40分で旅行体験!IMAXで自然の尊さを体感
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回のテーマは、アラスカの原野、オレゴンの緑豊かな海岸線、古代渓谷、アパラチアン・トレイルなど、アメリカの美しい大自然をIMAXカメラで撮影したドキュメンタリー映画『イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること』。自然に対してなんの思い入れもない中川と、自然への想いが強い村本はまるで感想が違って、村本はお説教モードに!?(取材・文:森田真帆)
今回の映画は『イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること』です。
アメリカの大自然をIMAXカメラで捉えたドキュメンタリー。アラスカの原野やアパラチアン・トレイルなど28か所の絶景を、ネイティブアメリカン初の宇宙飛行士であるジョン・ヘリントンなど3人が案内役として紹介する。監督を務めるのは『ドルフィン』『アメリカ・ワイルド』などのドキュメンタリーを手掛けてきたグレッグ・マクギリヴレイ。日本語吹替版のナレーションを宇宙飛行士の野口聡一が担当する。
村本、亡くなった坂本龍一さんを思う
村本大輔(以下、村本):いやーすごかった。コロラド州メサヴェルデの家すごかったな! こんなところに家建てるんか! ってとこに建ててた(笑)。
中川パラダイス(以下、中川):古代の渓谷もすごかったわ。どんだけの時間かけてここまでくるんやろって、歴史を感じたな。上映時間が40分やったからめっちゃあっという間やったけど、キレイやった以外何を言ったら良いかわからん。ほら、僕、景色に感動できない人間やから。逆に村本には響いたんちゃう? なんでこの作品にしたん?
村本:こないだ亡くなった坂本龍一さんとは、今まで何度か会って話したことがあってさ。坂本さんが都市開発のために明治神宮外苑の樹木が切り倒されることに反発して小池百合子都知事に手紙出したって知ってる? 地球では1秒にひとつサッカー場一面分と同じくらいの自然が失われていて、アマゾンの自然なんてもう元に戻ってこないって言われたのよ。一番大事なのは目先の金儲けじゃなくて、何世代先まで残すべき自然って話をしたのを思い出したわ。この映画を観たときに、やっぱり残すってすごい大事やなって思ったわ。こういうふうに感動できる自然を大切にしなきゃあかんねんなって、坂本さんのこと思い出しながら観たんや。
中川:まあ村本がそういえば、なるほどなって思うけど、なんやかんや自然ってめっちゃあるやん。都会にだって自然があるからさ。なんかその重要性ってわからなくなってしまうよな。
村本:もうパラダイスは考えなさすぎや! もう一番響かへんもん観せてしまった気分やわ、ほんまに。
自然について考えよう
村本:パラダイスみたいに無関心なのは、ただ単に物を考えてなさすぎんねん。これはリアルにアマゾンが燃えて地球の呼吸ができなくなっているのっていうのに、「知らんけど」っていう自然への鈍感さはやばいやろ。やっぱり勉強しないと、自然についても考えようって思わんやろ。
中川:自然がやばいっていうのはわかったけど、どんだけの人が、村本のその考えまでたどりつけるんか、ちょっと統計したいわ。自然の素晴らしさを伝えるのってめっちゃ難しいと思うねんな。この映画みたら、ほんまにめっちゃキレイな景色いっぱい出てきてさ、キレイやなーとはなるけど、それ以上の感情は起きへんもん。
村本:え、お前、うわぁこの景色を実際に見に行きたい! ってならんかったん? 旅に出たいってなるやろ? ほんまに感受性ゼロやなぁ。この前、北海道でライブしたんやけど、そのときアイヌの教えっていうのを聞いてさ、魚やったり猟やったり、「取りすぎないっていう決まりがある」って言うててさ。それは未来の子供たちのための言葉やねん。後の人のこと考えてないで好き勝手生きていたらあかんやん。だからこそこの映画を観て、大切な自然をちゃんと残さんとなって気がついたらいいと思うねん。
中川:まぁ、そう言われたら、そうやな。この映画を観る人は、みんな村本の話を聞いてから行ってほしいわ! きっとなんか変わるかもしれへんな。
IMAXで観るのがベストの映画!
村本:やっぱり中川は旅し足りてないんちゃう? 夕日がバカみたいにでかく見える場所に行ったら、感動する心がきっと育つと思うわ。ずーっと都会におったら気づかんことがたくさんあんねん。お前なんて、そもそもキャバクラの外にでたことないやろ。
中川:誰がキャバクラに住んでるっちゅうねん。ちゃんと外に出てます。でもまぁ、営業くらいでしか旅には行かないから、村本が持ってる感性は羨ましいな。たまーに月がピンク色の時あるやん? そういうときは、「わあ、ピンクの月やわ!」って感動したりするんやけど、それくらいやからさ。たしかに村本が言う通り、僕は感動の景色が足りない気がすんねんなぁ。やっぱりずっと東京いるとなかなか感動できへんからさ。
村本:ほらな! パラダイスは街から出てみろ! 都会から出て、自然に飛び込むとめっちゃキレイな景色がいっぱいあるんやで! この映画に出てくるような、オレたちが守らなあかん尊い景色がたくさんあるってことをみんなに知ってほしいねん。
中川:最後にめっちゃ星空映ったやん。でもそのとき、あまりにもキレイすぎて、これめっちゃ嘘な星を作ってんちゃうか? って思ってしまってん。でもあの星こそがほんまもんなんやもんな。やっぱりこれはIMAXのスクリーンで観ないとダメな映画やと思う。あの星空はIMAXで観てこそ村本のいう感性が育つと思うから。
村本:せやな。まずはIMAXや! 長い間コロナのせいで旅行できんかったし、40分で旅行体験はお手軽やん。時間を見つけて、気分転換がてら観に行って、それでこの地球にある自然について、少しでいいから考えて、未来のことを想像してくれたらうれしいわ。
※記事内容には個人の意見が含まれています。
『イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること』4月7日公開
映画『イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること』公式サイト
(C) MMXX VisitTheUSA.com
ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
中川パラダイス
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。