私の推しは馬!ガチすぎる推し活映画『ドリーム・ホース』は感動の実話
提供:ショウゲート
人生に潤いを与えてくれる“推しのいる生活”。推しの対象は俳優、アイドル、キャラクターなど人それぞれですが、イギリス・ウェールズには一頭の競走馬を推しに、推し活を極めた女性が実在します。彼女の名前は、ジャン。ジャンのにわかには信じられないような実話を基にした映画が、1月6日に日本公開される感動作『ドリーム・ホース』です。
すさまじい行動力を発揮するジャンのガチすぎる推し活ぶりと、それが彼女の人生だけでなく周囲の人々の人生まで豊かにしていく感動に満ち、観る者に勇気を与えてくれる本作の魅力に迫りました。ジャンたちの軌跡はチャレンジしてみることの素晴らしさを教えてくれるものともいえ、まさに新年という新たな門出に観るのにふさわしい一作となっています。(編集部・市川遥)
主人公の推し活がガチ!
ジャンが暮らすのは、うらぶれた雰囲気が漂うイギリス・ウェールズの小さな村です。子供たちはすでに独立しており、テレビの前から動かない無気力な夫と二人暮らし。パートと年老いた両親の介護に追われて終わる代り映えしない毎日を、諦めにも似た思いを抱いて過ごしていました。この等身大の主婦を『へレディタリー/継承』や『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』のトニ・コレットがリアルに演じているため、ジャンには妙に共感してしまうのです。
そんなジャンでしたが、ある日のパート中、元馬主の男性の体験談を耳にしたことをきっかけに「馬、それこそ私の推しとなるもの!」と覚醒します。多くの人が経験したことがあるであろう“推しとの出会い”ですが、初手からそのガチさを発揮してしまうのがジャンのぶっ飛んだ魅力。ジャンはすぐさま馬主のバイブルを熟読して研究し、貯金をはたいて牝馬を購入、驚異のリサーチ能力で有望な種馬を見つけ出し……そう、彼女のガチすぎる推し活は、推しの存在を無から生み出すところから始まったのです。
ドリームアライアンスと名付けられた子馬は、ジャンの愛情を一身に受けてすくすく成長。推しを名馬にするためなら手間暇を惜しまないジャンの驚異の行動力によって、ドリームはレースで存在感を発揮するようになっていきます。本作のもう一人の主人公といえるのがこの馬で、ドリームの優しい大きな瞳にはジャンならずともメロメロになってしまうことは必至で、その躍動感たっぷりの走りはこの上なくエキサイティング。そして何よりも、ガチすぎる推し活で人生を取り戻し、ドリームの成長と共にどんどん輝きを増していくジャンの姿に心揺さぶられずにはいられません。
主人公のガチさが周囲に伝染!
自分の稼ぎだけでは競走馬を育てることなど到底無理だとわかっていたジャンは、夫や他の村人たちも彼女の推し活へと引き込んでいきます。ジャンの熱意に感化された村人たちは、週に10ポンドずつ出しあって、約20人の組合馬主になることに。彼らもまた、代わり映えのしない毎日に“胸の高鳴り”を求めていた人々であり、ドリームの快進撃は彼らの人生まで輝かせ、労働者階級の彼らを特権階級だけの楽しみと思われていたテリトリーへも導いていきます。
そして映画終盤ともなれば、ドリームはもはやジャン、夫、村人たちにとどまらず、全ての観客の推しとなったも同然! 逆境にも負けず、再び立ち上がり、村人たちに希望を与え続けた、けなげな瞳の美しい馬。ついに最高峰の舞台へとたどり着いたドリームの一世一代のレースシーンでは、われらが推しの活躍に手に汗握り、息をのみ、劇場が一体となる感覚を味わえるはずです。
ガチすぎるけど…まさかの実話!
ジャンのすさまじい行動力には圧倒されるばかりですが、『ドリーム・ホース』は何と実話を基にした映画です。ウェールズ・バレーのケアフィリ郡クブン・フォレストにある市民農園で、ジャン・ヴォークスとその夫ブライアンというごく普通の夫婦によって飼育されたドリームは、2009年にウェールズにおける障害競走最高峰のレース「ウェルシュナショナル」で優勝。ジャンとドリームの感動の物語はニュースのヘッドラインを飾ることになりました。
ジャンが証明したように、推しのいる生活はやっぱり最高! 「朝、目覚めた時に、ワクワクするものが欲しい。人生が変わると思わせてくれるような何かが」というジャンの些細な願いから始まった究極の推し活の行く末を克明に描き出した本作は、清々しい感動作として多くの人々の胸を打つに違いありません。
映画『ドリーム・ホース』は2023年1月6日より全国公開 公式サイト
(c) 2020 DREAM HORSE FILMS LIMITED AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION