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町も人もエグられる…球体の謎に迫る「七夕の国」って?

 現代社会を一変させる重大事件の答えが日本の地方都市に隠されていたら? 傑作「寄生獣」で絶大な支持を得た漫画家・岩明均が、そんな壮大なミステリーに挑んだ漫画を実写化したオリジナルシリーズ「七夕の国」が7月4日(16時~)からディズニープラスの「スター」で独占配信される。

 触れた物全てをエグる黒い球体閉ざされた町をめぐるミステリーが描かれる「七夕の国」。物語の舞台となるのは、“丸神の里”と呼ばれる田舎町・丸川町。その始まりは戦国時代に遡り、里の民と丸神の土地を侵そうとする領主との合戦から幕を開ける。たった数人の民が操る球体に、次々と体をエグられていく侍たち。ディズニープラスならではの迫力で活写される合戦シーンが、本作のスケールと時を超えた壮大なミステリーの始まりを予感させる。

 それから数百年を経た現代で里の謎に挑むのは、あらゆる物にほんの小さな穴を空けられる、何の役にも立たない超能力を持った大学生・南丸洋二(略称:ナン丸)。能力以外はいたって平凡なナン丸だが、後輩から就職を心配されるほど能天気で、常に楽観的な“愛されキャラ”。あまりに普通で人間味あふれるナン丸の等身大な目線が物語への没入感を高め、謎が謎を呼ぶ展開にグイグイと引き込まれていく。

この町、どこかおかしい…?

山頂が平らな山を望む“丸神の里”

 ある日、顔も知らない民俗学の教授・丸神正美に呼び出されたナン丸は、丸神ゼミの講師・江見早百合から、丸神教授が“丸神の里”へ調査に行ったまま失踪したこと、自分と教授がその町に祖先を持つことを告げられ、教授の行方を追って町へ。のどかな景色が広がり、奇妙な形の山が町を見下ろす、美しくも不穏なロケーションに圧倒される。

 またこの町では、人間の頭部と右腕が丸くエグられる殺人事件が発生しており、のどかな景色と陰惨な事件のギャップが、否が応でもミステリーを盛り上げる。

 “丸神の里”の住民は、殺人事件や教授の行方について何かを隠している様子で息の詰まるような閉塞感を漂わせており、初めこそナン丸たちを遠ざけようとするが、彼が町の“殿様”である丸神一族を祖先に持つことを知ると態度が一変。町をあげての歓迎ぶりは、まるでミッドサマー』の村民たちを思わせる不気味さ。ナン丸たちが、まがまがしい事態に巻き込まれてしまうのでは……と先の展開にゾクゾクするばかりだ。さらに、すべてを“えぐる球体”と“丸神の里”にまつわる3つの謎が物語への没入感を高める。

第一の謎:町民だけが見る悪夢

謎の夢に苛まれる東丸幸子

 “丸神の里”の住人の大半は、時々現れる“悪夢”のような幻影に悩まされている。ナン丸が出会う“丸神の里”を治める東丸家の長女・東丸幸子は、その悪夢を「窓の外を見る」と表現するが、その内容は言葉では説明ができない。映像化された夢の描写は詩的にして幻想的で、目を奪われる美しさの中に絶望的な孤独感によって恐怖を植え付けられる。さらに、球体を操る人間を「手が届く者」と呼び、里の中で特別な存在であることが判明。丸神の里をめぐる力を持つ者による攻防は実にスリリングだ。

第二の謎:季節はずれの七夕祭り

謎の儀式を見た者はどうなってしまうのか?

 特に観光資源もない“丸神の里”だが、地元住人が楽しみにしているのが毎年恒例の“七夕祭り”。この町では、7月7日ではなく、毎年6月に行われるのが特徴だが毎年日にちもバラバラ。季節外れの七夕飾りは華やかで美しいが、町を覆う違和感を象徴しているようだ。さらに祭りの期間中、町を見下ろす丸神山は外部の立ち入りが禁じられ、山頂では何かを呼び出すような、謎の儀式が行われている。にこやかな昼間の様子から一変。一心不乱に儀式を行う住人たちの姿に、見てはいけない物をのぞき見たかのような興奮を覚える。

第三の謎:丸神一族の掟

 戦国時代から、土地を侵そうとする勢力から里を守ってきた丸神一族。それを証明するように、地元の資料館に展示された戦国時代の鎧兜には、丸くエグられた痕が展示されており、丸神家の旗には、カササギと人間の手のひらの間に黒い球体が描かれている。そして、丸くエグられ殺された被害者は、丸神山の開発計画を進める建設会社の社長。パズルを組み立てるように、里の伝承と現代の殺人事件の謎が交差する構成も実に巧みだ。

全てをエグる球体とは?

 突如として空中に現れ、触れた物は●(まる)の大きさの分だけこの世から消え去ってしまう球体。その部分がすっぱりと消えてしまったかのような切り口は、原作のテイストが見事に再現されており、実写化にかける制作陣の気合が伝わってくる。その対象はエピソード毎に拡大していき、やがて都会の巨大ビルを飲み込むほどに。最後には何がエグられるのか? アブない楽しみも味わえる。

丸神頼之の正体と目的とは?

 そんな球体を自在に操る「手が届く者」の一人が、丸神一族として人々に一目置かれる存在でありながら、里を去った謎の人物・丸神頼之。マスクとコートで全身を覆った正体不明の人物だが、両手から異常に長い六本の指が伸び、マスクの隙見から覗く虫類のような瞳が、圧倒的なラスボス感を醸し出している。声と雰囲気だけでの圧倒的な存在感は、頼之を演じる山田孝之の真骨頂とも言えるだろう。

主人公の超能力も関係が?

ナン丸の力にも変化が……

 球体を操ることができる者は、頼之やほんの数人しかいないようだが、失踪した丸神教授の部屋には、自分の力を確かめるかのように、大きくエグられた物品が数多く残されていた。また、教授が残したエグり痕は、ナン丸が空けた小さな穴にソックリで、クラマックスに向けた主人公としての成長も期待させる。

 ただ、ナン丸が普通の主人公と少し違うのは、超能力以外に特技もないが、とにかくお人好しで前向きなところ。球体の力を金儲けに利用する幸子の兄・高志や、人々を恐怖に陥れる頼之と、平和主義で楽観的なナン丸との対比が、より重厚な人間ドラマを生み出している。あくまでポジティブに球体の存在をとらえているナン丸が、最後に導き出す答えにも注目だ。

町の住民たちを待つ運命とは?

 爽やかな魅力そのままにナン丸を演じた細田佳央太はもちろん、ヒロイン・幸子役の藤野涼子、高志役の上杉柊平など若手俳優陣も熱演。さらに、頼之役の山田孝之だけでなく、ナン丸たちが探し求める丸神教授をミステリアスに演じる三上博史など、ベテラン勢の演技も必見の群像劇。謎が謎を呼ぶ緻密なストーリーは後半にかけて怒涛の伏線回収されていき、驚きのラストに注目してほしい。(編集部・入倉功一)

「七夕の国」(全10話)はディズニープラス「スター」で独占配信中
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(C)2024 岩明均 / 小学館 / 東映

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