フランス版「大奥」!?ジョニー・デップおかえりなさい
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回のテーマは、18世紀のフランス・ヴェルサイユの宮廷を舞台に、59年間にわたりフランス国王に在位したルイ15世の最後の公妾(愛人)となったデュ・バリー夫人ことジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を描き、ジョニー・デップの裁判復帰後の最新作となった歴史エンターテインメント映画『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』。ウーマンが18世紀にルールを破りまくった主人公たちに共感する!(取材・文:森田真帆)
今回の映画は『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』です。
フランス国王ルイ15世の愛人だったデュ・バリー夫人ことジャンヌ・デュ・バリーの生涯に迫る歴史ドラマ。18世紀のフランス・ベルサイユの宮廷を舞台に、庶民階級出身の女性が、自身の才覚を発揮して権力の座へと上り詰めていく。監督・脚本に加え主人公を演じるのは『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』などのマイウェン。『MINAMATA-ミナマタ-』などのジョニー・デップのほか、バンジャマン・ラヴェルネ、ピエール・リシャール、メルヴィル・プポーらがキャストに名を連ねる。
現代にも共通する男尊女卑の世界に衝撃
中川パラダイス(以下、中川):歴史のことは全くわからんけど、映画はめっちゃオモろかった。娼婦ののし上がり物語やったな。日本の大奥にもつながるっていうか、どこの国でもあんねんな。フランスで一番の美ぼうの娼婦みたいな感じでさ、王様までたどりついて、後半はマリー・アントワネットにあまり気に入ってもらえなくてっていうのも、なんか大奥っぽいっていうか。
村本大輔(以下、村本):中川がいうとおり、アメリカもイギリスも日本もこう、女性が性を使ってのし上がるって必ずあるんよな。
中川:めっちゃ男性優位やん、圧倒的にさ。気付かないけど、日本でもまだまだこういう文化っていうのはあるのかなって感じた。
村本:当時の女性たちを見ると、なんか胸が痛くなるよな。男尊女卑でさ、女性が道具みたいに使われていたんやなっていうのは悲しかったし。そんな中でこの映画のヒロインはめっちゃかっこよかったというか、男性の言われた通りには絶対せえへんというか。その意志の強さがよかった。
監督も兼任した主演女優に感服
村本:あと、この映画、最初から最後まで映像がめっちゃくちゃキレイじゃなかった? とにかく絵みたいだった。イチャついてるシーンとかも。
中川:たしかに全然エロい感じはなかったよな。どちらかというかアートというか。めっちゃキレイやったわ。
村本:フレスコ画みたいやった。
中川:主人公のジャンヌ役を演じた人が監督と脚本を手掛けたんやって。あのキレイなヒロインが監督やって、めっちゃ多才よな。それで、衣装はシャネルがデザインして、ヴェルサイユ宮殿で撮影したって。そりゃキレイやわ。めっちゃすごかったもんな、衣装から何から。
村本:だからキレイなんやな。なんかずっとキレイな美術館にいるみたいな感じやった。あのジャンヌ役の人めっちゃすごいやん。ひとりで脚本も監督も主演もってすごすぎやわ。
復活したジョニー・デップに感動
中川:そういえば、なんでこの映画選んだん?
村本:ジョニー・デップの復帰作って聞いてさ。ジョニーがアンバー・ハードと離婚でめっちゃモメたやん。過激な法廷劇を終えた後に、復活したって聞いて、どんな映画に出たんかなって興味あってん。でもなんかこの映画観たら、ジョニーがこの映画を選んだ意味がなんかわかった気がしたわ。異物を排除しようとしているストーリーやん。この時代から何年もたった今でも、異物を排除しようとする動きはまるで変わっていないやん。
中川:そうやな。なんか映画観ていて思ったんやけど、意外にも村本は強い女性が好きよね。今回の映画のヒロインはお転婆で、自分でルールも破って。村本はああいう型破りな強いヒロインが好きやろうなって思った。
村本:そうやな。男としては、めっちゃ強い女性が好き。それに、どこか自分と共通点があるというか。吉本にも伝統というかルールはあるけど、オレはそのルールを破ったし。権力というのが人を腐らしていくっていうところも、めっちゃ共感したわ。
中川:ていうか、あれジョニー・デップやったん全然気が付かんかったわ。しかもフランス語やったな。
村本:やっぱり離婚劇という大きな山を乗り越えたジョニーは違ったわ。法廷で戦った男は堂々としてるわー。我々のボスと重なったわ。
※記事内容には個人の意見が含まれています。
『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』2月2日公開
(C) 2023-WHY NOT PRODUCTIONS-FRANCE 2 CINEMA- FRANCE 3 CINEMA-LA PETITE REINE-IMPALA PRODUCTIONS (C) Stephanie Branchu - Why Not Productions
ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
中川パラダイス
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。