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【ネタバレ解説】実写版『リトル・マーメイド』はここがアップデート

リトル・マーメイド

 実写版の映画『リトル・マーメイド』は、ディズニーの名作アニメーションそのままではなく、いくつかの要素をアレンジして、新たな魅力がプラスされている。アニメーション版のどこがどうアレンジされたのか、チェックしてみよう。

※本記事はネタバレを含みます。実写版『リトル・マーメイド』鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします。

アリエルがエリックに恋する理由

リトル・マーメイド

 アニメーション版のアリエルは王子のエリックを見て「とてもハンサムね」と言って恋落ちるが、実写版のアリエル(ハリー・ベイリー)はエリック(ジョナ・ハウアー=キング)に自分と共通点があることを知って惹かれていく。未知の世界への好奇心と憧れ、過保護な親に反抗心、未知の世界のアイテムを集めるなど、似た者同士だからこそ惹かれ合ったという設定が説得力アリ!

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アニエルら王の娘たちの設定をアレンジ

 アニメーション版のトリトン王の娘たちは、トリトン王のイベントでコーラスをする。実写版の娘たちは、トリトン王(ハビエル・バルデム)に任されて、それぞれが世界の7つの海の1つを統治している。王の元に集まるのは、コーラスのためではなく、担当地域の状況報告のため。7姉妹が、それぞれ担当する海の地域性に適した姿をしているという設定も納得モノ。いろんなタイプの美しい人魚たちが見られるのも楽しい。

アリエルの友だちのカモメをカツオドリに

リトル・マーメイド

 アニメーション版では、アリエルの友人・スカットル(声:オークワフィナ)はカモメだったが、実写版ではカツオドリ。カツオドリは、海中に潜って魚を獲り、海中と陸地と空で暮らす鳥。アリエルは基本的に海中で暮らしているから、カモメよりもカツオドリの方が、友だちになりやすそうだ。

海の魔女アースラはアリエルの叔母

リトル・マーメイド

 どちらのアースラもかつて王宮にいたが、トリトン王に追放され、王への復しゅうに燃えているのは同じ。しかし実写版では、アースラ(メリッサ・マッカーシー)に、トリトン王の姉妹という設定をプラス。アースラの王を倒して自分が海の支配者になるという野望の説得力がアップしている。

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王子の出生について

リトル・マーメイド

 アニメーション版ではエリックの家族関係は描かれないが、実写版ではエリックは子供時代に船の難波で両親を失って孤児になり、王妃(ノーマ・ドゥメズウェニ)が養子にして育てたという設定。エリックの背景が語られることによって、王国の外の世界を知りたいと思う気持ちの裏付けにもなっており、キャラクターをより深く知ることができる。

アリエルが率先して戦う

 アニメーション版のアリエルは、友人たちやエリックに助けられたが、実写のアリエルは自分で戦う。アースラが化けたヴァネッサから魔法のペンダントを奪おうとするのは、アニメーション版では犬のマックスだが、実写版ではアリエル本人。最後の巨大アースラとのバトルでも、エリックだけでなくアリエルも大活躍する。

アリエルとエリックの結婚の意義

 実写版では、エリックの母である王妃が2人の結婚について、陸と海という2つの異なる世界が共存していくためのきっかけになることを望むという言葉を口にする。この発想はアニメーション版にはなかったもの。

アリエルとエリックを祝福する、多種多様な人魚たち

 アニメーション版でも、アリエルの結婚式を祝うため、たくさんの人魚が海上に顔を見せるが、肌の色は同じでサラリと映るだけ。実写版でも人魚たちがやってくるが、人魚たちは肌の色も髪の色も年齢も多種多様で、彼らの姿がじっくり映し出される。そして、その光景から、王妃が願った“異なる世界の共存”が、すでに海の世界では実現しているのだろうと思わせる。

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“いつまでも幸せに暮らしました”ではなく“新たな船出”

リトル・マーメイド

 アニメーション版では、アリエルとエリックの結婚式のキスで終わるが、実写版のラストは2人の新たな船出。2人はずっと憧れていた、まだ見たことのない世界への冒険の旅に出る。共通する想いで結びついた2人らしい、ハッピーなエンディングだ。

 アニメーション版と実写版、それぞれに魅力がある『リトル・マーメイド』。2つの同じ部分と違う部分を比べてみるのも一興だ。(文・平沢薫)

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