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SW「マンダロリアン」新共和国の闇が垣間見える最新話 ボ=カターンの運命に変化が!【今週のマンダロリアン】

 シーズン3の第3話となる今回は、「マンダロリアン」シリーズのなかでも異色と言えるエピソード。おなじみのあの登場人物たちが再登場! 新共和国の社会情勢も見えてくる。(文・平沢薫)

この記事は「マンダロリアン」シーズン3のネタバレを含みます。「チャプター19:改心」視聴後にお読みいただくことをおすすめします。

サブキャラメインの異色構成!

ドラマメインのエピソードだが、冒頭のドッグファイトにも大興奮できる

 ドラマは前話の直後からスタート。マンダロアの鉱山地下の泉に沈んだマンドー(ペドロ・パスカル)が、ボ=カターン・クライズ(ケイティー・サッコフ)によって引き上げられたところから始まる。マンドーが償いを果たしてホッとしたのも束の間、彼らが空に飛び立つと、すぐさま敵が接近してくる。

 帝国軍残党のTIEファイター、TIEインターセプターの大群が出現、それを迎え撃つマンドーのN-1スターファイター、ボ=カターンのガントレット・スターファイターの空中戦は、「マンダロリアン」らしい躍動感。しかし、それは冒頭だけ。作品タイトルロール後の展開は、サプライズに満ちていた。

 まず、ドラマ構成がサプライズ。冒頭のドッグファイトと、ラストのマンドーがマンダロリアンの居住地に戻ってからの部分はいつもの「マンダロリアン」だが、それ以外はほとんど丸ごと、これまでサブキャラだった、ドクター・パーシング(オミッド・アブタヒ)を描くエピソードになっている。このユニークな構成で思い出すのは、マンドー役のペドロ・パスカルが主演する人気テレビシリーズ「THE LAST OF US」の第3話「長い間」の構成。このエピソードも、1話を丸ごと使って、2人のサブキャラクラーのドラマを描くという異色の構成だった。

 ちなみに、ドクター・パーシングは「マンダロリアン」の「チャプター1:マンダロリアン」から銀河帝国の残党に使える科学者として登場しており、研究対象のグローグーを殺さず、生かそうとしていた。

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『アントマン』女優が再登場!

 パーシングをだます元帝国軍の通信士官イライア・ケイン(ケイティ・オブライアン)は、元帝国軍将校モフ・ギデオン(ジャンカルロ・エスポジート)の部下で、「マンダロリアン」のシーズン2「チャプター12:包囲」から登場している。彼女を演じるオブライアンは映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』で量子世界の自由を求める戦士ジェントーラを演じており、マーベルドラマ「エージェント・オブ・シールド」シーズン7で悪役ナサニエルの部下キンボールを演じていた。

ドクター・パーシングの境遇から新共和国の違う一面が垣間見える

 そして、ドラマのテイストもサプライズ。新共和国の富裕層らしい住民が「帝国、反乱軍、新共和国、権勢の変遷がめまぐるしくてうかつに口を開けん」と口にしたり、元帝国軍が再教育施設に入れられ恩赦プログラムを受ける描写、卑劣な裏切りのドラマは、まるで別のスピンオフドラマ「キャシアン・アンドー」のような雰囲気で、この演出は新鮮。とはいえ、グローグーを守ったドクター・パーシングが悲惨な目に遭ってしまうのは、「マンダロリアン」の世界には似合わないような気もするが、今後の彼の運命はどうなるのだろう。

 どうしてこれまでと違う雰囲気なのかは、エンドクレジットの監督名を見て納得。今回は、映画『ミナリ』で韓国系移民一家のドラマを描き、第93回アカデミー賞で監督賞と脚本賞にノミネートされたリー・アイザック・チョン。ドクター・パーシングに感情移入してしまうのも、この監督による丹念な心理描写があったからだろう。脚本も、いつものジョン・ファヴローに加え、アニメ映画『エイリアン・Xマス』の脚本家の1人で、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の「チャプター1:異星のはぐれ者」のスタッフライターを務めたノア・クロアが参加。こうした新たな顔ぶれが「マンダロリアン」に新風を吹き込んでいく。

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ボ=カターンがマンドーと合流!次なる展開は?

 そんな新境地開拓の今回だが、小ネタが大量なのはいつもと同じ。今回は懐かしのメカも登場、ボ=カターンの城を爆撃するのは『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』で初登場した爆撃機・TIEボマー。新共和国の廃船置き場には、おなじみのインペリアル・スター・デストロイヤーがある。ドクター・パーシングがスピーチをする惑星コルサントのオペラハウスは、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で実はシスのパルパティーン議員(イアン・マクダーミド)がアナキン(ヘイデン・クリステンセン)に不死の秘密を探求したダース・プレイガスの話をした場所。ドクター・パーシングが語る惑星カミーノのクローン技術は『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』に登場した。

 また小説のアイテムも多数登場した。ドクター・パーシングにコルサントの観光名所を説明するドロイドが言う、スカイドーム植物園やホログラム博物館は、ケヴィン・J・アンダーソン著「ジェダイ・アカデミー」シリーズに登場。クローン技術を禁じたコルサント協定は、チャック・ウェンディグ著「スター・ウォーズ アフターマス」に、コルサントで最も高いウメイト山は、チャールズ・ソウル著「スター・ウォーズ ハイ・リパブリック ジェダイの光」で描かれる。また、ドクター・パーシングは仕事場で「ベンドゥデーだね」と挨拶されるが、ベンドゥデーはこの宇宙の曜日の名前。

 また、マンダロリアンの居住地でボ=カターンが"ナイト・アウル"と呼ばれるが、これは伝統を守るマンダロリアンの一派デス・ウォッチのエリート部隊の名称。ボ=カターンは、かつてこの部隊のリーダーだったが、後に部隊を率いてデス・ウォッチから離脱し、他のマンダロリアンたちと協力して帝国と戦った。そのため、この名で呼ばれたのだろう。

 さらに、ドラマも大きな展開が見られた。モフ・ギデオンの元部下ケインが活動しているということは、作中で語られた「ギデオンが逃げた」との噂は本当で、彼が何かを画策している可能性が高い。そして、ボ=カターンはマンドーたちと共に行動することになり、いよいよマンダロアの歴史が動き出しそうだ。前エピソードにおいて、泉の中でボ=カターンが見た、"マンダロアの新時代を告げる"と言われる伝説のクリーチャー、ミソソーの出現は、マンダロア奪回のクライマックスに持ち越しか。次は何が起きるのか、まずはギデオンの動きが気になる。

「マンダロリアン」シーズン3はディズニープラス独占配信中
(C)2023 Lucasfilm Ltd.

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