「スラムダンク」じゃない!ダサかっこいいバスケ映画
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回のテーマは、実際にあった韓国の高校のバスケットボール部の話を映画化した映画『リバウンド』。スポ根だけではないユーモラスな演出を、笑いに厳しい村本がベタ褒め!(取材・文:森田真帆)
今回の映画は『リバウンド』です。
廃部寸前の弱小高校バスケットボール部の選手6人が、新任コーチと共に全国大会出場を目指す青春ドラマ。『記憶の夜』などのチャン・ハンジュンが監督、『ハナ 奇跡の46日間』などのクォン・ソンフィとドラマシリーズ「キングダム」などのキム・ウニが脚本を担当。『シークレット・ジョブ』などのアン・ジェホンがコーチを演じ、ドラマ「契約友情」などのイ・シニョン、アイドルグループ「2AM」のチョン・ジヌンのほか、チョン・ゴンジュ、キム・テク、キム・ミン、アン・ジホらが出演する。
難しい映画が苦手なパラ兄が太鼓判!
中川パラダイス(以下、中川):いつも村本が選ぶ映画って、難しいのとかようわからん映画とかが多いけど、今回は漫画みたいでわかりやすいスポ根映画みたいやったな。
村本大輔(以下、村本):うん、でも「スラムダンク」とはまた全然違うよな。たしかに弱いチームが頑張る物語ではあんねんけど、「スラムダンク」じゃないねん。もっと泥臭い話やったし。そういうキラキラ話でもない。韓国映画でスポーツ描いてる映画を観るの初めてな気がする。バイオレンスとか、恋愛ものとか、そういう系が多いやん。だから面白かった。
中川:たしかにな。みんなめっちゃダサくてさ、全然かっこよくないというか。それが逆に良かったわ。ダサかっこいい感じが逆に泥臭くてよかった。物語もストレートでわかりやすいから2時間って感じがしなかったわ。
村本:中川がわかりやすくて面白いっていうなら、この映画は誰にとってもわかりやすいはずやわ。
中川:だって最近の映画って今なんの話ししてんねん? ってなるときあるやん。そうなるともうついていかれへんし、僕はやっぱり時間めっちゃ気になるからさ。途中くらいであとどのくらいなんかなって考えてしまうからさ。
村本:ポップコーンを食べながらサクッと観るのにぴったりやんな。
これって実話!?絶対ありえない本当の話
中川:毎回情報なく観るやんか。だから、最初観始めたときは、正直もうベッタベタなバスケ漫画やんって思っててん。もう絵に描いたようなストーリーなんやろなって。でもさ、最後に実話やったってわかって、ほんまにびっくりした。だってさ、こんな嘘みたいなことがほんまにあるなんて絶対嘘やん! って思ったんやけど、そこで実話って聞いてびっくりしたわ。
村本:中川が言わなければ、同じように実話ってわからんで観て、最後にびっくりした人がけっこういたかもしれないのに、お前がいうてもうたせいで実話ってわかっちゃった人ばっかりになるやん。この記事を読んでる人は中川のせいで実話ってことを知ってしまったかもしれんけど、一旦忘れてから観てほしいわ。
中川:最初はやっぱり監督が主人公なんかな、この人が弱小チームを再生させていく映画なんやろなって思っていたけど、最後の最後で全員が主人公になって、みんなめっちゃええヤツやんってなったのも良かった。
村本:イケメン2人ほどおったな。あと、あのコーチがめっちゃいい雰囲気でおもろかったわー。日本と違うなって思ったのが、圧倒的な上下関係もめっちゃ面白かった。韓国的やったわ。先輩とかコーチをちゃんと立ててさ。年上には逆らわないというか。そういうところはすごい韓国っぽいなって思ったわ。日本ではあそこまで徹底してないもんな。
コミカルとシリアスのバランスが最高
村本:この映画、ギャグセンスもめっちゃ高かったよな。あのコーチの俳優さんも、間合いが完璧やったし、ふとしたシーンの一瞬の間が最高に面白かった。コミカルとシリアスのバランスがすごく良かった。日本のコメディー映画って、だいたい笑いがすべりがちなんやけど、この映画はテンポがすごく気持ちよかった。要所要所でナイスなユーモアが全然すべらんのがすごかった。
中川:なんか作られたというか、わざとらしさがなかったわ。バスケめっちゃ下手な子がおったらさ、普通こういうスポ根の映画って、めっちゃ上手くなっていったり、成長していったりするやんか。でもそれが下手なまんまなんもよかったというか(笑)。あのダサさがめっちゃよかったよな。
村本:そうそう。日本映画ってさ、やたらと笑かそうとするやん。そんで10代の前半の観客を笑かすのに失敗したみたいな感じになんねんな。ワンシーンで笑かそうとしても実は面白くなくて、この映画はもともとのキャラクターでダサいコーチや、ほかの選手のキャラクターがめっちゃ立ってるから、そこでちゃんと前フリできてんねん。わざとらしくない感じがめっちゃええよな。
中川:あのコーチ、西田敏行みたいな感じやったね。「スラムダンク」と思いきや、韓国の『釣りバカ日誌』やん!
※記事内容には個人の意見が含まれています。
『リバウンド』4月26日公開
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ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
中川パラダイス
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。