憶があります。
松田：別作品で共演した時、志田さんに優勝トロフィーで頭叩かれて死ぬ男を演じたよ（笑）
須賀：城戸が守った少女なだけあって、志田さんと「龍騎」チームは縁があるね！
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「戦わなければ生き残れない」ライダーバトルを経験した三人は、放送終了から20年が過ぎても強い絆で結ばれていた。20周年で再びスクリーンに帰ってくる城戸、秋山、浅倉はどのような活躍を見せるのか？ 「仮面ライダーギーツ」との化学反応にも期待したい。
『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』は12月23日全国公開
「ギーツ／リバイス」製作委員会 (C) 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映