ディズニーでR指定?「デッドプール」って
提供:ディズニー
世界中に夢と感動を提供するディズニーから、まさかのR指定映画が誕生!? マーベル屈指の破天荒ヒーロー・デッドプールが活躍する『デッドプール&ウルヴァリン』だ。スーパーヒーローなのに下ネタ上等、NGワードも連発する彼に、もはやルールなんて関係ナシ! この夏一番の超大作で暴れまくる、デッドプールのヤバすぎる魅力に迫る。(平沢薫)
観客にまで話しかける!NGナシのしゃべりすぎヒーロー
自らを「俺ちゃん」と呼ぶデッドプールは、末期がんと宣告された凄腕の傭兵ウェイドが、人体実験によって驚異的な治癒能力を身につけたことで誕生したヒーロー。殺傷能力の高さも激ヤバだが、それより目立つのが、口数の多さだ。しかも、その内容は下ネタや放送禁止用語とNGワードのオンパレードなのだ!
その例を見てみよう。心が痛んだデッドプールは「紙ヤスリでアソコをこすった気分だ」と独特な表現で心情を表現したり、武器を捨てて素手で戦おうとする敵に「オモチャを使うプレイは嫌い?」とヒーローらしからぬ過激な発言で挑発する。さらに、関係者各位への忖度はまるでなく、生真面目なヒーロー・ケーブルには「お前、暗いヤツだな。DCユニバース(注:バットマンなどが属する。マーベルとは別会社のヒーロー作品群で、ダークな世界観が特徴的)出身か?」と質問したり、そのケーブルから「お前は誰だ?」と問われると「バットマンだ」と返答するなど、他社のヒーローまでイジり倒す始末……。さらに無言で戦うヒーローには、「ウィンター・ソルジャー(注:戦闘中は一言も喋らない超人マーベルヒーロー)かよ」とアベンジャーズのメンバーに例えることもある。
もう一つ、デッドプールのおしゃべりの特徴は、“第四の壁”を平気で破ること。一般的な映画では、登場人物と観客の間に“第四の壁”があり、映画の登場人物は、この壁によって観客に直接話しかけることができない。しかし! デッドプールにそんな壁など通用しない! 映画の途中、観客の方をまっすぐ向いたデッドプールから「脚本、悪いよね」と言われてしまっては、思わず爆笑するしかない。また、エンドクレジットが終わってからも、自分だけすっかりくつろいだバスローブ姿でひょっこり登場し、「まだいるの? 終わったよ。家に帰れ。サミュエル・L・ジャクソンが眼帯して出てきたり(=『アベンジャーズ』のニック・フューリー)はしないぞ」と言って、ヤレヤレとでも言いたげに首を振って去っていく。「第四の壁」を破壊する特性を活かし、観客までいじりまくるのだ。
自虐ネタ炸裂!自分も他人もいじりまくり
忖度なしのデッドプールは、実在の有名人も容赦なくイジり倒す。その筆頭は、本作でウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマンだ。ライアンとヒューは、映画『ウルヴァリン: X-MEN XERO』(2009)でウルヴァリンとウェイドを演じて以来、実生活では大親友。これまでも、SNSでお互いをいじりまくってきた間柄だ。デッドプールの恋人が初めて彼の顔のマスクをはがす、本来なら感動的なシーンでも、マスクの下の顔にはヒューの写真が張り付けられていたり、ヒューが主演したミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』(2017)の大ヒットに便乗して、デッドプールが映画の宣伝で同作をネタにするなど、愛のあるイジりで作品を盛り上げてきた。
さらに、デッドプールはディズニーの大ヒット映画までもネタにしてしまう破天荒ぶり! 彼は自宅のソファで恋人と一緒に映画『愛のイエントル』(1983)の歌唱シーンを見ながら「これに似た歌、あるよな?」とつぶやくが、それは『アナと雪の女王』の名曲「雪だるまつくろう」のこと。このネタはデッドプールのお気に入りらしく、『デッドプール&ウルヴァリン』の予告編にも、彼の同居人ブラインド・アルとのコカインの隠語をめぐる会話でこの曲名が登場している。
他人イジりはもちろん、時にはデッドプールの中の人であるライアン自身をネタにした自虐ギャグも炸裂する。彼がかつて、緑色のスーパーヒーロー演じた主演映画『グリーン・ランタン』(2011)が大コケしたことを踏まえて、ミュータント化の実験台になる時に「緑色のコスチュームはイヤだよ」と嘆いたり、デッドプールが過去にタイムトラベルして、『グリーン・ランタン』の脚本を受け取ったライアンを射殺し、自分の黒歴史をなかったことに!
しかし、こんなふうにセレブや他作品をイジリまくっても炎上しないのは、本当はデッドプールが仲間思いで愛されるヒーローだから。このままだと殺人鬼になるからと殺されそうになったミュータントの少年を、自分の命を賭けて救おうとした。敵と戦うために新聞広告で仲間を集めた際も、「楽しそうだから」と言って応募してきた中年太りの一般人も採用し、彼が危機に陥った時は命を救おうとした。破天荒だが、時に見せるヒーローとしての一面に、人々は魅了されるのだ。
やる時はやる!ほぼ不死身の過激アクション
デッドプールはジョークだけでなく、戦闘スタイルもバイオレントなR指定レベルだ。超人的な跳躍力を持つデッドプールは、日本刀二振りと二丁拳銃を駆使して、空中で回転しながら、斬りまくり、撃ちまくり、ついでにジョークも言いまくる。元傭兵なので、武器の扱いも格闘技術も習得済み。そのうえ、日本刀を相手に投げつけて刺して倒すなど、武器の使い方も通常のパターンを破るのがデッドプール流だ。
そんなふうにデッドプールの戦闘スタイルが過激なのは、撃たれても斬られてもすぐに再生する超再生能力を持っているから。その再生力は、自殺しようと全身を爆破した時に、頭部は首から千切れ、左右の手足がバラバラになっても死ななかったほど。右手の骨が折れても、左手で戦っているうちに回復する。手首を切り落としても、すぐに新しい手が生えてくる。そんな身体で戦うから、過激さも凶暴さもフツーのレベルを通り越してしまうのだ。
ありえないタッグ!この夏一番の超大作
そんな掟破りのデッドプールが活躍する最新作『デッドプール&ウルヴァリン』では、デッドプールが無骨でシリアスなウルヴァリンと禁断のタッグを結成する。ウルヴァリンのヒューは、7年前に同役からの引退を宣言していたが、親愛なるライアンのために引退を撤回し、ウルヴァリンとしてカムバック。二度と見られないかもしれない、ありえないタッグが実現したのだ。
二大ヒーローの共演だけですでにビッグな本作だが、注目なのはそれだけではない。これまで、マーベルのヒーロー映画は1年に何作も公開されたが、昨年の全米脚本家協会と全米映画俳優組合のストライキの影響により、大作映画の製作が先送りになり、ディズニー配給による今年公開のマーベル映画は『デッドプール&ウルヴァリン』1作のみ。本作は、ド派手な大作アクション映画ファンなら絶対に見逃せない、この夏必見のイベント映画なのだ。
すでにアメリカでの大ヒットが予測されており、全米での前売りチケット販売は、R指定映画における史上最高の売上高を記録。米大手メディアDeadlineは、本作のオープニング興行収入を2億3,900万~3億ドルと予測しており、6月末時点での本年度の全米週末興収第1位であるアニメ映画『インサイド・ヘッド2』の約2億1,100万ドルを超え、年間1位になる可能性を示唆している。
もう一つ注目なのは、『デッドプール&ウルヴァリン』がマーベルヒーロー大集合映画『アベンジャーズ』シリーズ最新作に関連するかもしれないから。というのも、最新作の監督候補に挙がっているのが、本作を手がけたショーン・レヴィ監督なのだ。
さらに、デッドプール役のライアンは先日、何者かによって落書きされたアベンジャーズの旗が風になびいている謎の動画を突如Instagramに投稿した。これは、デッドプールが将来的にアベンジャーズへ加わることを匂わせているのか!? 今後のアベンジャーズの戦いに備える意味でも『デッドプール&ウルヴァリン』を見逃すわけにはいかない。
映画『デッドプール&ウルヴァリン』は7月24日(水)世界最速公開
(c) 2024 20th Century Studios / (c) and TM 2024 MARVEL.
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