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ナウシカ級の壮大さ!「大雪海のカイナ」が映画ファンに刺さるワケ

 SFファンを唸らせる終末要素と王道ファンタジーが融合したボーイミーツガール物語「大雪海のカイナ」が2023年1月11日からフジテレビ「+Ultra」でスタートする。稀代のSF作家と、時代の最先端を走り続ける気鋭スタジオがタッグを組んだオリジナルアニメーションだ。『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』の感動を思い出す、映画ファンにこそ推したいシリーズの魅力に迫る。

唯一無二の世界観に溺れる

滅びた文明の名残を感じる幻想的なファンタジー世界

 「大雪海のカイナ」の舞台は、雪海(ゆきうみ)が広がる異世界。空は各地に点在する巨木・軌道樹(きどうじゅ)から伸びる透明な天膜(てんまく)に覆われ、劇場のスクリーンで体験したくなる光景が広がる。

 天膜の人間は軌道樹に村を作り、樹から湧き出る水や、そこに息づくさまざまな虫たちを生活の糧として暮らしている。星空の下に広がる、巨大なツリーハウスのような村は、それだけでファンタジー映画が一本作れそうな雰囲気。人々は空気の薄い外でマスクを装着し、服装も機密性の高い防護服を装着するなど、天上に合わせた生活様式を確立しており、独自の文化を見ているだけで胸が躍る。

旧式の生活様式と滅びた時代の文明がミックスされた独自の世界観

 文明は退化しており、謎の言葉が記された看板が遺されているのみで、テクノロジーの類は見当たらない。さらに、天膜の人間は徐々に数が減っており、老人ばかりが暮らす、枯れかけた軌道樹の村が残るのみ。天膜の人の歴史は緩やかに終わりを迎えようとしている。幻想的で牧歌的な世界が広がる一方、本作は『風の谷のナウシカ』のようなファンタジーから『マッドマックス』のようなアクションまで、数多くの傑作を生んだ、極限状態に置かれた人類を描くポストアポカリプスものでもあるのだ。

奇跡のボーイミーツガール!

リリハとカイナ、二人の出会いから壮大な物語がはじまる

 ただ、「大雪海のカイナ」は絶望に満ちた終末物ではなく、希望に満ちたファンタジーだ。天膜に暮らす少年と雪海から浮かんできた少女による、逆ラピュタのような出会いから始まる、世界を救うための壮大な旅が描かれる。

 主人公のカイナは、天膜の村で育った心優しき少年。危険な天膜で重い装備を抱えて虫を狩ってきただけに、体力は十分。腹が減れば辺りの虫にかぶりつくなど、サバイバル能力もかなりのもの。ピンチに動じない胆力と力強さを持つカイナだが、村以外の世界を知らずに育ったため、人間同士で殺し合うという概念さえない、正真正銘の純真無垢なヒーロー像が新鮮だ。

 一方、カイナが出会う少女リリハは、雪海に存在する王国・アトランドの王女で、窮地に陥った自国を救う術を求めて天膜に登ってきた、真っ直ぐで勇気あふれるヒロイン。リリハとの出会いをきっかけに、カイナはアトランドと流浪の軍事大国バルギアの争いに巻き込まれ外の世界を知っていく。

主役級声優が集結! 坂本真綾が演じるバルギアの士官・アメロテ

 カイナの声を担当する細谷佳正は、カリスマ性あふれるリーダー役から朴訥とした青年役まで、幅広い役柄で知られる人気声優だけに、世界の命運を託された優しいヒーローはハマり役。リリハ役を担当する高橋李依も、正統派ヒロインからアブないクセ者キャラまで、数々の人気キャラを担当する実力派。2人が織り成すボーイミーツガール物語も見逃せない。

 脇を固めるキャスト陣にも豪華声優が集結。リリハの弟・ヤオナ役を村瀬歩、謎多きバルギアの士官・アメロテ役を坂本真綾、アトランドの親衛隊長オリノガ役を小西克幸、アメロテの副官ンガポージ役を杉田智和、残忍で冷酷なバルギアの最高司令・ハンダーギル役の檜山修之、そして、アトランドの厳格な王・ハレソラ役を堀内賢雄など、主役級がそろった、多彩なキャストによる演技合戦にも注目だ。

弐瓶勉×ポリゴン・ピクチュアズの最強タッグ再び!

アニメーション制作は、2Dと3DCGの融合で弐瓶ワールドを映像化してきたポリゴン・ピクチュアズ

 「大雪海のカイナ」の原作は、「シドニアの騎士」「BLAME!」などのSFコミックで熱烈な支持を集める漫画家・弐瓶勉。緻密に書き込まれた超巨大構造体やメカニックス、クリーチャーで構築された独自の世界観で中毒者を量産し、世界各国で新作が期待される作家の一人だ。

 デビュー作「BLAME!」以降、黒を基調としたハードなSF世界や、過剰な感情表現を排した人物描写を基調としてきた弐瓶は、独自の世界観はそのまま、連載毎に恋愛やコメディー、ファンタジー要素を貪欲に取り入れながら作品を進化させてきた。唯一無二の世界観と王道ファンタジーが融合した「大雪海のカイナ」は、まさに進化する弐瓶ワールドの集大成と表現するのにふさわしい。

弐瓶作品おなじみのワードにも注目

 また弐瓶ワールドといえば、知的好奇心を刺激する設定や造語も特徴のひとつ。例えば、原作クレジットに弐瓶の名前と共に併記されている「東亜重工」とは、弐瓶作品に共通して登場する企業名。作品毎に設定は異なるが、その世界の根幹となる技術を生んだ存在として必ず登場している。「大雪海のカイナ」にも、こうした独自のスターシステムは健在。見覚えのあるワードを発見して、ニヤリとするのも一興だろう。

 アニメーション制作は、「シドニアの騎士」で、映像化困難とされていた弐瓶作品のアニメ化に成功したポリゴン・ピクチュアズ。「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」といった海外作品や、CM、ゲーム映像を起点としてきた同社にとって、「シドニア」は設立30周年を記念する、日本でアニメーション制作に本格参入した記念碑的なシリーズだった。

 その後、GODZILLAで日本を代表する怪獣王のアニメ化に挑むなど、日本においても確固たる地位を築いた同社。「大雪海のカイナ」は、それから10年を経た設立40周年の節目に再び弐瓶とタッグを組む、記念碑的作品でもある。

 カイナとリリハは、わずかな資源を求める人間同士の争いを鎮め、滅びゆく世界を救うことができるのか。天膜、軌道樹、そして大雪海。あまりに広い世界で、ちっぽけな存在にすぎない2人が平和を求めて奮闘する物語は、多くの名作映画がそうであるように、争いの絶えない現実社会に強烈なメッセージを投げかける。(編集部・入倉功一)

アニメ「大雪海のカイナ」は1月11日からフジテレビ「+Ultra」ほかでスタート(毎週水曜24:55~)
公式サイトはコチラ>>
(C)弐瓶勉/大雪海のカイナ製作委員会

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